感情解放ワークで自分自身に深く向き合うということを続けていくと、「内なる自分」は、そのように自身に意識を向けてもらうのを待っていたかのように、次々と様々な秘密を打ち明けてくれるようになります。
過去世のこともそうですし、自分でもとうの昔に忘れ去っていた古い記憶、そこに埋もれた感情、そして自分がどれだけ自身を偽って生きていたかという真実、さらには、自分の果たしたかった夢やミッション、それに対して今何をしたらいいのか、どうやってそれをするのかまで、自身と対話するほどに明らかになって来るのです。
ワークを続けてきていらっしゃる方にはお馴染みのことかと思いますが、どれだけやっても、そのステージステージで真実を知ることへの恐れや痛みを味わうことへの恐怖感などが繰り返しやって来るでしょう。
けれど、取り組みが深まるほどに、感情や感覚は当初感じていたものからどんどん変化していきます。恐怖や悲しみ、怒り、絶望など、最初の頃はとても手に負えないモンスターのように感じていたそれらは、ただ自分が迎えに来てくれることをひたすら待っている傷ついた存在なのだと、分かるようになるのです。
頭でこれらのことを知ったとしても、すぐに生々しい痛みの感情に触れていくことは難しいでしょう。それができるようになるまでに、段階的に身に着けていくべきテクニックや心の筋肉があります。
ちょっとしたハイキングで登れる山に登るのと、富士山に登ること、エベレストに登ることは、同じ山登りと言っても相当なレベルの違いがあります。
それぞれに準備すべき装備や体力、技術、知識などがあるので、今の自分がどのくらいまでならできるのか、注意深く毎回チェックしていく意識は持っていた方が良いでしょう。
自分にできることと、まだできないでいることの境目が明確に捉えられると、次に何をすべきなのかがはっきりと分かります。内面のことは、何となく曖昧に捉えてしまいがちですが、そこを明確に見られるようになることも、技術の一つです。
また、集中力や持続力を付けていきたいと思ったときは、自分が苦痛に感じることにフォーカスすると良いでしょう。
たとえば私が最近トライしたのは、ジャパをしているときにたまに出てくる身体のだるさについてです。疲れがたまっているときなど、この身体的苦痛が集中力を妨げ、意識が散漫になってしまいます。
そこで、このときは敢えて逃げたいようなその体の苦痛にしっかりと意識を向けて、命の呼吸を送ってみるなどをしばらくしていました。そうするほどに苦痛のエネルギーは刻々と変化していき、随分と楽になっていました。
そうしてその日は一日、朝に感じていた疲れも気にせずにすっきりと過ごすことができたのですが、苦しい感覚は感情だけでなく、身体的なレベルでも、無視して抑圧するのではなく、意識を向けてケアする方が良いようです。
このワークでは、抑圧されていた苦痛の感覚が解放できたというだけではなく、苦痛の中でも意識を向け続けることのできる心の筋力が鍛えられたわけです。
ワークではこのようにして、より深い苦しみの中でも意識を途切れさせずに向け続けていることのできる力が養われて行きます。
今週の無料ヒーリングのテーマにも通じることですので、意識なさってみてください。苦しい状況の中で自身の在り方を問うには、苦痛に耐えて意識をコントロールする力がどうしても必要です。
いきなり高度なものをイメージする必要はありませんが、「ちょっと嫌だな」と感じた時や「もう逃げ出したい」と思ったときこそがチャンスです。その嫌な感覚の中でしっかりと身体とともにいて、深く呼吸をしながら踏みとどまる練習をしてみましょう。
これができるのとできないのとでは、格段に胆力のようなものが違ってきます。
世界のより深いレベルを意識で捉えていこうとするとき、「それとともに在る」ということがとても大切です。これはいわゆるプレゼンスの状態なのですが、プレゼンスに在るには、今この瞬間に踏みとどまる力も必要なのです。
私たちはややもすると今この瞬間から飛び出して、過去や未来のマインドの世界を彷徨ってしまいがちです。それは、「今ここ」に居ると感じたくない様々なものを体験しなくてはいけなくなってしまうので、逃げ出したいわけです。
私たちは、プレゼンスに深く根付いて自然にその状態に居られるようになるまで、繰り返し「今ここに踏みとどまる力」を試されるでしょう。
焦らず、遊離することなく、今この瞬間の自分自身とともに在りましょう。