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さて。
昔、私が勝手に師と仰いでいる
深く目覚めた意識のマスター
レナード・ジェイコブソンの
リトリートに参加していた時、
彼はよく、私たちに
自身のニーズを表現するように、
と言っていました。
日本人は、特に自身のニーズを
表現することが苦手であることを
知っていた彼は、
様々な状況において、
意を汲んで答えるとか、察して
やってあげるとかいうのはせずに、
私たちが自分からやってほしいことを
言うまで、絶対に先回りする
ということをしませんでした。
たとえば、オープンセッションで
一人が前に出てレナードのセッションを
受ける場面で、
その人が、深い感情が湧き上がって
涙や鼻水でぐしょぐしょになっても、
レナードのテーブルのすぐ側に置いてある
ティッシュは本人が欲しいというまで
絶対に渡してあげないとか、
会場が寒いとか暑いとかも、
ちゃんと自分から声をあげるようにと
常に呼びかけていました。
この程度のことですら、
私をはじめ、会場にいた多くの人
にとっては、ひどく居心地が悪く、
意地悪に思えたかもしれません。
そんなこんなも懐かしい記憶ですが、
日本人は特に察して行動する感性が
文化の中に色濃く在るので、
自分のニーズを表現するのが下手ですね。
本当はしてほしいこと、
してほしくないことを言えず、
飲み込んで我慢してしまう。
プットアウトするよりも、
我慢する方が簡単だったりするんですね。
そういうことが積み重なっていくと、
表現されたかった思いや感情のエネルギーは
体の中で不完全燃焼状態で蓄積し、
心の奥底で失望感や不満として
生命エネルギーを曇らせていきます。
あるいは、
ふとしたきっかけで暴発したり、
ねじれた形で他者を傷つけるような
方向に出てしまったりします。
ウン十年、そんな生き方を続けてくると、
体の中にそうした不完全燃焼のエネルギーが
しこりのようになって固まっていたり、
エネルギーラインが詰まったり
酷く歪んだ状態になっていたりするのが
読み取れることもあります。
セッションでは、イメージワークで
飲み込んでいた思いや気持ちを吐き出し、
本当はどうしてほしかったのかを
伝えるというのをよくやるのですが、
それだけでも随分すっきりしたり、
固かったしこりがほぐれてきたり
することも多いです。
ただ、人によってはそれでも
何も変わらない、失望感が深くある
という方もいらっしゃるので、
その場合はさらに次のステップで
色々やっていきます。
吐き出した思いを、相手はどのように
受け取り、反応したでしょうか。
究極的に、それは自身のニーズに
自分がどのように応答しているか
を表しています。
そう、そこが鏡なんですね。
もし相手があなたのニーズを無視したり
抑圧したりしているのなら、それは
あなたが自身のニーズをそのように
扱っているということを意味します。
相手があなたのニーズをどう見ているか、
面倒臭そうにしているのなら、あなたも
自身のニーズを叶えるのが面倒に
思っているのでしょう。
そう思ってしまう諸々を癒していくと、
ちゃんと自身のニーズにも適切に
応答していけるようになります。
そうすると、鏡であるあなたの現実も、
今の自分の在り様を映して
あなたの思いやニーズは大事に
扱われるようになるでしょう。
まずは自分のニーズを軽んじることなく、
それを表現し、叶えてあげることを
大事にしてあげてください。
それは、あなたのあなた自身への
義務であり、愛なのです。
回りくどく、
何故相手は自分の望むことを
してくれないのか、と責めるよりも、
軽やかに自分のニーズを表現して、
愛ある関係性を構築していきましょう。