自分の人生を導く奥深い力に対峙する時、
日常の雑多な諸々から離れて、
心を静める必要があります。
それは、たとえて言うならば、
昼間に深い井戸を覗くと、
星空が映っているのが見えるようなもの。
昼間に星空なんか見えるものかと
思うでしょうが、とても深い井戸だと、
日の光の乱反射が届かず、ぐっと
波長の長い星の光だけが届くので、
星空が見える、とものの本で知りました。
人生を導く奥深い力も
その星の光の波長に似て、
日常の諸々よりもはるかに遠くから
そのメッセージはやって来ます。
自然のリズムとはかなり外れた
人工的な現代社会のあれこれは、
そうした導きのバイブレーションとは
全く異なっているので、
まずはそれらで一杯一杯になった
心を静め、ノイズをクリアにしないと
なかなかに受け取ることが難しく
なってしまうのです。
自分に導きや守護なんかがあるのか、
と言われる方も結構あるのですが、
誰も、この宇宙にただ一人
見捨てられている人はいないと思います。
そのように感じながら生きている人は
いるでしょうが、それはただ、
自分が目をつむり、背を向け、
固く閉ざしているのだと思います。
私自身も、そのような思いで
生きていた時代があったので
その気持ちもよくわかりますが、
そのように生きていた時でさえ、
神は私とともに在ったし、
無数の人生で行った
私の祈りの全てをご存じである、
という理屈を越えた直感を得た後は、
その孤独はすっかり癒えてしまいました。
自分の人生と対話していくと、
それはやがて、今ここに在る、
ということに行きつきます。
日々自身の現実に展開していく
ものごとを通して、自分という存在を
深く知っていくための一つのツールとして
感情解放ワークがあるのですが、
それも対話が深まっていくにつれて、
個別の事象やテクニックで語れない
世界に入っていきます。
心を向け、本当に聞こうとしている
人にしか聞けない、声なき声の
メッセージが語り掛けてくるんですね。
そうなるまでに、多くの人が、
自身の頑なな心を解くために、
様々な課題にぶち当たっていきます。
頑なな度合いが高ければ高いほど、
それは相当な試練になることも
しばしばです。
自分も含め、そういう試練に直面した
人を何人も見てきましたが、
越えて行くよりも、打ちのめされ、
離れていく人の方が多かったかも
しれません。
私自身、徹底的に打ちのめされ、
諦めかけ、いったん離れ、
それでも心のどこかで細々歩みを続け、
今に至る、という感じで、
それは本当に辛いものだけれど、
そこを越えると、ぐっと感性は
深く開けていくようになります。
口では求めていると言いつつ、
心の底では明後日の方向を向き、
憎み、唾を吐いている自分に
気が付かない内は、なかなかに
難しいですね。
試練は、そのようにしている
自分の在り様を知り、改めるために
やってくるのです。
そのような在り様をしていないのなら、
そもそもそんな段階は必要ないものです。
自分が何に気づき、何を改めなければ
いけないのか、頑なな心は本当に
問うということが出来ません。
だってやってるじゃない、
何がいけないって言うのよ。
そんな感じで問うているんですね。
それでは、本当には聞けないのです。
本当に受け取ろうとすれば、
人生は驚くべき深淵さで
その神秘を開示するでしょう。
それが起こっていないということは、
ただ、自分の準備ができていないのです。
その準備とは何なのか、
いかにして整えるのか。
それすらも、回答集はありません。
自分で問い、見つけなければならないのです。
その五里霧中の苦しい試行錯誤の歩みの全てが
導きの中に在り、恩寵であることに気づくのは、
ずっと後の話。
今、あなたは試練の中に在るでしょうか。
恩寵を感じられているでしょうか。
苦しければ、休んでも良い。
離れても良い。
ただ、諦めないように。
あなたが、導きと恩寵に触れられますように。