私はヒーリングをするとき、
意識することがいくつかあって、
一つは、
これまでも何度も書いてきていますが、
その人自身の中心につながり帰っていくこと。
もう一つは、
その存在のより高いレベルの
命の願いを体現する方向に導くこと
です。
これら２つは、連動していて、
前者が実現できれば、自動的に
後者の流れに入っていくし、
後者に導こうとすればまず、
前者をしっかり実現しなければなりません。
人生の様々なところで
何か不具合が起こっているということは、
在り方がどこか、ズレているのです。
本来のポジションからズレているから、
あちこちに痛みが走り、不具合が起こる
というのは体と一緒ですね。
最近考えているのは後者についてで、
一見、どんなにドロドロぐちゃぐちゃな状態に
見えようとも、その存在のより高いレベルの
命の願いは、必ず生き続けているはずだ
と思うのです。
人間目線の良いとか悪いとかに囚われず、
現状見えているものの奥にある
命の願いという可能性をどこまで
掘り上げ、見ることができるのか。
そんなことを考えています。
これはよく、入り込んでいる異物である
様々なエンティティについても言えるのですが、
恨みや憎しみでおどろおどろしく
禍々しい姿になっている死霊であろうと
人の魂を取って喰らう魔物であろうと、
様々に問いかけ、交渉していく中で、
みるみるそのダークな気配を浄化させて
見違えるほどに純粋なキラキラした存在に
変化していく姿も何度も見ているので、
存在の可能性というのは計り知れないものだ
といつも思います。
だからこそ、現在の姿で決めつけてはいけない
と思うのです。
現在の姿の奥に、
どれだけの可能性を見て取れるのか。
ダークな重い領域から光輝く領域までが、
同じ一つの存在の中に、同時に在るのです。
現在のその姿は、それら無数の可能性の中の
一つにフォーカスしているに過ぎません。
いつも、セッションの中では、
最も暗く重たいドロドロダークなエネルギー
の中心に触れたところから、
その核心の成り立ち、根底にあるものを
読み取っていきます。
そこがわかれば、大体は解放の道筋が
見えてくるので、いかに最も苦しいところ、
見たくないところに意識を向けられるかが
カギになってきます。
そういうところに意識を向けるのは、
なかなかにきついことだし、恐ろしいでしょう。
でも、それも自分自身の一部なんですよね。
それに直面することで、
その人は崩壊する、のではなく、
その要素を統合し、マスターするのです。
分離、封印して殺すのではなく、
統合することでその領域も人生で活用できる
生きたパーツになるわけです。
それを殺している間は、
存在全体として不自然であるし、
いびつな歪みをどうしても生んでしまいます。
分離から統合へ、頭でわかっていても、
その道筋に入るには、最も避けているところに
触れていく必要があります。
分離した外野のポジションからでは、
どうしてもその状態を統合していく力に
アクセスする権限が得られないからです。
つまり、統合を行えるのは、
当事者本人だけなんですね。
だから、私も核心を掘り下げ、
意識をどこに向けていくべきかを誘導し、
サポートのエネルギーは送るけれど、
本質的に癒しているのは、ご本人です。
主体意識がとても大切な所以ですね。
今の自分がどうであれ、
どうぞ可能性を諦めないでください。
そして、執着に囚われず、
ご自身の命の本質的な願いは何だろうか
と意識を向けてみてください。
人間として社会生活を送っていれば、
ついつい世俗のしがらみに囚われて、
命の本質を見失ってしまいがちです。
けれども私たちはそのように
人の手によって作り上げられた枠組みの中に
縮こまって窮屈に収まるような
存在ではないのです。
もっとダイナミックで、
自分が思う以上に強く、タフで、
弱くもない存在だというのは、
「事実」なのです。
ただ、自分とはこのような存在である、
と固く信じた姿が、今の状態なのでしょう。
命の願いは、必ずしも自分のエゴが望んだ
姿ではないかもしれません。
それでも、それを受け入れ、
自身の意識をチューニングしていったとき、
これまでの固定観念や硬直した枠組みが外れ、
それを越えた可能性の命が、
人生に流れ込んでくるでしょう。
私たちの人生が、
生き生きとダイナミックな命の流れに
戻っていったとき、きっと素晴らしい可能性が
花開いていくのかもしれません。