「自分が悪者になりたくない」というズルさ

昨日は特別講座⑪「忘れられない関係性に
ケリをつける」の1回目でした。

ご参加くださった方、
ありがとうございました。

なかなか濃密なセッションでしたが、
最初ご本人が思っていたのとは
全く違ったところに根本がありました。

今回参加された方は、ある意味
とても上手に自身のネガティブな
感情を切り替えたり見ないように
されたり、ということを
長年されてきていました。

そういうことをすると、大抵の方は
封じたネガティブがコントロール
し切れなくなって、早晩苦しく
なってしまうものなのですが、

その方は人並み以上にそれが上手に
できてしまったが故に、
ご自身が本当に感じている気持ちや思いに
非常につながりにくくなっていました。

こういうケースは、ネガティブな感情を
とても恐れて、良くないものだと
考えている方に多いですね。

また、そういうものを書き換える、
無いものにするようなテクニックを
使うセッションを受けている方も、
同様です。

そういうテクニック自体を否定する
わけではないのですが、

自身が本当に感じるものを生きることで
統合していく私のセッションでは、
そうしたプログラムがしばしば干渉作用を
起こしてしまうので、

一旦全てプログラムを外すところから
始めます。

そうでないと、悲しみや怒りがあっても
本人には自覚できなかったり、
働きかけをしてもなかなか届かなかったり
するからです。

ということは、無いものにしてきた
ネガティブな感情がでてきても、
本当に受け止めようという意思が
本人にないと、恐れから封印は
外していけないのです。

だから、ネガティブも統合していく
セッションは、その方のタイミングが
非常に重要ですね。

今回の参加者の方も、ここに至るまで、
徐々に段階を踏んでこられました。

都合の悪いものを無いことにするやり方が
どうにも行き詰って、もうこれ以上は進めない!
となったとき、本当に変わりたい!
という思いが強く強く湧き出てきたのですね。

振り返ってみれば、ネガティブと思える
出来事も、すべては自身の真実を
生きるための伏線だったと見ることが
できるかもしれません。

相手に嫌われたくない、
悪く思われたくないからと、
自分の本音を封じながら築いた関係性が
本当に調和して長く続くことは
ありません。

よく、相手が傷つくのを見るのが嫌
だから自分が我慢するというケースを
見かけますが、

一見相手のためのようでいて、
これは完全に自分本位の在り方です。

なぜなら、まず自分の行動の結果から
逃げていることが一つと、もう一つは
自分が悪者になりたくないという
動機がそこに見えるからです。

だから自分からは何も言わないし
やらない。けれど、暗に相手に
罪悪感を抱かせるようなやり方で
相手をコントロールしようとする
わけですね。

直接的に自分を表現して手を汚す
ことがない分、ズルいやり方だと
言えないでしょうか?

こういうやり方をしている方は
しばしば、自分が逃げていることに
気づいていません。

じぶんはちゃんとしているのに、
相手がしっかりやってくれないから
自分がこんなに苦しいのだと
思っていたりします。

でも、これって紛れもなく
責任転嫁ですよね。

あなたの苦しみは、
100%あなたが責任を負うべきであり、
それに適切に応答しなければいけないのは
相手ではなく、あなた自身なのですから。

そこに気づいたら、まず自身の苦しみを
実際にこの心と体で受け止めることです。

ここを頭でわかったつもりになって
素通りしないように。

それができて初めて、
相手に自分の苦しみを押し付けずに
自分の本音を伝えることができるように
なります。

それができない内はどうしても、
相手に自分の痛みを押し付ける言い方に
なってしまうでしょう。

だから、本音を言ったら調和が崩れてしまう
というイメージしか抱けないのです。

痛みの責任転嫁をしない本音の表現は、
こじれた関係性を癒し、調和に導きます。

この辺り、勘違いしている方が
少なくないのではないでしょうか。

常に自分の感情に責任を持った方法で
真実から表現をすると、関係性はとても
シンプルになります。

あなたのどんな感情も、誰のせいでもなく、
何のせいにもしないで済むので、
「悪者」はいなくなります。

誰も、加害者にならずに済み、
被害者もいなくなるのです。

あなたが自身の現実に「悪者」を作るとき、
あなたは被害者であると同時に、
相手を「悪者」にした加害者にもなります。

まさに、人を呪わば穴二つ
みたいな感じですね。

穴を掘らずに、最も自分が避けてきたもの
に向き合い、受け止める勇気を持ちましょう。

ただそれだけのことで、
こじれにこじれた感情の絡み合いが、
嘘のように愛の中に消えていきます。

本当は、あなたもそれを望んでいた
のではなかったでしょうか?

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