根本的に、
自分自身に心許なさを抱いている人、
結構多いように感じます。
自分自身に心許なさを抱いている
というのは、
常にどこか心細い思いをしているとか、
頭では大丈夫だとわかっていても、
不安感に苛まれている、
誰かにすがりつきたい衝動があるなど、
たとえ表面的には自重していても、
ふとした瞬間に、その不安感、
心許なさ、孤独や淋しさなどに
飲み込まれてしまいそうな
感覚があるんですね。
自分自身が頼りなく、
信頼できる存在と感じられていないので、
どっしりと自分自身にグラウンディング
することができません。
だから、頼れる誰かが必要で、
頼りにしたい誰かが思うように
自分を安心させてくれないと、
すごく傷つくし、怒りを感じるのです。
パートナーシップなどでも
よく見られる構図ではありますが、
どんなに頼りになりそうと思える相手でも、
根本的に、自分自身への信頼感が
健全に育っていないと、
どんな関係性もうまくはいかないでしょう。
自分の中の、そのものすごく不安定な
感情のエネルギーを本当に癒せるのは、
自分自身をおいて無いからです。
その不安感、心許なさを癒すためには、
その気持ちに対峙しなければいけません。
自分は、ちゃんとこの気持ちに触れて、
受け止め、癒すことが出来たのだ
という実感と実績が無いと、
思い込みやイメージングだけの
空虚な暗示では、本当の力には
なりません。
そういう、自分の弱いところを
克服していくプロセスも、
大事なんだろうな、と思います。
そのプロセスが面倒くさいとか、
つまらないものだから
さっさと終えて先に進みたい
と思う方も多いようなのですが、
自分が段々と成長していく実感や、
自身の内に感じる力が少しずつ
強さを増している感覚、
知らなかった、気づきもしなかったことを
知る喜びが、そこにはあります。
それは決して苦しいだけの苦行ではなく、
あちこちに隠された宝を拾い集める
ワンダーゲームでもあります。
自分自身に心許なさを感じている人は、
どこかこの世界にも馴染めなかったり
怯えていたりするところがありますが、
どんどん力をつけて、
地に足が着いてくると、
この世界がもっと楽しところに
感じられるようになっていきます。
自分自身の力を存分に発揮し、
クリエイティビティを豊かに表現していく
キャンパスのようになるのです。
そんな風に生きられるよう、
まずは自分の中で不安がっている、
心許なさを感じている
未完了の感情のカケラ君を
しっかりお迎えに行きましょう。
逆に言えば、
このカケラ君が癒えていくにつれて、
自分に力が湧いてくるのですから、
このカケラ君を粗末にしていてはいけません。
決して見捨てず、
根気よく意識を向けながら
対話を続けてみましょう。
私たちの人間関係でも、
辛いときにさっさと見捨てて
気にも止めてくれない人なんて、
信頼できないし親しみも感じないでしょう。
けれど、一番辛いときに側にいてくれて、
気持ちを向け続けてくれた人は
自然と信頼と親しみの情が湧くでしょう。
自身に対して、
今自分がどんな態度を取っているかな?
と、よくよく振り返ってみてください。
今の自分がどれだけ幸せで、
安心して過ごして居られているかな?
というのが、今の自分が自身に対して
取っている態度に重なるのです。
自分を幸せにしてあげられるのは、
本質的には自分だけ。
そのことを、当事者意識と責任感を持って
受け止められるのかどうか。
新米のお母さんが、
赤ちゃんに日々向き合う中で
母親として成長していくのと同じように、
私たち自身もまた、自分に真剣勝負で
向き合いながら、成長していくのです。
毎日色々あるけれど、
揺れ動く心も楽しみながら、
生きて参りましょう。