自分自身との対話を楽しむ

昨日は感情解放ワークショップでした。常連の方々、初めてご参加で遠方よりお越しの方、みなさまの真摯な取り組みに立ち会わせていただけましたこと、心より感謝申し上げます。

毎回、みなさんの中から現れてくるものは、本当に愛おしい子供たちのようで、彼らがどれほどの長きにわたって助けを求め続けていたのかその苦しみに寄り添い、そして今回やっと自身に受け止められていくのを拝見するのは、いつみても素敵なことだなぁと感じます。

よくワークで掘り下げの時にどんな質問をしていけば核心にたどり着くのかとご質問をいただくことがあるのですが、定型的なマニュアルでできるほど、みなさんの背景は画一的ではないですし、状況や場面によって、質問の仕方も変わって来るので一口でご説明できないのがもどかしいところです。

ただ、根本的には抑圧された感情のカケラ君が、今どんな状態にあって、どうして欲しがっているのかを明らかにするという方向性をしっかり持って問いかけをすることは重要です。

ワークにおいてはストーリーにはまり込んでいくことは推奨しませんが、けれど周辺のストーリーを明らかにすることで、そのとき浮上している感情がより鮮明にできるケースがあります。

たとえば、ある場面のビジョンが出てきたとして、周辺に誰かいるのか、居るのだとしたらそれは自分とどんな関係にある人なのか、その人に対してどんな気持ちを抱いているのか、なぜその気持ちを抱くに至ったのか、その原因となるどんな出来事があったのか、などを問いかけ掘り下げていくことで、漠然としていた感情の輪郭がはっきりと浮かび上がるでしょう。

また、核心の気持ちが浮かび上がって来たら、そのカケラ君が自分に対してどうしてほしいと思っているのか、解放されたがっている当事者の声をよく聞くようにします。

もしカケラ君の声が聞こえないのだとしたら、それは自分の側が、声を聞くことに対して何らかの抵抗や恐れがあるから自分でシャットアウトしているのであって、決してカケラ君が聞いてほしくなくて、黙り込んでいるわけではありません。

彼らは非常に苦しい状況にいるのであり、一日、一秒でも早く助けてほしいと思っています。よく、カケラ君は私が聞こうと思っているのに何も言ってくれない。拗ねている。という人がありますが、それは自分自身の姿を投影して見ているだけです。

このことを踏まえた上で、カケラ君と対話していくこと、対話できるようなスタンスを自分で整えていくことも、大切なポイントになってきます。

カケラ君との対話を恐がる自分に忍耐強く対処していくことや、カケラ君と適切なコミュニケーションを取れるようになっていくプロセスは、ただの通過点ではなく、実はそれ自体が人生の大切な目的でさえあると私は思っています。

だから、さっさと通過して早く楽になりたいという気持ちも分かりますが、願わくば、永遠にそれをやっていても大丈夫!それが楽しい!と思えるくらいに感じていられたら、と思うのです。

子育てなんかも、その瞬間瞬間は通過点で、早く成長して子供たちが独立して手が離れればいい、というものではないように、あらゆる瞬間が愛おしいものであり、大切に慈しんで抱きしめるものだと思います。

そんな気持ちでカケラ君たちとの対話や、未熟と思えるような自分の側面との出会いを楽しんで向き合っていっていただけたらな、と思います。

抑圧された感情のカケラ君たちは、決して私たちの人生の障害物ではありません。彼らは大切な何かを教えてくれ、導いてくれる優れた賢者でもあります。

その叡智を私たちが引き出し、どれだけ自分の血肉とすることができるのか。ひとえにそれはどれだけ私たちがそこから学びを得ることに貪欲であるか、にかかっています。

どうぞ、カケラ君たちとそれに向き合おうとしている自分自身に対して、忍耐強く関心を持ち続け、愛のある眼差しを注ぎ続けて行ってください。

みなさまの歩みが、愛と祝福で満たされますように。

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