淋しさにおびえる小さな子供

昨日は特別講座⑪
「忘れられない関係性にケリをつける」
の2回目でした。

お集まりくださったみなさま、
ありがとうございました。

昨日の参加者の方も、
かなり抑圧が強くかかっている部分に
取り組まれたかな~と思うのですが、

どうしても最後の最後に自身を守る
鎧を脱ぎきれなかった方も、

あるいは今までがっちり降ろしていた
シャッターを少しずつ開けていけた方も、
何かしらご自身に在り方に気づきが
あったかな、と思います。

昨日の参加者の方に共通していたのは
独りぼっちになる「淋しさ」への恐怖
だったのですが、

淋しさの感情って、単に淋しいって
だけじゃなく、

「死んでしまうかもしれない」という
生存本能に直結する恐怖でもあるんです。

だから、本人が自覚している以上に
実はとっても恐がっていることが
しばしばあります。

というのも、私たちが子供のころ、
独りぼっちになることはすなわち、
この世界で生きていけない状況を
意味しています。

だから、小さな子供にとっては、
淋しいという感情には、心細いとか
恐いなども含んでいるんですね。

このように、小さな子供のころに抱いた
感情を、私たちは大人になっても
そっくりそのまま持っていたりします。

大人だから淋しいくらいじゃ
死にませんけれど、でも体の中で
時を止めて固まっている淋しさのカケラは、
子供のままなんです。

だから、どうぞ「淋しいくらいで何だ!
不甲斐ない」とか思わないでください。

そして、怯える子供に
そっと寄り添ってあげられると
いいですね。

私はいつも、体の中で抑圧されて
閉じ込められている感情のエネルギーを
「気持ちのカケラ君」と呼んで、
小さな子供のように接します。

そのようにイメージすると、
凶暴に見えるカケラ君にも
どうやって接したらいいのか、
およその指針が見えてきます。

たとえば、小さな子供が閉じ込められて
独りぼっちで長い間気づいてもらえず、
或いは無視され続けている状況を
イメージしてみてください。

それでもその子は生きていかなければ
いけなかったとしたら、どうでしょう?

想像を絶する過酷さだと思いませんか?

この子の絶望や孤独、狂い死にしそうな
ほどの苦しさを、理解できるでしょう。

そういう感情のチャージを、
私たちは自分の中にいくつも持っていて、
そしてその子たちは今この瞬間も、
救出してもらうのを待っているのです。

1年だって早い方がいいし、一日だって
待ちきれないくらいです。

だから、今まで否定してきた感情に
やっと気づき、認めることができた瞬間は、
彼らにとってはものすごい希望なわけです。

感情解放ワークでは、呼吸をとても
重要視しますが、それは意識と体と感情を
繋げるためでもあり、命のエネルギーの
補給をしているからでもあります。

ワークはまさに抑圧されたカケラ君たちの
救出作業でもあるのですが、私はよく
こんなたとえをします。

深い海の底で作業をする潜水士という
職業の方たちがいますが、ワークで
カケラ君たちを迎えに行く私たちの
意識は、この潜水士のようです。

呼吸は、潜水士につながる酸素を送る
管のようなもので、これがあるから
通常ではいられないような環境で
作業ができるわけです。

そしてまた、深い海の底で
救出を待っている人にとっても
この管は生命線で、このようにして
酸素が送られていれば、とりあえず
生き延びることはできます。

見つけてもらえて、酸素がちゃんと
送られている、となれば、精神的にも
大分安定しますよね。

待っていれば必ず救出されるのだという
安心感が、緊張を緩めます。

ワークで行う呼吸とカケラ君への呼びかけ、
意識の操作は、要はこういうことを
やっているわけです。

私は君たちを絶対に見捨てはしない、
という決意が伝わるほどに、カケラ君たちは
とても協力的になってきます。

自分自身との信頼関係が構築されるので、
阿吽の呼吸でするするっとスムーズに
解放・統合ができたりします。

けれど、救出作業をするべき私たちの
態度がいい加減だと、救出を待っている側
は鋭くそれを見抜きます。

そして怒り、失望するのです。
このカケラ君の「誰も助けてくれないんだ」
という絶望や、「誰も信じられない」という
失望が、普段の私たちの心情に滲み出して
くるわけです。

自分自身に対して誠実で在れ、
とは、このような意味からも、
とても大切なことなのです。

何をどうしたら誠実だと言えるのか。
どうやったらそういう誠実さを
体現できるのか。

手っ取り早く答えをインストールして
どうにかしようとするのだけでは
ダメなのです。

自分で問い続け、
自分で試行錯誤して歩むこと
でしか身につかないものもあります。

間違うことを恐れずに、
自分で道をクリエイトすることを
楽しみつつ、取り組んでみてください。

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