私は常にどこか、
不足感を感じて居心地が悪く、
不安や焦燥感に駆られていることが
よくありました。
どれだけ努力して何を達成しても、
達成した次の瞬間には、
またあの満たされない心の重さが
戻ってきていて、まだ足りない、
と思うのでした。
もうどれだけそんな繰り返しを
して来たでしょう。
自分に向き合い、
様々な感情を統合してきて、
大分その感覚も弱まってきましたが、
まだ完全には止んではいませんでした。
それが、先日の
今この瞬間に満たされている感覚が
やってきたときに、その後、
なかなか思うようにならなかったことが
とんとんと叶って、気が付いたのです。
不足感から始めたことは、
必ず不足感に戻ってくる。
だから、満たされたところから
始めなければならない。
以前から何度も目にしていた言葉
ではありましたが、ものごとは、
完全に今この瞬間を受け入れて、
全ては完璧であると知ることによって
満たされていくのだと理解したのでした。
難しいのは、不足を見る眼差しから
離れて、今この瞬間を完全に受け入れる
ことでしょうか。
全ては満ちていると知ることから、
満ちていくのですね。
私たちは、不足を見るから、
今この瞬間から離れていく。
これじゃダメだ、もっと別の何か、
違う状態にならないと。という
その思いそのものが、不足感を
持続させていたのです。
拒絶されたものごとは、
受容されるまで繰り返し
差し戻されてくる。
まさにその通りで、
けれども私たちは本能的に、
不足を感じることを受容することに
恐れを抱き、逃げたり消し去ろうとします。
そこを反転させて、
いかに向き直り、受容できるかが
カギなのですね。
自動的に起こってしまう
拒否反応とは違う行動をするのは、
非常に意識してやらなければ
できないことでしょう。
感情解放ワーク的には、
不足感の奥にある恐れを明確にすることが
ポイントになってくるでしょうか。
たとえば、
ダメな自分を受け入れたら、
周りから愛されない、認めてもらえない、
一人ぼっちになってしまう、
最終的には孤独のまま野垂れ死に
してしまう。
といったように、
自分の中でどんどんその恐れの最終結末まで
掘り下げて行って、ダメな自分であることが
どうしてそこまで恐いのかを知る必要が
あるのです。
このイメージがどこから来ているのか
と言えば、今生の過去の記憶や、
いわゆる過去世と呼ばれる
別の人生での実際の記憶だったり、
ご先祖様からDNAに刻まれた記憶
だったりします。
こんな思いはもう二度としたくないから、
その原因だと思っている「ダメな自分」は
絶対的に許してはいけない状況
となるわけです。
けれども、そんな耐え難い気持ちを
味わったことと、原因だと思っている
自分の要素は必ずしもそうとは
言えなかったりします。
本当は、ただその辛かった気持ちを
そのまま受け止めれば良かっただけ
なのだけれど、
それがどうしてもできなかったので、
原因だと思ったことをなくすことで、
そんな経験をしないようにしよう、
と心に決めてしまったのです。
このように形成された誤った回路を
解除するには、元の耐え難い辛さを
見つけ、それを受け止めることです。
先の例で言えば、一人ぼっちで
野垂れ死んだときの悲しかったり
淋しかったり、絶望した気持ちに触れて、
ゆっくり深く命の呼吸をしながら
受け止めて行きます。
そんな思いをしたとき、
自分は自身を見捨て、自分から
離れていたでしょう。
だから、命の呼吸をして
もう一度、自分自身に戻って来ようと
いうわけです。
根本的にその淋しさ、絶望感、不安感は、
自分が自身を見捨てたことから来ています。
だから、自分が自身に戻らない限り、
どうやってもそれは消えることは
ありません。
このことを深く理解することが
肝要です。
私たちが自分の人生に不足を見る時、
必ず自分自身から離れているでしょう。
そうした瞬間をいかに減らしていくか。
自分が自身とともに在るほどに、
人生は豊かさに満ちて、心穏やかに
幸せでいられるでしょう。