セッションしていると、
しばしば家系的な問題が子孫に影響している
ケースに遭遇することがあります。
家系の問題なんて関係ない！という方も
スピ界隈の先生の中には
いらっしゃるようなのですが、
私はやっぱりあるんじゃないかな、
と思っています。
その人自身があらゆるカルマ的なものを
超越した境地まで行っているのなら、
その可能性もなくはないかもしれませんが、
そうではないところにいる人にとっては、
厳然として、先祖の影響は受けるだろう
と思います。
先祖の影響と一口に言っても、
人それぞれにその影響の大きさ、
深刻さ、出方が違っていて、
家系の人間、家族や親せきの中に、
かなり問題行動がある人が多いとか、
変死、精神異常、特定のトラブルに遭いやすい
など、お話をお聞きするだけでも、
これは何もないという方が難しいな、
と思うケースもままあります。
私自身、様々なご相談をお受けしてきて、
これはどうにも力及ばす、というケースも
たくさんありました。
私は基本、感情解放をメインにした
セッションをしているので、
そういう霊能系の方面はあまり得意
ではないのですが、
感情解放のセッションの流れの中で、
浮かび上がってくるものが
あったりするので、対処して行く
という感じでやってきました。
ご相談に見えた方の心の傾向を
掘り下げていくと、特定のパターンを
繰り返していて、
それがどこから来ているのかを
じ～っと辿っていくと、
その人自身のインナーチャイルドだったり
いわゆる過去世と呼ばれる別の人生の
記憶から来ていたり、ご先祖様から
だったりするんですね。
その人自身の過去世やインナーチャイルド
をいくら癒しても残るものや、
親戚にも似たようなおかしなパターンが
あるという場合は、やはりご先祖様の
可能性が濃厚だと思います。
リーディングしていく中で、
問題の始まりを作ったご先祖様の、
まさにその行動の場面がふと見えることも
あるのですが、
その時のその人の心情、
何を思い、何を感じ、どう行動したのか。
そしてその結果、どうなっていったのか、
だから今子孫にこれが起こっているのか、
というという流れがするすると解けていく
こともあります。
そのようにすんなり解けて行くケース
ばかりではないのですが、
そういう秘密が明かされるということは、
それをご相談者様が受け取る準備ができた
タイミングだということなのだと思います。
それにしても、それを知ったとしても、
そこまでの影響を残すような行為の結果を
回復させていくというのも、並大抵の
ことではありません。
子孫は、先祖がやったことだから
自分は当事者ではないけれど、
というわけにはいかないのです。
その家系に生まれ、影響を受けている
ということ自体が、厳然とした
当事者でもあるのです。
（被害者として、という意味ではないですよ）
たとえば、自分の会社の部下の犯したミスを
上司が先方に謝りに行くということは
よくあることですし、
そのときに、自分は関係ないけれど、
この部下が失敗をしまして。。。
なんて言わないですよね。
自分も、その会社の部署を代表して
当事者として謝罪に行くわけです。
肩書というのは、そういう責任も
背負っているということなんですね。
先祖の犯した行為の影響を被るのは
とんだとばっちり、運が悪かった、
という被害者なのではなく、
その人自身も、そういう家系に生まれる
種があったのであり、またそのカルマを
引き受けることで、自分の魂のカルマを
清算したり、自分の可能性の扉を開き、
成長していく糧とするように
計画していたりするのです。
そのように、
根の深い人間の業を見て行くと、
それが良いとか悪いとかいう次元を越えて、
人間の性というものをしみじみ感じます。
芥川龍之介の『地獄変』という小説を
ご存じでしょうか。
自分の愛娘を牛車に乗せて火をかけた姿を見て
地獄絵図を完成させたという絵師の話ですが、
そのような狂気は、極一部の限られた人間だけが
持っているもののように普段私たちは考えるけれど、
実は誰しもの中に、こういうものが眠っている
のだろうと思うのです。
私たちがご先祖様たちから受け継いだ
無数の因子の中には、素晴らしい徳もあれば、
おぞましい何かもあるでしょう。
けれども、
善悪を越えてそれらを受け継いだ私たちは、
この人生で何を表現し、どう生きるのだろう。
そんなことを思いました。