分かち合う体験

嬉しいことがあったとき、
美味しいものを食べたとき、
素敵なものに触れたとき、
この感動を分かち合える人がいるのは
幸せですね。

自分だけで幸せを噛みしめるのも
嬉しいですが、それを一緒に、

こんなことがあったんだよ!
あぁそう~、それは良かったね~(^^)とか、

これ、美味しいね!
そうだね、本当にこれ美味しいね!とか、

共感できる人がいると、
喜びも倍増して感じられるのは
不思議ですね。

そんな体験を、この人生で
たくさんしていきたいものです。

セッションに見える方の中には、
幼少期に親御さんがまったくそういう
感性が無いとか、徹底的に否定されてきた
と言う方も少なく無いのですが、

そういう方が人どれだけの孤独や淋しさ、
悲しみを感じながら人生を歩んで
こられたのかと思うと、

喜びを分かち合う体験と言うのは、
人生を豊かに育む、大切な栄養
なんだと思います。

と同時に、遠慮しないで
辛かったこと、悲しかったことも
分かち合える関係性があると良いですね。

これらを分かち合える関係性の方が、
喜びだけのときよりも、もっと深い
繋がりを感じられるでしょう。

けれども、
本当に辛さも分かち合い、
受け止められる人は、
どれだけいるでしょうか。

上辺の言葉を合わせているだけ、
寄り添うという言葉の概念は知っている
けれど、実際にはすごく壁を作って
自分が溺れないように安全圏で
バリアを張っているなどで、

その苦しみを味わっている人と
同じ目線で対話し、安易に同情することなく
ともに在ることが出来る人は
とても貴重です。

共感と同情は似て非なるもので、
これらを混同している人も
少なく無いようなのですが、

私の感覚で言えば、
相手の悲劇の感情に一緒に巻き込まれ、
溺れて行って、ともに在るように
錯覚しているのが同情、

共感は、巻き込まれず、
溺れていない状態だけれども、
その痛みを受け止めつつ、
自分を見失わずにともに在る状態
と言えるでしょうか。

後者の状態で居られるためには、
相手の辛さに触れたときに
自身の内に浮上する、動揺したり
辛くなる気持ちをきちんと受け止め、
統合しておく必要があります。

そうでないと、
どうしても苦しくなって、
自分を見失いそうになるので、
壁を作ったり、距離を取ったり
するしかできなくなります。

苦しそうにしているその人を恐れて、
その人の苦しみを消すために、
あれこれコントロールしたく
なってしまうんですね。

これは、表面上は
親切に見えるかもしれませんが、
完全に利他ではなく、自分の為の
行為と言うのが本質です。

けれどもし、自分の中の辛さが
統合できていれば、
相手の辛さに触れても
動揺することなく、寄り添い、
為すべきことがあれば
手を貸すこともできるでしょう。

この状態からなされることの本質は、
利他と言えます。

ネガティブであれポジティブであれ、
どちらも分け隔てなく受け止め、
分かち合える関係性では、

分かち合える喜びもまた、
とても深いものになるでしょう。

あなたが人生で、
そんな人を得られたのだとしたら
それは得難い幸運です。

そしてまた、
あなたが誰かにとって
そんな存在になれたとしたら、
あなたはその人にとって、
かけがえのない宝物となるでしょう。

まずは、自分が自身の気持ちを
大切に受け止め、ともに在ることが
できるように。

そのこと自体が既に、愛なのです。

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