自分はどんな人生を生きたいのか、
以前から朧げながらにあった
ビジョンが、ここのところ
大分はっきりと見えてきました。
最近ことあるごとに思っているのは、
人生というのは神聖なものだ
ということ。
その神聖さというのは概念ではなく、
私には明確な体感があります。
毎瞬毎瞬に、この神聖さを感じて
生きていたい、と思うのでした。
私がずっと求め、諦めてきたのは
これだった、とようやくわかりました。
今、私にとって
人生で最優先させるべきことは、
この瞬間に在ること、プレゼンスです。
やっとこう言えるようになりました。
非常に深いレベルの目覚めた意識にある
マスター、レナード・ジェイコブソンの
教えに触れて、十余年、
自分なりに、取り組んできたつもりでしたが、
根本的に、私は本当にはそれを求めて
いなかったし、実践してこなかった、
ということが分かった、というか、
認めたのはつい最近のことです。
そのことを認め、逃げている自分、
悪態をついている自分を止めて、
真っすぐにプレゼンスに
向き合い始めました。
すると体の中で
様々なエネルギーがグルグルし、
やがてそれが抜けていくと、
少しずつ、
今この瞬間にいられるように
なってきました。
そうして、静寂の音というものを
聞くようになりました。
あぁ、これが。。。
以前、ワークショップの中で
レナードが有名な禅の公案の一つ、
隻手音声（せきしゅおんじょう）を
見せてくれたことがありました。
これは、
白隠禅師が創案したもので、
両手を打ち合わせると音がするが、
片手にはどんな音があるか、
という問いです。
普通に考えれば
片手で音がするはずもなく、
みな、あれやこれやと頭で考えて
答えをひねり出そうとするのですが、
このときレナードは
そうじゃない。違う違う。
と言って、考えあぐねている皆を前に
これが答えだ。と実際に見せてくれたのです。
彼はそう言って
瞬時に深いプレゼンスに入りました。
それはわかったのだけれど、
それの何が隻手音声なのか、
私にはよくわかりませんでした。
それもそのはずです。
当時の私には、静寂の音は
聞こえていなかったから。
あのときの答えが、
十数年の時を経て、
やっとわかりました。
公案の答えを実際に目の前で
教えてもらえるなんて、
何と恵まれたことでしょう。
けれど、
答えを与えられたとしても、
それを受け取る器が無ければ、
その恩寵はその者の中で機能しない
という、まさにこれが実例です。
私が本当に生きたかったのは、
この静寂の世界なのでした。
ここが、私の故郷だ。
ここに帰りたい。
そう心から思いました。
レナードは、昔から
プレゼンスこそが人間の故郷なのだ
ということを繰り返し言っています。
頭ではわかっていたけれど、
やっと彼の言葉の意味が
理解できました。
そして彼は、プレゼンスが
人生の最優先事項でなければ、
目覚めることはできない、
と常々言っていましたが、
今ならそれもわかります。
目覚めや悟りを求める多くの人は、
この人生をより良く生きるため、
これまでの人生の延長線上で、
それらを手段として見ています。
けれど、プレゼンスは
いかなる目的の手段にも
なり得ないのです。
プレゼンスは徹底的に在るのみであり、
目的も手段も、それはマインド領域のもの
でしょう。
そもそも、成立するはずがない。
プレゼンスに在ることで、
人生は確かに良くなっていく
かもしれないけれど、
そうすればお金が入って来るとか、
思うように生きられるとか、
愛する人に愛されるとか、
だからプレゼンスに居よう、では
定着できないのです。
それら繰り返し後ろ髪を引き、
不安を掻き立て、元の世界に
引き戻そうとするあらゆる誘惑を
越えていく試練があるのでした。
本当に、命をかけて、
人生をかけての試練です。
そう思うと、
これまで築き上げてきた人生というのは、
すべて虚構であり、
プレゼンスの世界に帰還するということは、
虚構全てを置いて、真に生きる世界に
移住するくらいのことなのでした。
今まで私は、
これまでの人生の延長線上に
それがあるのだと思っていましたが、
全然違いました。
レナードの教えの言葉が、
あれもこれもと、腑に落ちてきます。
ここまで、
たったの十余年で来られて良かった。
有難い。有難い。
導きと恩寵に心から感謝（-人-）