昨日はレナード・ジェイコブソンの
プレゼンスの集いがありました。
レナードは以前は春に清里でリトリートを
していたのですが、コロナ禍で来日が
できないため、
日本にいる生徒たちに向けて、月1回、
Zoomミーティングを行ってくれています。
彼の教えに出合って10年、全く進歩のない
生徒だなぁと我が身を恨めしく思いつつ、
毎回、様々な思いを抱いて参加しています。
彼がどれほど与えようとも、
両手から零れ落ちるように
受け取れない自分に
臍を噛むような悔しさを感じます。
もがき続けた10年だったなぁと
振り返ってみますが、
彼の顔を思い浮かべるたび、
胸の奥がズ～ンと重苦しく、
痛くなります。
トリガーさせるのもグル（師）の仕事
とは彼の言葉ですが、
なるほど、確かにそうかもしれません。
グルと弟子の関係に、多くの人は
どんなイメージを抱いているかわかりませんが、
弟子を導くグルも命がけ、
甘美な師弟愛の話よりも、実際は相当に
ドロドロしたものが噴き出し、
弟子はそれを昇華させていく
試練を山ほど与えられるものなのでしょう。
有名な「あるヨギの自叙伝」を記した
パラマハンサ・ヨガナンダも、
自身の師、ユクテスワの厳しい指導に、
麻酔なしで歯を抜かれるが如く、だったか
そんなような表現をしていた気がします。
どれほど師の教えが苦しいものだったか、
伝わってくるエピソードです。
けれど彼はちゃんと師の教えの真意を受け取り、
師を深く敬愛していました。
それに引き換え、私はそんなに優等生じゃないしな～
と途方に暮れる日々であります。
サロンに見えるクライアントさんの中にも、
師を持っていらっしゃる方が何人か
いらっしゃいますが、
心の奥では深く敬愛しながらも、
一筋縄ではいかない諸々を抱えていらっしゃる
ように見えるのは、なぜか共通しています。
ただ、端から見ていると、
その方に注がれる師のまなざしの
何と温かいこと。
これほどまでに、師は弟子を
深い慈愛で導いているのか、
と思うこと、しばしばです。
レナードも、私たち日本の生徒たちに向けて
どれほどの愛と慈しみを注いでくれて
いるだろうかと思うのですが、
受け取れない、というのも
辛いものですね。
まぁそんなこんなで葛藤はあるものの、
昨日のミーティングでハッとした
彼の言葉がありました。
既に今ここに在るものを
どうして求めるのだろう、と。
あぁそうか、
私はずっとここに在り続けていた、
そして今もここに在るものを、
探し求めていたのだな、
とわかりました。
見えないふりをして、
（実際、見えていなかったのだけれど）
どうやったらそれを見つけられるんだろう
と、自ら複雑にして。
いつから生きることが、
こんなにも難しくなってしまった
のでしょう。
こんなにも、あれもこれも
やらなくてはいけないこと、
できるようにならなくてはいけないことが
山のようにあって、
それをクリアしなければ、
生きていけないようになっている。
生きることは、何と難しく、
苦悩に満ちていて、喜び少ないもの
なのでしょう。
なぜこんなにも、
生きることが難しいのか。
この世界は、あれもこれもできる
優秀な人間でないと、
生きていてはいけないような
世界なのでしょうか。
あまりにも不器用すぎて、
優秀にはなれない自分には、
とても難しすぎる世界だ、
と心底思っていました。
ふとした瞬間に浮上してくる
こんな途方に暮れる思いも、
幼少期の体験から来る
マインドセットなのかもしれません。
そう言えば、
バイオリニストの五嶋龍さんは、
自分には難しいという概念がわからない
と以前見たテレビ番組の中で言っていましたが、
しばしば難しいという思いに圧倒される
私には、この言葉はなかなか興味深い
気づきを与えてくれました。
私が難しいという思いに固まってしまうとき、
確かにその思いに圧倒されているのです。
五嶋さんも、できないことはもちろん
あるのでしょうけれど、
できるようになる道筋が見えるから、
圧倒されずにいられるのかな
とも思いました。
そこで、ようやく浮上している
感情のエネルギーに気づいたわけです。
人の心の奥にはしばしば
このような、混乱した、あるいは
圧倒され固まってしまっている
感情のエネルギーのしこりがあります。
これが、日常の何かしらの出来事で
トリガーされたとき、その機能停止した
心の状態が再現され、うまく働かなくなります。
そういうところも一つ一つ解除して
ケアしてあげると機能を取り戻すことが
できるので、気づけたことは幸いです。
さて、亀の歩みの続きを行くとしますか。