色々なご相談をお受けしている中で、
特に夫婦関係とか仕事関係なんかで
よく聞くな~と思うのが、
相手が頑固で、人の意見を聞くという態度が
まったくなくて、ほとほと困っている
というパターンのお話です。
サロンに見えるのは女性が圧倒的に多いので、
夫婦関係とすれば奥様からのご相談が
多いわけですが、
まぁ、ありがちと言えばありがちな構図、
うちもそうよ~なんて、画面の向こう側で
うんうんって頷いていらっしゃる奥様方、
多いことでしょう。
で、これをワークで掘り下げていくときは、
まず自分自身の不愉快な感情を受け止めてから、
相手の意識の中に入って、どうしてその人は
他者の話を聞かないのか、という動機を見ていきます。
この部分はワークショップでしっかりレクチャー
するところなのですが、どうしてだろう?って
頭で考えてもダメなんですね。
もし、話を聞かない人が話を聞こうとしたときに、
その人の中で湧き起ってくる気持ちを
捉えるわけです。
多分、その気持ちはあまり心地いいもの
ではないはずです。
自分の意見を抑えて相手の意見を取り入れなくちゃ
いけない苦しさだとか屈辱感、怒り、敗北感
なんかが浮上してきたり、ということが
多いでしょうか。
ということは、その人が他者の話を聞こうとすると、
こういう感情を感じてしまうため、
話が聞けなくなっているわけです。
で、翻って見ると、これは自分自身の鏡でもあるので、
自分の中にも相手の中に見たのと同じ感情が
あるはずなんですね。
いつもは、頑固な旦那さんに譲って
渋々従っているかもしれませんが、
心の奥では常に敗北感とか怒りとかを
感じているところがる、と読めます。
これらの感情を統合していくと、
ビジョンの中の相手の姿も、
人の話を聞けるように変化していきますし、
自分自身もそれほど相手の話を聞くことが
苦痛でなくなってきたりします。
で、よくこのパターンを掘り下げていくときに
出てくるのが、完全勝利か、完全敗北か、
みたいな意識なんですね。
つまり、自分の意見を100%相手にのませるか、
100%自分が譲るか、のいずれしかない、
みたいな認識です。
お互いに意見を出し合って、
それらのいいとこ取りをして第3のプランを
作り出す、とかいう概念が全くないんですね。
だから、譲るとなったら全く自分の意見を
反映させた部分はなくなってしまい、
ひたすら我慢を強いられる、みたいな状況を
想定することになるので、
お互いに必死で勝つか負けるかの
心理戦を繰り広げることになるのです。
案外、こういうところで固執していて、
身動きが取れなくなっている関係性って
多いんだな~と、みなさんのセッションしていて
感じます。
そういう勝ち負けに固執していると、
そもそもの目的を見失っていくでしょう。
そもそもの目的、って、「勝つ」こと
じゃないですよね。
互いにいい関係性の中で、心地よく
発展していきたかったんじゃなかったでしょうか?
勝つこと自体が目的になってしまったとき、
互いに心地よく幸せにっていうビジョンは
失われますよね。
勝ち負けにこだわりすぎて幸せを失っているな
と感じたら、まず自分が勝負から降りて、
本当は何を求めていたのか、率直に
話し合ってみたらいいんじゃないでしょうか。
あれほど意思疎通ができないと思っていた相手も、
実は同じものを求めていたかもしれませんよ。
これ、夫婦や仕事関係だけじゃなく、
実は自分自身との対話にも当てはまります。
内なる自分の声を受け取ることを恐れ、
蓋をする人は、しばしば、
もしそうしてしまったら、
我儘で自堕落になり、どうしようもない人間に
なってしまいそうだ。だから厳しく律して
おかなければならない、とか思っている人が
結構います。
もう端から決めつけて、他の意見を取り入れる
余地が全くなかったりね。
そういう時は、どうしようもない人間に
なってしまう恐れを受け止めてから、
信じ込んでいるその恐れが本当に真実なのか
よ~く追究してみるのです。
自分の信じこんでいるものの虚構が
剥がれてきたら、もう一度そもそもの目的を
確認します。
そして、その目的達成のために何が最善なのか、
改めて方法論を設定し直すんですね。
大抵、硬直して機能不全に陥っている
プログラムは、真実ではない思い込みに
固執しているところから起こります。
だから、なんだかうまくいかないな、
苦しいな、と思ったときは、
古くなって現状にそぐわなくなった
プログラミングを、修正するタイミングですよ
ということなのです。
誰も負けることも勝つことのない選択肢の可能性を
ぜひ検討してみてください。(^^)