人によってものごとの受け取り方は様々で、
良かれと思ってしたことが、
思わぬトラブルの元になる、
なんてこともあったりします。
悪気はないのですから、
そういうことが起こってしまうのも、
避けようもない必然の出来事
なのかもしれませんが、
起こることから何を読み取り、
どう生かすかに意識を向けることで、
理不尽な出来事に翻弄される不運
という受け取り方だけでなく、
より深い人生のメッセージに
魂の深いところから、
しみじみ何かを得て糧にするという
選択も、あるのではないかと思います。
自分としては全く悪意はないけれど、
他の多くの人から見たら、
とんでもなく非常識でひどい振舞い
の可能性もあるし、
それまでの自分の見方では
大きくかけている部分があって、
配慮が足りなかったのかもしれません。
あるいは、それほど常識的にも
外れてはいなかったし、
多くの人が見てもそれは不運だった
と見えたとしても、
相手の反応の中に、
実は自分が固く封印してきた
ある側面がくっきりと映し出されている
ことに気づくように、という魂の
メッセージだったのかもしれません。
様々な角度から検証してみて、
本当に受け取るべき何かを
そこから受け取ったときは、
自分自身の深いところで、
あぁ、そうだったのか、と
理屈を越えてわかるものがあるでしょう。
自分の認識するものには
必ず歪みがあり、欠けがあります。
完璧にフラットで全部把握できている
ということはありません。
完全ではない認識が
良いとか悪いとかではなく、
そういう視野を持ちながら、
自分はどう生きるか、なのだろうな
と思います。
歪んでいても、欠けていても、
幸せに生きることはできるだろうし、
幸せだから絶対的に良い、
というものでもないのかもしれません。
今の自分というのは、
過去、いかに生きてきたのかの結果であり、
未来への起点でもあります。
今をいかに在るかで、
過去も未来も、いかようにも変わる
と私は思っているのですが、
だからこそ、過去に固執することもないし、
固定されたように見える未来も
恐れることはないのだと思っています。
過去、自分が世界に放っていたものを
今ここで引き受けるほどに、
自分という存在の様々なレイヤーが
ぴったりと収束していきます。
誰かのせい、何かのせいに責任転嫁し、
見ないふりをし、無かったことにし、
切り捨て、逃げてきたものの数々。
あれは自分ではない、と
受け入れ難かった姿を認め、
自分に取り戻すことは、
絶望と堕落に見えて、
実はその反対だったのです。
憎しみと孤独と絶望と
心身を苛むあらゆる苦痛の中で
味わったもの、見たすべての醜悪さは、
紛れもなく自分に端を発し、
自分が作り出したもの。
批難する筋合いのものでも、
責める必要のあるものでも、
呪われるべきものでもないのです。
にもかかわらず、
私はどれだけ非難し、責め、
呪って来たでしょうか。
今、私の魂の歩んできた
全ての時空間において放ったこれらを、
引き受け、回収しようと思います。
そうして、
不当に得たものすべてを
在るべきところ、本来の持ち主に
お返しします。
自分が本来受けるべきだったもの
すべてを、引き受けます。
不当に介入させた、
あらゆる歪んだ力を排除し、
ただシンプルに自分に起こることを
起こるように許します。
人は、自分の身に降りかかって欲しくない
出来事を恐れ、逃れようとするあまり、
どれだけのものを歪め、混乱させ、
余計に悶え苦しんできたのでしょう。
信じられないくらいに常軌を逸したことを
しでかしてしまうのも厭わず、
我を忘れて狂気に没入していきます。
恐れはなぜ起こるのか。
ここまで考察してみて、
何となくわかったことがありました。
それは、分離から起こるもの。
恐れとは、自分ではないものが
自分に襲い掛かってくる幻想なのだと。
自分でありもしない恐怖を作り出して、
怯え、狂っている。
長いこと恐れに恐怖し、
いかにこれを克服するかと試行錯誤
してきましたが、
全ては自分なのだという
幾度も聞いてきた概念が
本当に腑に落ち、理解できてくるとともに、
答えがやってきました。
誰かが、何かが自分を襲ってくるのではない。
それを本当に知る前に、
自分が放ってきたものを回収し、
引き受ける段階があるのですね。
頭で知っているのと、
本当に頭ではないところで
理解しているのは別のこと。
さらに、自分が果たすべきものを
引き受けて行こうと思いました。