私たちはしばしば、
自分の人生に明らかに起こっている
現実を認めず、まるで無かったこと
のようにして生きることで
痛みの回避をすることがあります。
たとえば、
明らかに負けているのに
負けを認めないで頑張り続けるとか、
明らかに終わっているのに、
終わりを認めないで
無理やり継続しようとするとか。
セッションでもたまに、
戦国時代の武士みたいな存在が出てきて、
戦に負けてお家は滅亡、妻子も
亡くなっているのに、
どうしてもそれが受け入れられず、
負けてもまだ終わってもいない！
と言って、何百年もその時代から
動けずにいる御霊がいたりします。
現実を受け入れたら、
激しい喪失感と敗北感、屈辱感、悲しみ、
絶望感などがどっと溢れてきて、
どうにもそれらが耐え難かった
のでしょう。
それと似たようなことが、
私たちの心の中のあちこちに
あったりします。
程度の差はあれ、
そんな自分は受け入れられない！
と現実を受け取ることを拒否すれば、
その人はこの世界から遊離して、
自分の妄想の世界に退避します。
エネルギー的にその状態を見ると、
この世界とかみ合ってないんですね。
当然、その状態は様々な生き辛さの
要因の一つになってきます。
一方で、受け入れ難かった
自身の現実を受け入れるほどに、
自分の存在のズレていたレイヤーが
ぴったりとはまり、この世界に
深くグラウンディングしていきます。
誰しも、多かれ少なかれ
こんな風になったら良いな、
それは嫌だな、とか思うところがあり、
思うようにならない現実に
ストレスを抱えていたりします。
けれども、
そうした現実を全受容したときに、
何か、この世界の違う次元が
開けてくるようなのです。
最近、そんな体験をしたのですが、
私はいつもどこか不満を持っていて、
これではない別の自分、別の現実を
求めていました。
あるときに、そんな現実でも、
実は、見えないところでものすごく
守られていたんだなぁ。有難い。
と思えたことがありました。
その途端、不足を見ていた現実も、
自分に必要なものは既に
すべて満たされていたということに
気づいたのです。
私はこの世界が自分に与えてくれている
こんなに素晴らしいものの数々を
ちゃんと受け取っていなかった、
と思いました。
見てもいないし、気づきもしておらず、
これじゃない別のものが欲しいと、
あれこれ身を乗り出して、
ここではない別の世界にばかり
目を向けていました。
けれど、今からは
この世界が私に与えてくれるものを
慎んで受け取ろう。
そう思いました。
そう心が決まると、
自分の中のズレていた様々な領域が
す～っと整って、この世界にぴったりと
深く落ち着いていられるように
なっていました。
その状態でこの世界を感じていると、
ただただ豊かに満たされた
心持ちになってきます。
と同時に、今まで感じることの
できなかった、何やら別の領域の
叡智とでも言って良いようなものの
気配も感じるようになりました。
この世界が私に与えたがっているものが
あるようです。
じっと、今ここに在って、
言葉にならない諸々の対話を重ねます。
そんな体験をした前日の夜、
今の自分が何か、やらなければいけないのに
見落としていることはないだろうか。
これからどんな風に生きたら良いだろうかと
具体的なメッセージが欲しくて、
タロットカードを引いていました。
3枚引いてみたら、
1枚目がカップのペイジ。
2枚目が運命の環。
3枚目がカップの９。
いずれも正位置で、
はて？
こんなに良いカードが出るような
状態なんだろうか？と思ったのですが、
翌日の体験から振り返れば、
なるほど、と腑に落ちました。
特にカップの９は、
到達、成功、達成、満足を意味する
カードなので、これはそのまま、
既に必要なものは満たされていた、
というこの感覚の通りです。
そして、運命の輪が回っている。
大きな人生の導きを感じます。
カップのペイジは純粋な感情や感性
を表すので、3枚とも、なんとも
うまいメッセージをよこしてくれた
ものだと感心しました。
私たちは、既に十分与えられた
自分にとって最適なものを受け取らず、
選り好みして不満を漏らしますが、
この世界が与えてくれた恩寵に
気づき、受け取る感性が
心も体も魂も満たされる豊かさを得る
カギなのだな、と思いました。