運命は変えられるのだろうか？
と言う問いかけがふと心に浮かんで、
それに対して私の心は
もちろん変えられる！
と答えました。
実際、運命改善法とか
色々ありますものね。
そのときの自分の在り様によって
いかようにでも、というところは
あるのだと思います。
けれど、宿命は変えられない
とよく言われます。
誰を親としてどんな家に生まれたのかとか
人種とか性別とか生まれ持っての
肉体的な欠損や病気、あるいは
心の資質など。
その後の努力でどうにかできる範囲も
現代では広がっているところは
あるのでしょうが、それでも
厳然として変えようのないものは
あります。
そうした宿命は、
変えられないのでしょうか？
宿命の定義も色々あるような
気がしますが、私はそちら方面の専門家
ではないので、素人の一意見として
私見を述べるならば、
変えられるような気がするのです。
これは宿命だ、と思っていたことが、
その宿命によって出しだされた
人生の課題を昇華させたとき、
その要素自体が消えてしまうか、
それによって背負ったものが軽くなるとか
意味が変わっていくとか、
運命のレベルでは良く起こることが、
宿命のレベルでもあるような気配も
感じるのですよね。
変えられるものなら、
それは最初から宿命ではなく、
運命だったのだ、という言い方も
出来るとは思いますが、
私のイメージでは、
宿命は運命よりももっと根の深いもので、
要は、その根の深さの違いなのかな、
と解釈しています。
セッションで、その時向き合っている
テーマを昇華させたときに、
大きく世界線が変化する様を
ビジョンで見ることがよくありますが、
悲劇を昇華させたとき、
その人は最早悲劇の過去を持っていない
人になり、当然未来も変わっていきます。
それは、運命が変化したと言っても
良いのだろうと思います。
それが宿命レベルで起きるというのは、
例えば、重犯罪を犯した先祖を持つ
家に生まれ、ひどい迫害を受けながら
育ったというような場合、
その人は生まれながらに
重い宿命を背負って一生を生きる
ことになるでしょう。
そのような人生で、その人が
ものすごく努力して先祖の汚辱をすすぎ、
その生き方を通して人々に感銘を与え、
尊敬されるまでになったとしたら、
罪人の子孫と言う宿命は
「変質」していくでしょう。
もちろん、そうたやすいこと
ではないとは思いますが、
そういう意味では、宿命も
それによって背負うものは変えられる
と言えるように思います。
私たちにとって、
人間目線での不幸というのは
とても恐ろしいもので、
出来る限り平穏無事に過ごせるのが
幸せという価値観があります。
大難を小難に、小難を無難に、
と願うのが世の常で、願わくば
そうありたいものです。
けれど、どれだけ願っても
難を除けても起こってしまうものについて、
いかに受け止めたら良いでしょうか。
嘆き、いじけ、すねるのではなく、
苦しみに悶え、打ち震える中で、
恨みに飲み込まれずに踏みとどまり、
魂の差し出す
最高難易度の課題の奥に隠された
ギフトを掴み取っていけたら、
と思うのです。
そういう課題に取り組んでいる時に
大切なのは、自分の意識が崩れていく
まさにそのギリギリのエッジを
捉えることです。
多分、弱さに負けてぐずぐずになるとき、
いつも同じパターンで、同じところで
崩れていると思うんですよね。
まずはそこで意識を保ち、
その時感じている言いようのない苦しさを
受け止められるようになることです。
そこでいつもとは違う在り方を
体現できたとき、宿命は深いところで
大きな地殻変動を起こしていきます。
宿命は運命よりも、
背後のエネルギーが桁違いに厚く、
大きい印象があります。
たとえて言うと、
運命は表面的な流れで起こる波で、
宿命は津波のような力。
一朝一夕に成るものではないけれど、
日々自分の限界を突破する試みを
続ける中で、津波自体が小さく
私たち自身の力が大きくなるときが
やってくるかもしれません。
結果に一喜一憂することなく、
ただこの瞬間を丁寧に積み重ねて
参りましょう。