私たちの中には様々な可能性が眠っています。
けれど、それを実現するか、眠らせたままに
するのかは、当然別のことですよね。
ある日、内側から強烈な衝動とともに
「こうしたい！こんな風になりたい！」という
熱い思いが湧いてきて、
無我夢中で突き進んでいったら
いつの間にかその願いを実現していた！
という人もいます。
一方で、そういう衝動が起こらないまま、
自分の中の可能性もよくわからず、
彷徨いながら一生を終える人も
いるかもしれません。
あるいは、やりたいことはあったのに、
色々な事情からそれを諦めて、
本当の願いとは違う人生を生きる方も
あるでしょう。
どの人生も間違いということはなく、
それぞれの人生の中で、その人なりの
最善を尽くした結果なのだと思います。
そんなことを考えながら思うのは、
「やりたい！」と思う衝動が起こること自体、
まさに奇跡であり、恩寵なのだということ。
その思いは、自分が努力して起こすようなもの
ではないでしょう。
やりたいと思ったとしても、まるで熱病に
罹ったかのように、寝ても覚めてもそのことが
頭から離れない、というレベルから、
何となく「やってみてもいいかも」程度の興味
のこともあり、人生をそこまで大きく変えるような
原動力にはなり得ないこともありますね。
一体、あの人生を変えるような大きな力は、
どこからやって来るのでしょうか。
私はどうも、その力は個我を越えた領域に属するもの
のような気がしてならないのです。
これは、やりたい！という衝動に限らず
あらゆることについて言えると思うのですが、
たとえば、感情解放ワークをお伝えしていても、
ストン！とワークの基本的な世界観が抵抗なく
入って、実践でもどんどん結果を出していく
人もいれば、
どんなに恐れを受け止めて抵抗の元になっている
ものに対処しても、容易に進めない人、
また、カケラ君に対してどうやっても
慈悲の心情で接することができない人もあります。
同じようにお伝えしていても、
みなさんの中にある背景は千差万別ですから、
人それぞれの進み方は確かにあるのですが、
何か、テクニックではないところの
その人の魂の積み重ねの部分で、
こうした差が出てくるような気もするのです。
だからどう頑張ってもダメなのか、
というと、そんなことはないと思います。
ただ、そこを越えていくのには、
やはり何かしら、「自分を超えた力」に向けた
意識の眼差しは必要であるように思うのです。
恩寵は、努力すれば必ずやって来るものではなく、
かといって、全く努力なくやって来るものでも
ないようです。
ただ、謙虚に自分という個我を越えた何ものかに
意識を向けつつ、自分の人生を大切に、
丁寧に生きたとき、
自分とそれとがチューニングされて、
恩寵が人生に流れ込みやすくなる、
ということはあるでしょう。
古来より、そうしたものにチューニングしやすく
するための方法は世界各地で色々伝わっています。
マントラを唱えるとか瞑想をするとか、
神々を礼拝するとかの霊的修養は、
そのためにあるのではないでしょうか。
たとえば、インド占星術では処方というのがあって、
その人のホロスコープで弱いところを補うために、
ルドラークシャやパラドなどのアイテムを持つことを
勧められたり、
その人に合った神格の礼拝やマントラを唱える
ジャパを勧められたりします。
そうしたものが、厳しい運命を下支えして、
無事に乗り切れるように助けてくれたり
するんですね。
私自身、4年以上前にガネーシャギリ先生のところで
鑑定を受けて、処方していただいたアイテムや
神格の礼拝は今でも続けていますが、
やはり支えていただいているな～という
実感はあります。
霊性修養をするのは確かにその人の努力でも
あるのでしょうが、それを続けることは、
個人の努力を越えた何かを確かにもたらす気はします。
それがどんな風に効いてくるのかは一概には
言えませんが、
忍耐強さとか、感受性を育てていくときとか、
何かを理解するときの力、日々の気持ちの安定度など
となって少しずつ表れてくるような気がします。
そう考えると、そういうことをまったくしていなくても
日々機嫌よくいられたり、学びをちゃんと
昇華できる人は、どこかで山のような徳を既に
積んでいるのかもしれません。
日々努力はしているのだけれど、
今ひとつパッとしない、という方は、
日々継続して実践できる、ご自身に合った
霊性修養の習慣を持たれると
いいのではないかと思います。