様々な学びを進めるときに、
今自分が新たなツールが必要な時なのか、
それとも、今あるものを深めていく
時なのか、迷うときがあると思います。
人によっては、
とにかく新たなツールを求めて
次から次へと新しいことを学ぶ
人もいます。
けれど、すべてとは言いませんが、
往々にしてそういう方は、
ツールはたくさん持っているけれど、
どれもうまく使いこなせないまま、
相乗効果を出せるわけでもなく、
中途半端になっている、
ということが多いように思います。
色々な学びをしてきて、
たくさんのツールを持っていても
きちんと使いこなせて自分のものに
している方は、
それぞれのツールを自分の中で
有機的に理解し、結びつけながら
自分の実現したい目的のために
うまく組み合わせたり使い分けたり
しています。
では、たくさんのツールを使いこなせる人と
使いこなせない人の違いは何かというと、
学び方にあると思います。
何のためにそれを学ぶか、
という目的がはっきりしていて、
そのツールを使って自分の課題に
いかに生かせるのか、どんな使い方が
できるのかを考えながら
学んでいるのです。
漫然と、ただ受け身で受け取っている
わけではないんですね。
吸収しながら、
これを使ったらあれもできる、
これもできる、こんな風に使ってみたら
どうだろう?というイメージが
どんどん湧いてくるような、
そういう意識で取り入れているので、
取り入れた瞬間から
そのツールのポジションが有機的に
自分の中に構築されていくのです。
とは言え、全く何も土台のないところで
最初からそういう風にはできないので、
最初は、とにかく基礎的な土台となる
知識を形成することが先、
という段階もあります。
けれど、ある程度の土台となる知識や技術が
自分の中に出来上がったら、今度は
それを使って目の前の問題に取り組んでみて、
何がどこまでできて、どういうところが
やりにくかったりできなかったりするのか
というところを確認していく段階があります。
そういう能力の限界を知ったうえで、
自分のやりたいことをそれに重ねたとき、
今の自分に何が足りないのか、
どこをどう伸ばしたらいいのか、
という課題が見えてきます。
そうして初めて、
どんなトレーニングをしたらいいのか、
何を学び、取り入れたらいいのかが
わかってきます。
そういう段階で新たな学びに向き合うと、
取り入れようとしたものが
自分の中のどんな可能性を開いてくれるのか、
そのツールを使いこなすために、
さらに自分のどんな能力を磨いたらいいのか
というのがわかってくるでしょう。
そのようにしてパワーアップした自分で
以前出来なかった問題に取り組んだ時、
十分にクリアできるようになっている
自分を発見したり、
そういう自分になったからこそ、
次のステージに進んで、それまでは
出合うことのなかったような経験をしたり
ということが起こってきます。
私自身、様々なヒーリングのテクニックを
学んできましたが、
最初は初歩的なエネルギーワークや
ヒプノセラピーのテクニックを学び、
それらを組み合わせたり磨いたり
深めたりしながら、仲間とともに
新たなヒーリングを研究したり
していました。
そこで生まれた手法を使って
様々な実地の経験を積み重ねる中で、
それでも満足いかない問題点がいくつもあり、
もっと効果的な手法がないだろうかと
探求していました。
そうこうするうちに、
根本的に、手法やテクニックの問題ではなく、
もっと根源的な、存在そのものについての
理解や探求が必要なのだということが
わかってきて、意識の目覚めや悟り
といったテーマに進んでいきました。
そうして出会ったのが、
レナード・ジェイコブソンだったのですが、
彼の教えに出合っていなければ、
今の私はないし、おそらく
ヒーラーの仕事も続けてこられなかった
だろうと思います。
このテーマは非常に困難で、
何度も深い挫折を経験しましたが、
今はそれを越えたとは言えないものの、
未熟ながらも自分なりに手応えを感じる
在り方が出来るようになってきたな、
と感じています。
学びは、単にツールを増やせばいい
というものではなくて、
自分がまず何をしたいのかを
明確にすることで、それぞれ別のツールが
有機的にポジショニングされるところが
あるように思います。
もちろん、目的は明確ではないけれど、
何だか面白そうだから学ぶというのも
アリです。
その場合は、目的は純粋に
自分が楽しむために徹するのが
良いかな、と思います。
それが結果的に何かに発展していくので、
変に下心を出して、それをどうやって
マネタイズするか、なんて考えながら
中途半端にやるのは、折角の喜びを
台無しにしてしまうので、
お勧めしません。
色々学ぶけれど、
ただ学んだだけで結局生きていない
というのであれば、まずは自分が
何をしたいのか、というところを
明確にするのが先かな、と思います。