心配と信頼について

今日は日常の家族とのやり取りの中で
ふと思ったことがあったので、
心配することについて書いてみます。

心配というと、相手のことを
気にかけて文字通り心を配る
わけですが、

その心の配り方によっては、
ネガティブな思念を送ってしまう
ことになることもあり得ます。

相手の可能性を見て、
信じ、励まし、何かあったら
いつでも言ってね、というくらいの
ものであれば、心配された本人も
その心遣いに気持ち良く感謝
できると思うのですが、

一方で、
怪我をしないかしら、
何かトラブルに遭わないかしら、
事故に遭ったりしないかしら、
というような不安からの声掛けは、

そっくりそのまま、
相手に自分の不安のエネルギーを
投げることになるので、
心配された本人にとっても
負担になることがあります。

心配する人の念が強い場合は、
そういう負の思念に引っ張られる
ことも無きにしも非ずなので、

相手のことを気にかけること自体は
良いのですが、その思いが
自分の不安からなのか、
相手を信じたところなのかは
注意したいところです。

前者であるならば、
まずは自分自身の中の
不安というざわつく気持ちを
良く良く受け止め、
統合することの方が先かな、
と思います。

自分の中の何かしでかしてしまいそうな
可能性の種を相手に投影して見て、
不安がっている、ということが
よくあるからです。

そうなると、それは相手の問題ではなく、
自分自身の問題ということに
なりますからね。

卵が先か、鶏が先かになりますが、
ときに、本当に相手の中に
危うい可能性が見えて気になる
というケースもあるかと思います。

それが、自分の要素の投影なのかどうかは
なかなかに見分けがつきにくいところ
かもしれませんが、

自分の中に動揺や不安がないところから
冷静に見て、危うく感じるのであれば、
不安の気持ちを相手にぶつけるのではなく、
淡々と相手に注意を促すというのは
アリだと思います。

その言葉を受け取った相手も、
単に不安な気持ちを無意識に
ぶつけられたときと、

冷静に注意を促されたときとでは、
受け取ったときの感覚が
全然違うんですね。

前者の場合は、
ものすごく重かったり不快だったり
するものですが、後者の場合は
そういう不快感はなく、割と素直に
その言葉を受け取ることができます。

心配する側も、悪気があるわけでは
ないでしょうから、その心の力を
生産的に使いたいのであれば、

まずは自分の心配、つまりは
心安らかでない状態の責任を
相手に負わせようとしていないかどうか、
その辺りを日頃から注意深く
見ておくのが良いと思います。

よくありがちなのが、
心配性な親御さんがお子さんのあれこれ
について過剰なほどに心配することで、
それがお子さんにひどく負担になっている
というケースを見かけます。

自分の心配の責任を相手に負わせる
というのは、要するに
私をこんなに不安にさせるようなことを
しないで。私が常に安心できるように
振舞いなさい、と言うようなものです。

こういうのはパートナー間とか、
そこそこ親しい間柄の中で
起こりがちかな、と思うのですが、

このように書き出してみれば
そんなのはお門違いだとわかるでしょうが、
結構無意識にやっていることって
あると思います。

こうして、
相手を無意識にコントロールし、
心配される側も、無意識に
相手の顔色をうかがうような
関係性が生じてしまうわけです。

そうなると、色々と窮屈になって、
関係性が歪んできますね。

自分の中の不安のエネルギーを
統合できていると、
相手を無理やり頭で信じようとしなくても、
自然に相手の可能性を信頼できる感覚が
生まれてきます。

そういうところから、
大らかに、相手を気にかけ、見守り、
応援してあげる気持ちを向けて
あげられると良いですね。

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