セッションで様々な方のリーディング
をさせて頂くと、何気ないその方の態度や
在り方の奥に実に、様々なストーリーが
見えてきて、
切なくなったり、ほっこりしたり、
人間という存在の奥深さに触れることが
私自身の心の滋養になっています。
どうしてそこまでできるのか、
と傍から見ていても頭が下がるような
慈悲の行いの奥に、
絶望と悲しみの昇華と、不退転の決意を
見ることもあるし、
眉をひそめるような忌まわしい行いの奥に、
狂おしい狂気や混乱、深く傷ついた
心を見ることもあります。
ものすごく不器用で深い葛藤を抱えている
人の心には、強い決意とともに封じた
輝く才能を見ることも。
どんな人も、表面的に見えている
部分だけじゃないんですよね。
本人が意識して見せないようにしている
ところもあるけれど、
本人も思い出すこともないような、
奥深い領域に眠っている因果の種が、
厳然と今に繋がって生きているのは
紛れもない事実です。
そういう因果の種が、
人生のあるポイントで重要な意味を持って
クローズアップされるときがあり、
隠されていた自身の一部を知ることが
眠っていた自身のある領域の要素を
開いて行く流れに繋がっていく
こともあります。
過去は終わったこと、何を今さら
そんなものを知ったところで
何の意味もない、という方もありますが、
過去ではないんですね。
今この瞬間の意識の深い深い領域が
開いて行くときに、そういう因果が
自ずから開かれていくことがあるのです。
だから、本当に今を生きるなら、
そういうものと向き合わざるを得ない
ところがあると私は思っています。
とは言え、何でもかんでも
いわゆる過去世のストーリー等に引っかけて
自分を納得させる材料に使うのは
どうかと思いますが、
自身の奥深いところから差し出されたものに
謙虚に向き合い、応答する姿勢から
得るものは、とても意義深いものがある
と思います。
たとえば、
なかなか自分の願う方向での仕事が
うまく行かず、才能も発揮されていない
ようなとき、
しばしばその才能を使うことへの
ブレーキを持っている人がいます。
掘り下げていくと、別の人生で
その才能故に辛い目に遭ったとか、
力を誤用したとか、失敗の記憶などが
出てくることもあります。
そんな場合、
なぜそんな辛い結末に至ったのか、
力を誤用してしまったのはなぜか、
失敗の要因は何だったのかを振り返り、
リカバリーすることで、
そのブレーキがするっと外れ、
のびのびと才能を発揮できるように
なっていったりするんですね。
起こった出来事だけを見ていては、
単なる被害者だったり愚か者の一言で
終わってしまうかもしれませんが、
もっと深く因果を見ていくことで、
自分にどんな弱さや脆さなどの傾向が
あるのかが見えてきます。
そしてそうした要素はほぼ間違いなく、
今のこの人生にも引き継がれて、
同じ理由から同じような失敗を
繰り返しているでしょう。
その要素を明確に知り、対処して行くことで
今表現できる自身の可能性が大きく
広がっていくわけです。
だから、今この瞬間の自分を
深く深く知ることが、
とても大切です。
そして、自分を知ることは、
自分以外の人間を知ることや、
この世界、宇宙を知ることにも通じます。
探究すべきものが何もない、
ということはありません。
それは単に盲目か、怠惰なだけです。
見るべきものを見られる感性、
目を磨くこと。
聞くべき呼びかけを聞ける姿勢、
意識で居ること。
純粋に感じる心の鏡を磨くこと。
導きは、常にともに在ります。
見えない、聞こえない、
感じられなかったとしても、
見えないこと、聞こえていないこと、
感じられていないことがわかるわけです。
そして、固く詰まったハートの感覚、
凍り付いたように無感動な心、
ざわつき、イラつき、焦り、怒り、
言い表し難い不快感が感じられたり
するとき、既にそれが入り口なのです。
心地良いばかりが導きとは限りません。
自分を守るために退避することがあっても、
自分自身からは逃げないように。
そうすれば、正しい道を歩めます。
苦しくとも、恩寵がともに在ることが
自分でわかるでしょう。
自分でそれがわかる感性を磨けると良いですね。
道を歩むすべての魂に恩寵を。