苦しい時に、何かにすがりたくなってしまう
気持ち、よくわかります。
けれど、
ものすごく大きな心の隙ができてしまうのも
そういうときであるということは
よくよく心に留めておくべきだろうと思います。
助けを求めてはいけない、と言っている
わけではありません。
ただ、注意深く在ることです。
藁をもすがるような思いで
「何でもいいから助けて～！」
っていうのはかなり危険です。
藁にすがったって助かりはしないのですから、
自分が何に助けを求めているのか、
相手をよく知ろうとする努力を怠らないように。
とは言っても、溺れているときほど、
判断力は鈍るものですし、
勘は狂ってしまうものですから、
なかなかに難しいところではあるのですが、
ただ、セッションをしていて、
変なスピリチュアルな契約が入ったり、
低級霊のようなものと縁づいてしまうのは、
ことごとくそういうときだな～というのを
つぶさに見ていると、言わずにはおられません。
そういう存在は独特の波長のエネルギーが
あるのですが、すべてではないものの、
人の不幸をせせら笑う瞬間の表情や、
人の幸福を妬むとき、あるいは
自分の非を認めようとしないで
すっとぼけているときの表情などに
その気配を感じる時があります。
あぁ、入ってるんだな、とわかるのですが、
だからと言って、それ自体を責めている
わけではありません。
なぜ、人の不幸を笑えるのか。
人の幸福を妬むのか。
その奥にある苦しい気持ちに
そっと意識を向けます。
人の幸福を素直に祝ってあげられないくらい、
その人の心がささくれ立って苦しいのです。
あの人は幸せなのに、どうして私は
そうでないのか。世の理不尽さが恨めしいのです。
誰も助けてくれないこの生き地獄を
生きなければいけないことが、
呪わしくて仕方がないのです。
その苦しみに、寄り添うのです。
そして、それは癒していけるものであると、
ワークを通して導きます。
自身の内の苦しみが統合されていくと、
人にも同じ思いをさせてやろう、
という気持ちが消えていきます。
人の幸福を、素直に祝えるようになります。
憎み続けてきた世の中と、自身の人生への
呪いを解き放ち、祝福できるようになります。
自分や他人を呪い続けているときは、
自分に誇りを持つことができません。
尊厳を認めることができません。
でも、自分の人生を受け止め、祝福できたとき、
この自分を大切なものとして尊厳を認め、
誇りを持てるようになります。
そういう自分に、低級霊や変な契約は
入ろうはずはありません。
そんな風に自分の中の未完了の感情を
自身で受け止め、統合していかれた方は、
見る見るうちにオーラが輝き、
魂が明るく輝いていくように私には見えます。
「卑しい人」「醜い人」がいるのではなくて、
「そういう状態に陥った」人がいるだけです。
どんな人も、在り方次第でいかようにも
曇り、輝くのです。
何にでもすがりたい人の心には、
混乱があります。
この混乱は、慣れないと厄介なものですが、
混乱した感情のエネルギーが体でとらえられれば、
他の感情と同じく、統合していくことは
難しくはありません。
難しいのは、他の感情よりも気づきにくく、
巻き込まれやすい、というところでしょうか。
混乱のエネルギーが未完了のまま残っていると、
事あるごとにそれが意識を曇らせ、
思考停止、機能不全を引き起こします。
こうして判断力を失った状態になると
どうしたら良いかわからなくなって、
「誰でもいいから助けて～！」って
やってしまうのですね。
だから、何かにすがっていないといられない人は、
まず自分が混乱していないかどうかと
自身に問うてみて、混乱に気づけたら、
それを統合すれば、
落ち着いて適切に判断し、その状況を
切り抜けることができるでしょう。
混乱していると、見るものも見られず、
ただアタフタしてトンチンカンな行動を
してしまいがちですから、
ワークなどでは結構カギとなる感情ですね。
頭が真っ白になっていたり、
胸がサワサワしているとか、
全身で居ても立っても居られないエネルギーが
渦巻いている、なんてときもあります。
それでも、しっかり体感覚を取って
受け止めていければ、何の問題もないのです。
抑圧している人も多いですが、
抑圧しても消えるわけではないので、
奥の方で機能不全の領域ができてしまいます。
ですから、
「混乱しても大丈夫な自分」でいることは、
とても大事ですね。
そんな自分でいると、心の隙は随分小さくなります。
ピンチの時にも、怪しい話にはちゃんと心の違和感を
拾って嗅覚を働かせることができますし、
何でもかんでも飛びつかなくなりますね。
まぁ、心の隙は色々あるので、
段階的にクリアにしていくことになりますが、
自身への無力感をベースにした
すがりつくような依存傾向は
こうして癒やしていくことができるのです。