現実的に色々な出来事が重なって、
肉体的にも精神的にもいっぱいいっぱい
になっているとき、自分を取り戻すのは
なかなかなことだと思います。
でも、そのいっぱいいっぱいの中身の
大部分は、実は自分で煽って
負荷を大きくしているということも
あるんですよね。
自分で煽り立ててモンスターに
しなければ、実は引き受けるべき重荷の
正味は、どうにか自分が引き受けられる
ものであったりもします。
今日は、現実のものごとを
煽り立ててモンスターにしない方法の
ヒントについて書いてみます。
切羽詰まった状況にある方、
どうしようもなく現実に希望が
持てない方、混乱してしまって
なかなか自分に戻ってこれないという方
に向けて、何か一つでも助けになる
ものがあれば、と思います。
まず、肉体的に追い詰められていると
心の力を正常に使うことが難しいので
休めることが出来るなら、
あらゆる方法を使って体を休めること。
それができないのなら、
今の状況の中でできることを
するしかないので、まずはその状況を
引き受ける覚悟をすること。
それから、現実をことさらに
重く深刻にしてしまう思考がわんさか
駆け巡っているでしょうけれど、
そのような思考が駆け巡っているとき
というのは、不快な感情のエネルギーが
噴き出している時です。
その感情から逃れたくて、
あれこれ考えて、思考のエネルギーが
暴走して止められなくなっているわけです。
そういう状態でいると、
まず体が置いてけぼりになっています。
心と体が分離して、
エネルギーが頭に上って
空回りしているのです。
だから止められなくなっているんですね。
これを収めていくには、
体の感覚に意識を向けて、
深く呼吸をしていきます。
不安や怒り、恐れ、悲しみなど
不快な感情を感じるのは気持ち悪い
かもしれませんが、
原因となった出来事を思い返してみて、
噴き出してくる感情を捉えてみましょう。
そのとき、必ず体でも何かしら、
不快な感覚があるでしょう。
それを捉えて、深い呼吸をしながら
じ～っと感じていきます。
うまく体感覚のある感情のエネルギーに
呼吸が通ると、気持ちも落ち着いてきて、
心と体の分離が解消されて、
自分に戻ってくることが出来ます。
完全には不快な感覚は消えないかも
しれませんが、前後不覚になったような
自分を見失った感じからは
脱出できるでしょう。
その状態で、目の前の現実の
やるべきことがあるのなら、
粛々と進めていきましょう。
マインドは、またすぐに
不安や恐れなどをかきたてるかも
しれませんが、
感情に飲み込まれて空回りしないためには、
体とともに在ることを忘れないように。
体の感覚は、アンカー（錨）なんですね。
自分を見失った人は、
とにかく何かすがれるものに
すがりつきたくなります。
それが、まともなものや人だったら良いのですが、
とかく、そういう時に掴んでしまうのは
よからぬものが多いので、
よくよく気を付けないといけませんね。
助かりたいからと言って、
何でも掴めるものを掴めば良い
というものではありません。
溺れているのに藁を掴んだところで
何になるでしょう。
溺れている時ほど、
溺れている自分を引き受ける覚悟が大事かな、
と思います。
つまり、外側に向けている意識を、
自分自身に引き戻すわけです。
これがなかなか、できないんですよね。
でも、できたら大したものです。
だからこそ、
日々の修練は、こういうことが出来るように
なるようにするものだろうと思います。
ギリギリの精神状態のときに、
自分がどこまで踏みとどまれるのか。
人生でそんなときはそうそうない
と思うので、そういうときこそ、
絶好のチャレンジの機会！と
人生ゲームを遊ぶつもりでいると、
ちょっと気が楽になるかもしれません。
深刻になりすぎないことも、
ポイントかな。
人間、追いつめられると
ものすごく視野が狭くなってしまうので、
そうするしかないとか、この人しかいない
とか思ってしまいがちですが、
逆に、よからぬ存在たちはそういうところを
利用して、追い詰められた人間の視野を狭めて
自分たちの都合の良い一点に誘導していく
ということも覚えておかれると
良いでしょう。
外的要因、内的要因、色々ありますが、
参考になれば幸いです。