先祖のカルマはあるのか?

先日、あるクライアントさんが、
望んでいたわけではないけれど、
自分が先祖のカルマを背負ってしまっている
ような意識があって、とても苦しかった、
と言うお話をされていました。

確かに、私たちは人間として
この世界に生まれ出た以上は、
両親がいて先祖がいるわけです。

ということは、良くも悪くも、
否応なく先祖から受け継いだ有形無形の
ものがあるのは否めません。

体系や体質、性格やものの考え方、才能、
物質的な財産などの他、

霊的にはその家系の中で繰り返すパターンや
先祖の負債かと思えるような
非常にキツイ人生の試練など、
あなたも経験したりどこかでそんな話を
聞いたことがあるのではないでしょうか。

それをどう捉えてもいいのでしょうけれど、
現実的に、確かに逃れ難くのしかかってくる
家系の問題に直面する人も、
少なくないように思います。

そういう試練がきついほどに、
自分の先祖はどれだけ悪いことをしたんだ、
呪われてるのか、それを背負う自分は
貧乏くじを引いている、罪に対する罰なのだ
などと思ってしまう人もあるようですが、
一概にそうとも言えないんじゃないかと思います。

目の前の現実をどう捉えかは色々な考えがあるし、
好きに受け取ればいいと思うのですが、
ここでは私なりの考え方、見方を
お話してみたいと思います。

多くの人が抱くカルマの概念は、
ネガティブな負のものが多いので、
ここではそちら方面の話をします。

様々な方のご相談をお受けしてきて、
エネルギーをリーディングしてみると、

確かに、先祖の行った様々な行為の影響や
先祖の味わった諸々の感情のコードが
子孫にも受け継がれているのは
良く拝見します。

呪いのコードが家系に絡んでいたり、
不遇の内に亡くなった方の思念が
家系全体に不穏な影響を及ぼしているのも
珍しいことではありません。

簡単なものなら割とすぐに回復して
行くこともできますが、
相当に根の深いものだと、
その大元にたどり着くのが私の力では
結構難儀だったりして、なかなか
お力になれないこともあります。

そういう場合は、もっと力のある方に
ご依頼されることをお勧めするのですが、
私もあまりご紹介できる方を知らないので、
申し訳ないですが、ご自身で探していただく
ほかありません。

まぁそんなこともありますが、
ではそういう家系に生まれてしまったのは
貧乏くじで、ひたすら不幸なことだと
嘆くしかないのかというと、
私はそうは思いません。

悪いことをした罪に対する罰なのでは
ないんですね。

よく、魂は両親を選んで生まれてくる
と言うことが言われますが、それはある部分、
真実なのではないか、と思います。

私は、その人の人生に展開する
様々なテーマは、家系に由来するものと、
その人自身の魂が持ち越してきたものがある
と思っていて、これを縦糸と横糸のように
考えているのですが、

全く異質な、その人の魂の縁のない
テーマがある家には生まれてこない
と思うのですよね。多分。

何かしら、その人の魂の中にある要素と
同じものを持っている家に
引き合うんじゃないかという気がします。

だから、
この試練は先祖のもので自分は潔白だ、
それにもかかわらず、完全に厚意で
自分は先祖のカルマを解消してやってるんだ
みたいな考え方には、私は同意しかねます。

その家系の癖を利用して、
自分の魂のテーマを浮上させ、
消化・昇華させようとしているのだ
と私は捉えています。

つまり、癖のある家に生まれたのなら、
あなた自身の魂の中にある癖を
見える形で浮上させているのだよね
と見ているわけです。

あくまでこれは私の見方ですし、
これが正解だと言いたいわけではありません。
捉え方、概念は好きなものを採用すれば
良いと思います。

続けます。

縦糸と横糸がクロスしたところに
今のあなたの人生があって、
この瞬間にクリアしたテーマが、
先祖や自身の魂の旅路のすべての領域に
瞬時に影響する様子を、セッションで
しばしば目の当たりにします。

暗かった先祖の顔や家系のエネルギーラインが
美しく輝き、詰まっていた生命エネルギーが
どっと流れてくる様子は、喜びの声で
満ちています。

と同時に、その人の別の人生の領域で
悲惨の極みだった人生が、平和で豊かで
幸せなものに転換していくのも見えます。

たった一人の取り組みが及ぼす影響は
計り知れません。

たとえ誰にも知られず、ひっそりと
取り組んだことだとしても、
先祖は見ているし、別の次元の自分も
恩恵を受け取るのです。

こんな程度のことをやったところで、
と卑下することはありません。

難しいことはわからなくても、
たった一本の花やお線香、お水を
かつて生きた先祖の人生、思いに
深く思いを致して捧げるならば、

あなたのその行為は、
どれだけ先祖の御霊を慰めるか、
わかるでしょうか。

そういうことができるなら、
それがあなたの徳なのです。

貧乏くじだ、罰だなんだと嘆くより、
今この自分に何ができるのか、
これを通して何を見ることができるか、
と問うて向き合った方が、余程
生産的ではないかな、と思います。

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