ここのところ、
自分で始めた習い事やら
単発で色々な学びをしに
出かけて行っているのですが、
9月は多いな、と思いながら
数えてみると、なんと、今の段階で
のべ9つも予定を入れていて、
我ながらびっくりです。
1日の内に午前中に能のワークショップ、
午後からヨガ、とか2つ行っている
日もあって、忙しくも楽しく
エキサイティングな日々です。
めちゃくちゃ出不精の私にしては、
すご～く珍しいですね。
まぁ、人生で
そんな時期もあってもいいかな、
と思いながら、いつか
ばらばらのピースが何かしらの
像を結ぶ日が来るかもしれない、と
今はひたすらインプットです。
そんな中、
先日参加したとある伝統芸能の
ワークショップの先生が
なかなか味のある面白い方で、
その芸能にかける真摯な思いや、
積み重ねてきた努力と情熱を
感じさせるお話に、自然と
引き込まれて行きました。
別に苦労話を延々と聞かされた
というわけでもないのですが、
その方の視点で実地で体験されて、
感じてこられたことが言葉の端々に
抑えようもなく滲み出ていて、
それが先生の独特の味となって、
大変面白く聞かせていただきました。
私たち参加者への接し方も、
時間一杯オーバーしてもなお、
伝え足りないという感じで、
深く、まっすぐな密度の高い
エネルギーを感じました。
参加者の中には、
小さいお子さんもいらしたのですが、
とかく高尚な印象のある伝統芸能を
純粋な感性で見る子供たちに
その興味を上手に引き出して
エッセンスを体験させていらして、
素晴らしいな、と拝見していました。
ワークショップは3人の先生で
進行されていたのですが、
他の先生だったら、多分もっと
スマートに、当たり障りなく
まとめていらしただろう
と思います。
進行という面から見たら
確かにその先生はスマートでは
なかったかもしれません。
けれど、なんだかすごく、
後味に引きのある印象を残されたのは、
その先生の情熱でした。
実はその先生は女性で、
完全なる男社会のその芸能の世界では、
年代も上の方にお見受けしたので、
相当なご苦労をされただろうと
想像に難くありません。
女性であることが、
様々な身体的器質から言っても
ハンデになることも多かった
のではないかと思うのですが、
だからこそ見えてくるもの、
男性だったらそもそも問われることすら
ないような、深い問いかけがたくさん
あっただろうと思うのです。
それが、
あの先生の独特の視座からくる
人間味となって滲み出てきている
のだろうな、と感じました。
不利な立場からスタートするのは、
早く結果を出したりゴールに至る
という目的にとっては、確かに
マイナスでしかありません。
けれど、
そういう負荷があるからこそ獲得できる
唯一無二の何かがあると思うのですよね。
その段階まで到達するには、
諦めずにひたすら歩み続けることが
絶対条件ですけれど。
多くは、到達する前に諦め、
挫折して訳の分からない
ガラクタの経験にしてしまうことが
ほとんどなのでしょう。
だからこそ、
何かしらの結晶となるまで
歩み続けられた人の得たものは、
尊いのだと思います。
このご時世では、
お手軽簡単、短期間にそこそこ
理解し、満足感の得られるものが
持てはやされる傾向がありますが、
それはそれで入り口、きっかけ
としては良いとして、
本当に自分自身の人生に
化学変化を起こすようなものを
受け取るには、
そのエッセンスの密度を咀嚼し、
血肉としていくような力が
受け取る者の側に備わっていることが
必須です。
学びというのは、そういう力を
自らの内に育てていくという一面も
あるのでしょう。
逞しく、しぶとく
学びに対して貪欲でありましょう。
あなたらしい、味を醸し出せるように。