セッションしていて以前から
感じていたのが、ハートの声を聞く
ということを伝えるのは、
実に難しいということでした。
最初は、そんなに難しいこととは
夢にも思っていなかったのです。
言ってしまえば、
ハートに意識を置いて、
そこで感じればいいだけのこと
ですからね。
けれど、そう伝えても、
思いのほか多くの人が
ハートで聞くことが出来ていない
という現実に突き当たり、
さて、どう伝えたものか、
と模索する日々が始まりました。
以前、ハートの声は、
まごころを感じるところで
聞くのだということを
お伝えしました。
そのヒントで聞けるようになった
人もいるし、ややもすると、
また頭の思念で理解するやり方に
戻ってしまう人もいます。
戻ってしまっても、
振り返ればそれが違うと
わかれば良いのですが、
強く思い込んでいて
本人も納得していることだと、
胸に手を置いて感じてみても、
ハートの声と区別がつかない
ことが結構あるのです。
深く納得している信念や思いでも、
ハートの声と違っていることはあります。
そういうケースで正確に識別するのは、
普段から頭優位な人にとっては、
結構難易度が高いことなのかも
しれませんね。
ハートの声を本当に聞けている時は、
思考するときに使う意識の領域よりも
深いところを使っています。
あるいは、思考している時、
つまりマインドの領域を使っている時は、
頭や喉の辺りに意識の重心があります。
ハートを使っている時は、
もっと下に重心が来ますね。
このように、使っているところが
明確に違うのです。
そして、メッセージの聞き方にも
違いがあります。
マインドで聞いている時、
思考しているときは、
グルグルと答えを探している感じ
になりますが、
ハートの声を聞くときは、
静寂にじっと心を澄ますようにして、
ふっと浮き上がってきたような
サインや感触を受け取ります。
はっきりとした言葉のこともあれば、
色や安心感、不安感などのサイン
のときもあり、必ずしもはっきりとした
答えが来るとは限りません。
けれど、そのサインを受け取って、
導きの方向を選択する時、
どこか心はすっきりとクリアに、
力が出てきたり、しっくりくる感じ
があります。
ハートの声は、そのように
言葉にならないけれど、直感的に
わかる感じで来ることが多いです。
だからこそ、頭で考えていると、
わからないんですね。
思考派の人は、
このような感じ取ることで
答えに至る方法を苦手とし、
嫌う人も多いけれど、
結構大事な感覚だと思います。
先日、とある狂言のワークショップに
参加したときに、先生が伝統的な
お稽古について語られていたのが
印象的でした。
先生によると、自分の師匠（父）は
教え方が乱暴で（先生の言葉のまま）、
シュッと歩け！とか、明後日を見ろ！とか、
ブラっとせい！などという教え方を
することが多かったそうです。
シュッと歩くって、どういうことなのか、
明後日を見るというのはどこを見るのか、
自分で掴まないといけないんですね。
所作にしても、何度も何度も、
もう一回！もう一回！と言われ、
あるとき、そうそれだ！それで良い！
と言われるのだけれど、その違いが
どれ？？？とわからなかったそうです。
頭で理解してやるのではなく、
体の感覚に落とし込んでいくところを
師匠は見ていたのだろうと。
だから、左脳的に理解してやるのでは
見抜かれてしまう、ということでした。
そう言えば、以前、北辰一刀流宗家の方の
動画を見ていた時に、素振りを見ていた
師範に突然、それだ！と言われたという
エピソードがあったことを思い出しました。
ハートの声を聞くというのも、
そういうお稽古に似たところがあるのかも、
と先生のお話をお聞きしながら感じました。
つまり、正しいやり方を体と意識
の状態でピンポイントで掴む
必要があるんですね。
それが掴めたら、
もうわかったわけなので、
あとは本人がどこまでそれを
深め、揺るぎなくしていくことが
出来るかの段階になって行きます。
一度掴めた人でも、
次のセッションになった時に
また怪しくなっていることは
結構あるので、
正しくハートの声を聞けるように
なりたいという方は、
たまにセッションや瞑想会などで
チェックを受けられると
良いでしょう。