「主体」としての意識のポジション

明後日3日の感情解放ワークショップはまだお席がございますので、2016年の間に心の大掃除を済ませたい!という方は是非どうぞ。

さて。日常の中で、誰かに何かを言われたりされたりして、瞬間的に浮上して来る感情に気づいて対処するのは、なかなかに難しいことですね。私自身も、その瞬間はとっさに抑えて、後でゆっくり受け止めていくということをよくします。リアルタイムでできなくても、感情を放りっぱなしにしなければ、それでもいいのです。

しばしば、「仕事中や何か立て込んでいるときにいちいち気持ちに取り合っていたら、目の前の仕事に支障が出てしまいます、どうしたらいいですか?」というご質問を受けることがあります。

気持ちは小さな子供のようなもので、いつまでもその存在を忘れられて、見捨てられるのが嫌なのです。

その場で対処できないのなら、一言「今はちょっとできないけれど、後でちゃんとあなたのための時間を取るから待っててね」と声をかけてあげれば、大抵はおとなしくなって、その瞬間からすっと気持ちが落ち着くものです。

ただし、落ち着いたからと言って自分との約束を忘れてしまうと、後でしっかり我慢させられた感情が噴き出してきますので、約束はちゃんと守りましょう。

自分との約束を簡単に反故にしてしまうことを繰り返していると、あなたのその在り様が鏡の法則を通して現実に映し出され、周囲の人があなたとの約束を簡単に破るような出来事を引き寄せてくるでしょう。

日頃から、「あんなに約束したのに相手がそれを守ってくれない!」と怒りを感じているような出来事があるのなら、今一度自分自身の在り方を振り返ってみることをお勧めします。

私はしばしば、抑圧された気持ちのカケラたちを擬人化して「この子」と呼びながらセッションをして行きます。気持ちのカケラ君たちを小さな子供だと思って接していくと、大体間違いはないんですね。

小さな子供がどんな時に機嫌が悪くなって落ち着きがなくなるか、どうしたら彼らが安心して居心地よく過ごしていられるようになるのか、基本的に気持ちのカケラ君たちへの対処の仕方は、それと一緒なのです。

ワークの最中に、いきなり途中でカケラ君をそのままにして現実に戻ってしまうと、カケラ君もびっくりして不安になります。ですから、私はワークの終了時や何かの理由でいったん意識を戻してくるときには、必ずカケラ君たちに声をかけ、彼らが不安にならないように心がけています。

できれば、今度いつ彼らに会いに行ってあげられるのか、無理のないスケジュールを伝えておくと、なお良いですね。先が見えていれば、我慢できるというのはカケラ君も同じだからです。

私たちは、よく「先が見えないから不安だ」と思うときがあります。実はその思いは、浮上してきた気持ちのカケラ君たちの思いでもあるのです。「一体いつになったらこの苦しみから抜け出せるの?」と。

そこに気づけたら、その不安な気持ちを身体のどこに感じるかを特定して、迎えに行ってあげましょう。

感情解放ワークでは、迎えに行く自分(主体)が、迎えに来てもらう気持ちのカケラ君(対象)をしっかり認識していることが大切です。

主体と対象がいっしょくたになっていると、感情に巻き込まれた状態になってしまうので、どれだけ泣いたり叫んだりしても、解放にはなりません。お母さんが子供と一緒に泣き叫んでいては、子供は落ち着かないのと一緒です。

あくまで自分は、感情を迎えに行く側であって、一緒に悲しくなったり怒り狂ったりして我を見失うような状態になってはいけないのです。この「主体としての意識のポジション」がしっかり取れるようになると、感情に巻き込まれずにワークできるようになります。

また、よくあることなのですが、主体として気持ちのカケラに向き合っているときに、新たな感情が浮上してくることがあります。

たとえば、「私も辛い思いをしているのに、この子の面倒をまた見なくてはいけないんだ」と悲しくなったり怒りが湧いてきたり。あるいは重苦しい重圧がずしっと感じられたり、カケラ君に近づくのが恐いと感じたりといった具合です。

「私も辛い思いをしているのに」という思いが湧いてきたとき、すっかりその感情に巻き込まれて、気持のカケラを迎えに行くどころか、憎々しげにケンカして、さらに溝を深めてしまうようになる方がたまにあります。

が、これも浮上している感情に気づけずに飲み込まれたが故に、受け止める主体のポジションから離れてしまったが故に混乱している状態です。

浮上している憎しみや怒り、悲しみなどをもう一度そこで「対象として」しっかり捉え直して、「主体のポジション」に戻ります。そして、その状態からそれらのやるせない気持ちの数々をひとつひとつ受け止めていくのです。

ワークで感情を感じているときは、常に自分が迎えに行く側の「主体のポジション」であるのかどうか、意識していてください。

これは、自分が自身の現実を創造して行く意識のポジションでもあるのです。

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