被害者と加害者を超えた一つの意識

感情解放ワークで鏡の法則を通して
他人の中に自分を見、自分の中に他人を見る
ということを幾たびも経験していくと、
現実の捉え方はものすごく変わります。

決して許せないと思っていた憎しみの対象も、
とても向き合えないと思っていた恐い人も、
蔑みの対象でしかなかった弱い人も、

すべて「自分とは違うアイツ」ではなく、
紛れもなく自分自身だった、ということが
否定の仕様もなくわかってしまうのです。

「私はあんなんじゃありません!考えられない!」
って断言していた人も、本当に深く「鏡」を
覗き込んでいったとき、

「あっ!」っと気づく瞬間があります。

その気づきが起こると、その人のエネルギーは
そこからどんどん変化していきます。

走馬灯のように、それと同じ構図の出来事が
頭の中に流れていったりします。

そして、ドミノ倒しのようにパタパタと
色々なことが腑に落ちていくんですね。

あぁ、だからそうだったのか、と。

この気づきが起こるかどうかは、
どれだけ「鏡」を直視できるかにかかっています。

「鏡」に映る相手に拒絶が強いと
ろくに「鏡」を見ることもできない
というケースもあるので、

その場合は拒絶感の元になっている
自身の感情をまず統合していくところから
始めます。

自分の価値観からして最も受け入れがたい
相手と同じものを持っているよ、と言われて
すんなり受け入れられる人はそう多くは
ありません。

大抵は「そんなことあるはずがない!」
って反論されます。

でも、鏡をのぞき込んで、そこに自分以外のものが
映ることがないように、例外はありません。

抵抗感がある、ということ自体が
その要素を持っている証拠だといっても
良いでしょう。

本当にないのであれば、もっとニュートラルに
相手を見られるでしょうし、そもそも
自身の現実にそれは現われないはずですから。

出来事は、コインとその裏と表のようなものです。

被害はコイン、加害者は表、被害者は裏。
これらが別々に存在することなど
できましょうか?

それらは、ひとつのものなのです。

ただ、自分の意識からは、その一方を
断片的にしか見ることができていないだけの話。

ワークで「鏡」を覗き込むということは、
それら3つを同時に認識することでもあります。

だから、ものすごい意識の変容が
そこで起こるわけです。

それまでの人生で不可解だった、
理由もわからない出来事の数々の意味が
突如として見えてきたりします。

何が、相手と自分を引き合わせたのか。
はっきりとわかるんですね。

そうなると、相手への憎しみや怒りや
責める思いなんかもいっぺんに吹き飛びます。

それまで、被害者と加害者の間を行ったり来たり
していた人生は、その二元性から脱して
シフトしていくのです。

私はこれをカルマの清算と解釈しているのですが、
そのテーマについて、持ち越してきた種が
消えるのですね。

もはや、戒めの必要ない自分になっているのです。

戒めが必要なのは、種があるからです。

自分でも、その種が自分の中のどこかに
存在していることを知っているので、

いつかそれが芽吹いてしまうのではないか
と恐れているがゆえに戒めが必要なのです。

種のない人に戒めは必要ありません。
そもそも芽吹いてしまう恐れがない
わけですから。

戒めを失うことを恐れる人は多いですが、
そもそも種を持っていることを恐れる人は
ほぼいません。

種の存在自体を否定していたり、
自分にそれに対処できる力があるとは
露とも思っていなかったりするからです。

できないのに種があると気づいてしまっては
とても正気ではいられない。

だから、種なんて持っていない、気づかない
ことにしておこう。そして、対症療法を
しておけばいいだろう。

そんな感じでしょうか。

戒めはどこまで行っても対症療法でしかありません。
戒め自体が種の存在を前提としたものですから
当然ですね。

そして多くの人は、対症療法を前提とした
自身の在り方に長いこと慣れ親しんでいるので、
余程のことがない限り、それを変えようとは
しません。

自分が長いことエネルギーを注ぎ込んで
続けてきた在り方が根本から無くなってしまう
となると、

それが自分にとってもっと自然で、良いものだ
とわかっていても、二の足を踏むんですね。

けれど、人生はいつかはそれを越えていくように
促していきます。

被害者と加害者を超え、自分と他者をも超えた、
もっと深い一つの意識へ向かうようにと。

あなたは、既にその潮流の中に在ります。
というより、ずっとその流れの中にいたのです。
そうでなかったことなど、一度もありません。

自分を深く受け止め、そのうえで
相手を深く受け止める。

そこから解けていくものがあり、
広がっていく世界があります。

あなたの人生が差し出す招待状を、
いつ受け取るでしょうか。

あなたのすべての歩みに、愛と祝福を。

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