人生、生きていると、
色々我慢しなければいけないこともあるし、
諦めることもあります。
その時はそれがすごく辛いのですが、
いつしかそういう状態にも慣れてしまい、
ついには自分が何を我慢しているのか、
諦めたのかすら思い出せない、
なんて状態になっていきます。
それはある意味、忘却の祝福と言えば
言えるのかもしれませんが、
その痛みが未完了のままだと、
無意識の底で後々までくすぶり続けている
こともあります。
我慢し続ける苦しみ、
叶わぬ思いを思い続ける苦しみを
抱えながら生きることは、
とても辛いことです。
その苦しみを忘れて生きられるなら、
記憶喪失でもなんでもいい。
そんな風に思う時もあるのかもしれません。
心も体も、そんな主の思いに応えて、
魔法を発動してくれるのでしょう。
けれど痛みを忘れることの代償に、
その人の心の一部が死んだように
なってしまうのです。
そして、そのことは、
私たちのみずみずしい生命力を
枯らしていきます。
何かを我慢し続ける人、諦めた人が、
どこか虚ろなのは、そのせいでもあります。
我慢というのは、何か苦しいこと辛いことを
抑圧している状態ですが、本当は、
我慢しなくても良い状態になるよう
対処しなくてはいけないという
非常警報なのです。
それを抑圧するということは、
非常警報が鳴っているのに、
その電源を落として静かにさせる
ようなもので、実は非常に危ない
ことでもあります。
とは言え、何でもかんでも
我慢しないで本能の赴くままに
発散、行動するのが良い
と言っているわけではありません。
そうではあるのだけれど、
私たちの我慢の多くは、
本当は対処しなければいけないことを
握りつぶすような抑圧という意味での
我慢の方が、多いのではないでしょうか。
自分がそれに対処するだけの力が無いとか、
方法がわからなかったりする場合も
あるでしょう。
あるいは、とにかく我慢しなければいけない
という刷り込みが強烈すぎて、その苦痛が
改善を促すサインであるという認識すら
抱けないで居るのかもしれません。
そういう状態から、
では認識が改まって、対処する方法がわかり、
自分にその力があるとするなら、
行動するでしょうか？
どういうわけか、それでも行動しない人って
結構いらっしゃいます。
自分が行動することで、
それまで保たれていた偽りの平穏が
崩れてしまうとか、
和が乱れてしまうとか、
或いは単に、今までやったことのない
未知の領域のことなので恐いとか、
まぁ大体理由はそんな感じです。
人生の選択は人それぞれなので、
行動しようと我慢を続けようと
そのどちらが良いとか悪いとかいう
ことはありません。
ただ、自分を幸せにする責任は
その人自身にあるという観点からしたら、
苦痛に何ら対処せずに我慢を強いるのは、
怠慢と言えるのではないか、と思います。
そういう人の現実によく現れるのが、
自分で対処すればいいことをやらずに
不平不満を四六時中漏らしている人とか、
我慢の限度を越えるような
無理難題をこれでもかと押し付けてくる
上司や同僚、パートナーなど。
これみんな、その人自身の鏡です。
対処すべきことに対処しないで
抑圧し続けると、お前はこういうことを
しているんだぞ、というのを
見せられるんですね。
そして、このくらいやっても
まだ飲み込んで動かないというのなら、
その限度を越えるこれならどうだ！
動かざるを得ないだろう！
と、対処することへの圧力が
大きくなるわけです。
自分に限度を越える我慢をさせ続けている
相手は、まさに自分自身です。
自分が、自身に対して
そのくらい、非人道的な扱いをしている、
ということに気づきましょう。
また諦めも、感情解放ワークでは
感情の蓋だとお伝えしています。
人生において、諦めるほかないような
状況も確かにありますが、その場合も、
そこで味わった悲しみ、失望、悔しさ、
無念などのわだかまりは、
中途半端に頭で納得させて収めないで、
ちゃんと受け止め、生きてあげましょう。
そのことが人生の糧となって昇華され、
自分の中で整合性が取れるようになるまで。
収まりのつかない思いが湧き上がっている内は、
まだ人生から差し出されたメッセージを
受け取り完了にはなっていません。
課題を卒業できていないんですね。
我慢や諦めを昇華させるほど、
人生は豊かに、生命力を取り戻していきます。
あなたの人生に、愛と喜びが満ちますように。