感情解放のワークと言うと、
結構色々実践されてきている
方も多くて、
けれどもうまく行かないとか、
よくわからないという方、
割といらっしゃいます。
本で読んでも、それだけだと
なかなかピンと来ないものですが、
自身の感情を解放していく、
自分に向き合っていくというのは、
私のお伝えしているワークでは、
基本、自分が自分自身に帰っていく
プロセスそのものを言います。
どういうことかというと、
本当のところ、自分は何を感じ、
どう思っていたんだろう?
という真実を、在るがままに認識し、
感じ、表現していくことです。
私たちは、大抵、
自分が感じている通りを
受け取ることは少なくて、
本当は怒っているのに
ニコニコして何でもない風を
装ったり、
本当は悲しくて淋しくて仕方がないのに、
怒り狂って誰も寄せ付けないような
態度を取ることもあります。
そんな風に感じてはいけない、
そんな風に言ってもいけない、
こう在るべきだ、
こんなのはいけない、
いい子にしていなくちゃ、
紳士的であろう、
等々、様々な事情から、
私たちは、その事情に都合の良い
自分を「演じる」ようになっています。
そうして、
自身の真実から遠く遠く離れていく。
ついには、
真実を感じる感覚も閉ざして、
何も感じないようにしていた方が
演じる分には都合が良いので、
感じる回路も切ってしまうことも。
そうして、
私たちは自分を見失い、
本当のところ、何を感じ、
何を思い、何を願っていたのか、
さっぱりわからなくなってしまうのです。
だから、
このプロセスを逆回転させて、
失われた自分を取り戻していくんですね。
まずは、心と体を繋ぎ直すために、
私のワークでは体感覚を重視します。
なぜかというと、いきなり
感情を感じましょうと言っても、
抑圧に抑圧を重ねて何も感じなくなっている
状態では、感情を捉えること自体が
難しいからです。
まずは、微かに
リラックスしている時と、
何か嫌なことがあった時の
体感覚の違いを捉えることから始めます。
その変化、反応のあった体の部位に、
未完了の感情のエネルギー(カケラ君)が
居るのだと捉えて、それに対処
していくわけです。
そうやって、明確に
「対処すべき対象」を捉えることで、
漠然と感情についてグルグルと考える、
ということを回避しているのです。
感情のエネルギーは、
いくらそれについて考え、
きれいなラベルを貼って整理整頓
したとしても、それでは完了しません。
感情は、それを本当に感じ、
生きるのでない限りは
何度でも再浮上してくるんですね。
体感覚にじっと意識を向けて
深く命の呼吸を送り続けることで、
その感覚が落ち着いてくることもあるし、
さらに不快な感覚や感情が
さわさわと浮上してくることも
あります。
焦りや不安、イライラなど、
浮上してくるのは不快でしょうが、
それこそが、受け止めるべき感情の
氷山のほんの一角だったりします。
ワーク初心者は、このあたりで
意識がそこに留まっていられなくて、
掘り下がらない、訳が分からない、
気が付くと寝ている、
違うことを考えているといった
逃避状態になってしまいます。
セッションで誘導されていると、
この辺りが軌道修正されて、
その抵抗にも対処されるので、
自分でやるよりもより深く
掘り下がっていく
というのはあると思います。
体感覚から離れずにいるというのは、
こういう不快な感情の感覚に
一つ一つ気付いて、受け止めていく
ときのアンカー(錨)の役割を
果たすんですね。
こうやって、
不快な感情でもつるっと逃げずに、
どうにか少しずつでも
自分に留まっていられる
ようになります。
実際に、心と体の繋がりが
回復、調整され、エネルギー的な
不調和も少しずつ改善していきます。
そうして初めて、
自分を辛い状況の中に一人で
置いてけぼりにしないで、
自分に寄り添えるようになるのです。
感情解放のワークでは、
まずはこうした不快感を感じても
自分から離れずにいられることが
基本のキになります。
セルフワークを積む方は、
ここをしっかりと抑えておくと、
より奥深く、詳細なレベルの
自身の感情に気づき、受け止められる
ようになるでしょう。
自分を知るというのは、
一朝一夕に奇跡のようなことが起こって
解放されて、夢のような自分になれる、
というわけではないということ、
覚えておいてください。