セッションでクライアントさんの
意識を読みながら、どれだけその方が
向き合う態勢になっているか、
というのをよく見ているのですが、
本人の思っている状態と、
実際の状態が大きくズレている、
というケースが結構あります。
自分ではやる気満々のつもりでも、
まるっきり腰が引けているとか、
明後日の方向を見ているとか、
何に向き合うのかというそもそもの
ところがぼんやりして掴めていないとか。
まぁ、色々なケースがあります。
認識と実際がズレているというところに
また自身の在り様を知るための
カギがあるので、そこを掘り下げて
行くことになるのですが、
少しポイントに誘導しただけで、
あぁこんなにも自分は逃げてたんですね、
と気づく方もあれば、
相当にあれこれやって、誘導しても、
なお見えない人もいます。
そこがなかなかに難しいところだな、
と思うのですが、如何に目の前に
明らかに見せようとも、
見たくない人に見せることは
非常に困難です。
わからない、と言ってしまえば
それまでだからです。
けれども、今見えなくても、
本当に知りたいのであれば、
自分なりに試行錯誤するべき
だろうとは思います。
なぜ見るべきものが見えないのか、
触れるはずのものに触れられないのか、
自分のどんな要素がそういう状態に
させているのか。
真摯に、真っすぐに問うことです。
自分が本当に誠実に、正直に
向き合っているのかどうか、
逃げていないと言い切れるのか。
その言葉を吐くときに、
その声に真実の響きはあるのか。
逃げながら、
自身の真実に触れることは
不可能です。
それに触れられる在り方を
今この瞬間の自分はしているのかどうか、
わかるようなセンスを持つには、
ひたすら自分に誠実で正直で在る
しかありません。
すなわちそれは、自分に嘘をつけば、
わかるような在り方です。
世の中には、
息を吐くように嘘をつける人がいて、
そういう人は、自分の内側が
分離しています。
そうしないと、
嘘をつくことに耐えられないのですね。
自身の真実から自分を断ち切って
分離させ、痛みや違和感、あらゆる不快感
の感覚を感じないように麻痺させます。
そうやって、ようやくその状態に
なれるのですが、それでは、
自分を生きている感覚はないでしょうし、
人生の迷子になりますね。
その状態で生きていると、
本当に困難な人生になる方もあれば、
持って生まれた地運がとても強くて、
さほど違和感も感じず、これといった
苦労もしないである程度まで
やっていける人もいます。
そこはその人の人生のプログラム次第
なのですが、
いずれにせよ、人生はそういう状態を
そのまま許していくわけではなく、
遅かれ早かれ、その分離を統合するように、
という方向の働きが起こります。
今生で、その統合自体が
生涯のテーマになる人もいれば、
そこはさっさと統合して、
その後の自身の真実の追究を
深めていく人もいて、
あるいは、今生はひたすら
分離した自分を経験すること自体が
テーマの人もあり、
それらのどれが優れていて
どれが劣った人生だとかいうのではなく、
ただ、そういう体験をそれぞれに
極めたい、というのが魂の欲求
なのだと思います。
そういう、長い長い魂の歩みの中で、
分離し、自身を見失った私たちは、
再び自身の内なる神に出会う
旅の途上にあります。
神は、片時も私たちを離れることは
ありませんが、私たちはしばしば
自身を、神を見失います。
この人生を歩む個としての自分にとって、
内なる神を感じられているのかどうか、
というところが重要で、
頭でいかに概念の神やハイヤーセルフが
常にともに在るのだと言ったところで、
それはどれだけ意味のある言葉
なのだろうかと思います。
それを感じられない自分で在るのなら、
とことんその自分を追究しないで、
何がわかると言うのでしょう。
耳触りの良い言葉でわかった風になるのは、
眠りこけて歩みを止めるのと同じだと
私は思います。
内なる神はリアルです。
概念ではありません。
一人一人が、己の内の神に
出会うべきです。
そこに、何者をも介在させずに、
直に触れるんですね。
そういう体験を通して、
命や、人生の意味合いが変わっていきます。
さて、あなたは自身の内なる神に
出会う準備はできているでしょうか。
あなたの歩みに、祝福を。