昨日は感情解放ワークショップでした。久しぶりに参加された方々のクラスでしたが、じっくりと読み解きをしていきました。噴き出している感情のエネルギーが大きいと、ワークの基本が分かっていても、なかなかに掘り下げたり受け止めたりして行くのは難しく、同じところをグルグルしてしまうものです。その辺りを丁寧に解説していきました。
感情を冷静に受け止めるのが難しい原因は、ただそのエネルギーが大きいからというだけではありません。別の要因もあるのです。それが、相手によって見せられた要素への抵抗の大きさです。
どういうことかというと、癇に障る相手の言動に接したとして、頭でそれが自身を映した「鏡」だと分かっていたとしても、それを認めることができないとき、ガッチリとブロックされてしまい、掘り下げも受容も難しくなってしまうのです。
こうなってしまうと、自分が何に抵抗しているかに気づくこと自体、一人では難しいでしょう。最後はやはり、そんな自分を直視するかどうか、という本人の選択にかかっています。
かつて私自身がこうしたブロックにはまってしまったときにどうしていたのかというと、私に私がするのと同じようにセッションしてくれる人もいないので(オリジナルのセッション形式なので(^^;)、ダイレクトに感情のエネルギーを身体で捉えて、最も苦しいところ、辛く感じるところに向かって受け止めていくというやり方をしていました。
そうしていく中で、気づきが次々と起こって来て、解放されて行ったのです。この体験が現在のセッションや感情の理論部分のベースになっています。
現在、ワークショップなどでみなさんが感情解放のワークを学ぶときは、まず理論と方法を学んでから実践に入って、実際に自分がワークの中で体験したことを理論に照らし合わせながら理解していくという流れになっています。
けれど、私は実体験から理論や方法論を構築していったので、順番としては逆なのですね。
ですので、掘り下げが苦手という方でも、本当にピンポイントで最も苦しいところに意識を向け続け、自身の真実を直視し続けることができるならば、必ず気づきはやってきますし、解放は可能です。
ただ、自分の意識がどこに向いていて、ポイントを捉えているのかどうかが認識できないと、混乱の中で自分を見失い、ワークは迷子になってしまいます。そういう意味で、核心を捉える方向感覚はある程度必要だろうとは思います。
私は実生活では、地図は読めるもののかなりの方向音痴なのですが、不思議と感情のエネルギーの核心を捉える嗅覚はあって、セッションをしていてもその辺りに関しては、直感的に探り当てるのに迷うことはほとんどないのですね。本当にそれは自分でも唯一と言える特技であり、ギフトだと思います。
この感覚が街歩きのときには全く働かないのは、ホントに残念です。(笑)
ガッチリハマって身動きが取れなくなっている状態の方を拝見していて感じるのは、意識のポジション取りがうまく行っていないということでしょうか。
感情に巻き込まれていると、観察する「主体の意識」と観察される感情のエネルギーという「対象」が一体化してしまっていて、癒しのエネルギーを導いたり、隠されたカギを見つけ出していく「主体」が不在の状態になってしまいます。
例えて言うなら、作戦を練って指示を出し、実際に対処していくポジションの人間が、混乱した現場でアタフタしている当事者と一緒になって右往左往している状態と言えるでしょうか。
あなたの居る職場では、そんな状態がないでしょうか。現場はひっちゃかめっちゃかで、早くちゃんとした指示を出してよ!なんて思っているけれど、その立場の上司もテンパってて指示なんて出せる状態でない、というような。。。
もし似たような経験があるのなら、あなた自身が自分に対してそういう状態なのでしょう。自身の現実に現れたものは、内面を映す「鏡」ですからね。
「主体の意識」のポジションを取るには、感情のエネルギーに飲み込まれてはなりません。だからと言って、感情を抑圧するのは間違いです。それでは分離してしまって、現状を適切に認識することができなくなりますし、「現場」に近づくことも対処することもできなくなってしまいます。
抑圧せずに感情に飲み込まれずにいる方法とは、感情に触れていられるギリギリの距離のポジションに居て、そこから目を離さないということです。直視し続けるにも命の呼吸を絶やさずにいることが大切で、これができないと、まずそこに意識を向けることができないでしょう。
たとえるなら、命の呼吸は深い海の底で作業をする潜水士さんに酸素を送るチューブのようなものなのです。これかあるから、普通ではとてもできないような環境で安全に、長時間作業できるのであり、素潜りではできないことが可能になるのです。
命の呼吸をしながら、主体の意識のポジションが取れていれば、自然と対象からのメッセージを受け取り、応答するという流れができます。実際のところ、ワークで押さえておくべきところはこれだけなのだとも言えます。
ポイントをしっかりつかんで、意識の使い方を磨いていきましょう。