人間関係において、
適切な境界線を引くことは
とても大切です。
自分の境界線が甘いと、
他人の領域にずかずかと踏み込んで
あれこれコントロール、ジャッジメント
してくる人を許してしまったり、
逆に自分自身が他者の境界線を
踏み越えてしまったりします。
他者に自身の境界線を踏み越えさせまい
として一生懸命ガードをしても、
そういう人はどういうわけか、
そのガードをやすやす乗り越えて
踏み込んできます。
実際、頭でそうさせまいと頑張ったり、
バリアを貼るようなイメージをしても
無駄です。
なぜかと言うと、
境界線は理屈やイメージで引くものではなく、
厳密に自身の在り方自体を正さないと、
隙は塞がらないからです。
ではどうするのか。
まず、境界線を踏み越えてくる人を
ガードしたい場合、その人がどうしても
他人に干渉せずにはいられない衝動の
元になっているエネルギーを
捉えます。
それがその人の中で暴れ始めると、
無意識の人はそれに抗う術を持ちません。
どうしても干渉したいという思いが
自分では止められないのですね。
そして、干渉される側のあなたの中にも、
同じエネルギーがあるはずです。
これが引き合って、その出来事を
引き寄せてしまうわけです。
ですので、
その居ても立っても居られない
とても居心地の悪いエネルギーを
統合します。
そうすると、その人は他者にあまり
関心を示さなくなり、自分の人生に
向き合えるようになるでしょう。
そういう人は、要は
自分自身の人生を何らかの理由で
生きたくないし、受け止めたくもないので
他者にかまけているわけですね。
その姿は、あなた自身に重なります。
そして、
他者の干渉を許してしまう側には
何があるかと言うと、
本人は嫌がっているのだし
認めたくはないでしょうが、
その人を受け入れることで、
何か自分にメリットがあるのです。
たとえば、
ご近所さんの干渉を許してしまう人は、
争いたくない、出来るだけ穏便に
済ませたいとか、仲間外れに
されないようにとか。
親子関係やパートナーシップでは、
相手の要求を受け入れることで
愛されたい、認められたい、
大切な人で在りたいなど。
もし、嫌だと突っぱねてしまったら、
愛されない、受け入れられない、
拒絶される、見捨てられるなどの
恐怖があるから、それは絶対に
避けたいのです。
そんな思いをする位なら、
多少不快でも相手のニーズを
受け入れて、今の平穏に留まっていた方が
良い、と言う選択をしているのです。
本当にそれが嫌なのだとしたら、
相手に愛されたり受け入れられる
平穏を捨てて、自分自身の自立を
選ぶでしょう。
自分が何を天秤にかけて選択しているか、
無意識の人もいますが、
何もメリットなんかないです!
と言う方でも、必ずあるはずなんですね。
何を避けようとして今その状況にあるのか、
よくよく問うてみることです。
いずれにせよ境界線の問題は、
お互いの絡み合ったコントロール、
駆け引きの問題なのです。
そもそも、ゲームのディール(取引)を
受けなければ、成立することはありません。
ゲームから降りたければ、
自分が握りしめている利益を認識して、
手離すことの不利益を引き受けることです。
多くの人は、それを引き受けることを
なんだかんだと言い逃れて、
不本意な状況から動けずにいるのです。