目の覚めるような、
強烈な光を求める人は多いですが、
そうであるなら、その強烈さと
同じくらいの深い闇も、
マスターしなければならない、
と常々思っています。
そうでないと、
強烈な反作用で、光の反対の
自身の内の闇の要素に飲み込まれ、
必ずバランスを失うからです。
けれども、
闇を拒絶して光を求める人は、
とても多いですね。
まるで、あってはならぬもの、
タブーであるかのように、
闇の側面を切り捨て、抑圧します。
見ていて、とても危なっかしいな、
と思うのですが、本人は一生懸命、
ポジティブであろうとして
疲れ果てているようにも見えます。
まぁ、そんなことを指摘されても、
受け入れがたい人は、
ますますポジティブであろうと頑張って、
疲れ果てた自分さえも
否定するのでしょうけれど。
そもそも、なぜそういう人たちは
自身の闇を否定するのでしょうか。
堕落した自分だから、
横暴で傲慢で、周囲に迷惑をかけるから、
そんな自分では愛されない、
受け入れられない、生きて行けないから、
自分が生きていること自体罪だから、
などなど、断罪する理由は様々です。
けれども、私から見るとその否定も、
そういう自分をどう扱って良いかわからない、
辛い目に遭うのはこりごりだから、
無きものにしないと幸せになれない、
と「恐れている」せいではないでしょうか。
恐れているものに蓋をしたところで、
根本的にそれが消えるわけでもなく、
抑圧されたその要素はますます
凶暴になって、牙を剥いてきます。
自分自身のまずい扱いによって、
凶暴なモンスターに育てているということに
気づく人はあまりいません。
きちんとした扱いがわからないから
恐れているのだとしたら、
きちんと扱える自分になれば
恐れる必要はありませんし、
凶暴なモンスターを育てることも
ないでしょう。
誰だって、邪険にされれば傷つくし、
心が荒み、優しくはなれません。
その傷を誰が癒す責任があるのかと言えば、
それはまさに自分自身です。
自分しかその痛みを和らげ、癒すことは
できないのです。
ということは、自分がその要素を恐れ、
忌避し続ける限り、いかに蓋をしようと
その痛みは根本的に、消えはしないのです。
感情解放のセッションでは、
こういう痛みをたくさんお迎えに行って、
救出（統合）作業をしますが、
それをどうやって癒したら良いのか、
実は私が知っているわけではないんですね。
というのは、その傷自身が、
どうやったら癒えていくのかを
教えてくれるので、私はそれを聞いて、
誘導していくだけだからです。
まぁ、有効な答えを引き出していく
インタビュワーとしての能力は
必要かもしれませんけれどね。
真摯に聞く姿勢を整えて、
本当はどんな気持ちだったの？
本当は、どうして欲しかったんだろう？
あるいは、どうして欲しくなかったんだろう？
飲み込んでいた言葉や叫びはなかった？
泣きたいように、泣けていただろうか？
本当は、誰にそれを分かって欲しかったんだろう？
何を、ずっと我慢してきたんだろう？
こんなことを、固～く閉ざしてしまった
闇と思える自分の一部に聞いていきます。
みな、故なくそんな風になった
わけではないんですね。
それなりに言い分があるし、
事情があります。
筋の通らない思い違いに
がっちり雁字搦めになっている
こともあるので、
その辺も、通すべき筋がどこなのか、
認識の軌道修正を行うことも
ありますし、
本人が気づきたくなかった
依存心や責任転嫁、ズルさなどに
直面していただくこともあります。
こういうものに直面しないで、
それを闇だ！悪だ！と断罪して、
表面だけきれいに取り繕っている方が
よっぽどひどいし、嘘だと私は思いますが、
あなたはどう思われますか？
自分の中の闇を認め、受け入れたら
自分が堕落し、悪に染まってしまう
と思うのは幻想です。
受け入れられない方が、堕落なのです。
全てが自分なのに、
苦しい感情の正しい扱い方を知らぬが故に、
善悪を見て、自分を切り刻むのは、
もう終わりです。
自分を丸ごと生きる喜びを
取り戻していきましょう。