人に向き合う時、
そこに自分自身の姿が
アリアリと映し出されるな、
といつも思います。
自分が及び腰だったり、
お茶を濁していたり、
恐れていたり、焦っていたり。
その時々の自身の在り様が、
否応なく瞬時に映し出されます。
そういう自分のずるさ、弱さを
直視して、肚を決めて真っすぐに
相手を見つめる時、
今度は相手の心の奥深くが
す~っと見えてきます。
自分の側の心がさざ波立っていたり、
ぼやけている時、それは
見えないんですね。
たとえて言うと、
箱眼鏡を通して海の底を見つめる
ようなもので、
海面の波の揺らめきで
光が乱反射していると、
海の底は見えないけれど、
箱眼鏡のガラスの面で
その波の影響を受けない状態になると、
海の底が良く見えるようになるのと
同じ原理ですね。
だから、セッションなどで
人の心の奥深くに対峙するときは、
常に自分の心の状態に注意深く
意識を向け、澄ませつつ、
じ~と相手の心を聞くようにします。
そのようにして相手の様々な情報を
読み取るので、私はリーディングをする時、
ほぼ目は閉じています。
視覚情報が心にノイズを作るからです。
目を開けながらリーディングするのは、
パッと見てわかる程度なら
少しは読めるかもしれませんが、
奥深い情報を追う時ほど、難しいです。
私は武術を学んだことはありませんが、
よく、向き合った段階で
相手の実力などが一瞬でわかる
と言いますね。
これも、自分の心が凪の水面
のような状態であるほど、
相手の心の奥深くが映るため、
よりその静まり方が浅い方が、
ものすごく恐いだろうな、
という気がします。
一方で、
静まり方の深いより上級者の方は、
相手の心の揺らぎが手に取るように
わかるでしょう。
相手の動揺、焦り、不安、
仕掛けてこようとする意図も、
浮上した瞬間にそれとわかるでしょう。
ものすごく達人だと、
その意図が本人の心に浮かぶ前に
わかって反応するということも
あるそうですが、
現象界に現れる前に
別の世界で起こる兆しを
読んでいるのでしょう。
そうした達人が読み取っているものと、
私が読み取っているものは
情報の質や領域は違うでしょうが、
何となく感覚的に、似たような
読み方をしているのかな、
という気はします。
人間の意識のフィールドには、
形にならない様々な情報が
存在していて、
それは気分や感情のようなものだったり、
その人がある場面で体験した
様々な記憶が記録されています。
頬に当たる風の感触や、水の冷たさ、
遠くで自分を呼ぶ家族の声、
大切にしていた思い出の品への思いなどが、
時空を越えて存在しているのです。
また、意識フィールドの状態から、
今現在のその人の在り方を見て取る
こともできますが、
それが読み取れると、
逆になぜその人がその在り方をしているのか、
という理由まで辿ることもできます。
もちろん、こうしたことが
何でもかんでも全て読み取れる
わけではありません。
本人ががっちり封印をかけているところは、
何か封印かかってますよ~という
質感で読み取れるわけで、
何だかそこに黒~い力の気配が
絡んでますね~ということなら、
ダークサイド絡みの影響があるということだし、
どうしても本人がそこに逃げ腰だったり、
様々な抵抗の印が出てきていると、
それだけ今のその人にとっては
割と核心のところをノックしている
と言えるわけです。
そうなったとき、セッションでは、
様々なテクニックやエネルギーを
使いますが、
根本的には、当事者自身が真実の
扉を開けていく覚悟の姿勢を
整えていくよう促します。
時には、それを整えるために
大回りをして、段階を踏んでいく
こともあります。
いずれにせよ、
自身の奥深い扉を開けようとするなら、
真っすぐに扉の向こうに対峙する
肚がぴたりと決まっていなけれな
なりません。
どうしたら肚が決まるのか。
今の自分は、肚が決まっているのか、
口先だけか。
それがわかるようでなければ
いけないのです。
それは、マインドで考えてわかる
ことではないので、マインドで
あれこれ考えている内は、
無理ですね。
また、肚を決めるというのは
マントラではないので、
頭で唱えているだけでは、
意味がありません。
その在り方を体現していきましょう。