病気だったりトラブルだったり、
人生に何かしらの「問題」が起こると、
どうにかしてそれらを解決しようと
人は懸命になります。
病気が治るように、消えるように、
病と闘う、すなわち闘病生活を送るとか、
問題がなくなるように、
事を荒立てず、穏便に済ませるとか
力づくで抑えつけるとか、
無かったことにするとか、
根本解決するまでとことん取り組むとか。
色々なアプローチがあるものですが、
その出来事がどうして起こったのか、
という視点がないと、
根本的に誤った対応をして、その結果、
表面的に問題が消えたように見えたとしても
後で必ずもっと大きな問題となって
再燃するということがしばしばあります。
目先だけ、平和に済めば良い
ということではないんですね。
トラブルや問題、病気は、
今の在り方を転換せよ、
という人生からのサインです。
ですから、今のどんな在り方を
どのように転換したら良いのか、
というのを知って、適切に転換を
実行しなければ、完了はしないのです。
だからこそ、
完了しないまま出来事が収まったように
見えてしまった時が、一番恐いですね。
人は、不穏な状態が見えなくなれば、
それで良いのだと思って、それ以上
何かを変えようとはしないからです。
お知らせがスルーされてしまった、
受け取られなかったとなったら、
人生はより大きく、深刻なサインを送って
強制的に動かざるを得ないところまで
人を追い込んでいきます。
その加減というのも実に神業で、
それ以下であれば黙って飲み込んでしまう、
耐えてスルーしてしまう、けれども
きつ過ぎれば耐えきれない、という、
絶妙のポイントを突いてくるんですね。
たとえば、
詐欺に遭ったとして、30万だったら
仕方がない、と飲み込んで収めてしまう
けれども、500万では泣き寝入りはできない、
数千万の単位だったら致命的、みたいな、
その人のその時点で必要な強度の
お知らせがやってくるわけです。
自分がどの程度の強度のお知らせで
気づき、腰を上げるのかは
自分で決めることが出来るので、
出来ることなら、そこまできつく
お尻を叩かれない内に行動すれば
良いのですが、
人間の心理というのは、
どうにも行き詰らないと、
なかなかに動かないというのが
習性のようですね。
話は戻って、
なぜその出来事が起こったのか。
向き合うべきことに向き合わず、
逃げ続けるほどに、人生の歩みは歪み、
本来進むべき方向から逸れていきます。
それを修正するためのサインであるならば、
逃げてきたものに直面することが
一番の問題解決の道になります。
けれど、自分が逃げている自覚がない
こともよくあるし、向き合う力を
どう引き出したら良いのかわからずに
逡巡している人もいます。
絶望的なまでに、自身の力を見失っていて、
解決の道がまるで見えないから
そもそも向き合わずに何十年も来た
というケースもよくあります。
でも、状況は変わらないようでいて、
自分も相手も日々少しずつ変化しているし、
何か大きなきっかけがやってくる
かもしれません。
子供の頃にいかに虐げられていたとしても、
人は成長し、変化していくものです。
ある日ふと、自分が未だに子供の頃の
幻想に怯えていただけだったのだ、
と気づくこともあるでしょう。
何十年も逃げ続けてきたものに向き合うのは
確かに勇気が要りますが、
お知らせに促されるのは悪いことではない
と思います。
チャンスを与えられたわけですからね。
ヒーリングでも、
どのレベルを見据えてセッションを
組み立てていくのか、というのは
あるのですが、
直近、すっきりさっぱりすれば
それでいいのか、実はもっと深い根っこが
見えている場合、その方自身に
どこまで準備ができているのか、
というのは、見極めていく必要があります。
根っこを掘り上げて行くある程度の
道筋をお話したうえで、今日はどこまで
進めて行けるか、やりながらここまでが
目一杯ですね、ということもあるし、
そもそも根っこを掘ること自体に
意識が向かない人もいます。
人それぞれの選択とタイミングが
あるわけですが、大きなお知らせは
急には来ないので、小さいお知らせに
気づいて応える感性を、日頃から磨き、
行動していくことが大事かな、と思います。