どうして自分を見失ったのか

見失った自分自身を取り戻す、
と一口に言っても、
人それぞれの歩みがあるな、
といつも思うのですが、

どうして自分を見失ったのかを知るには、
今在るこの状態から、自分が来た道のりを
逆にたどっていきます。

そして、
他者からされたことの影響を解消し、
傷を癒して自分で選んだ在り方を、
もう一度選択し直すということをします。

今現在が何かしらうまく行っていない、
つまり、エラーが出ているということは、
エラーの上に正常のシールを貼ればいい
わけではありません。

エラー自体を修正して、
必然的に正しい状態になるように
整えてあげるのですが、
そのエラーとは一体何なのか。

ものすごくショックな出来事で、
深く心が傷ついているのかもしれないし、

様々な理由から、自分の感覚を歪め、
閉ざし、或いは麻痺させるような
プログラムを入れているのかもしれません。

いずれにせよ、エラーがあると、
それ以後の自分は、そのエラーを
庇うようにバランスを取ろうとするので、
何かしらの歪みを生じることになります。

エラーが重なれば重なるほど、
歪みは何重にも重ねられ、
果ては、自分自身が全く分からなく
なってしまうのです。

苦しいのは、歪みに歪んだ
本来の在り方とは程遠い無理な状態
故の苦しみなのです。

だから、それを回復させていくのも、
エラーを修正し、歪みを戻して、
また現れてくるエラーを修正、
歪みを戻す、という風に、

時計の針を逆回転させるような
プロセスを辿っていきます。

そのように聞くと、それはとても面倒で、
気が遠くなる苦しい作業のように
思うかもしれませんが、

実際は、一足ごとに自分が癒され、
復活していく喜びに満ちています。

そして、自分で自分を否定し、
切り捨ててくるしかなかったその自分を
赦し、慈しみ、抱きしめていく歩みなのです。

それはとても愛と祝福に満ちた
プロセスです。

日毎に麻痺していた感覚がよみがえり、
痛みが癒え、自分を生きているという
実感が湧いてくるというのは、
なんと幸せなことでしょう。

自分を知る、というのは
癒しの始まりでもあります。

自分で認めず、否定していたり、
見ないようにしていたことを
ちゃんと見て、

自分はこんな気持ちでいたんだとか、
だからこんな風にしていたんだとか、
理解するだけでも、心はどんどん
緩んでいきます。

そういうプロセスの中で、
統合が進んでいくんですね。

もう、これは自分ではないとか、
どこか別の世界で起こっていること
だということにしなくても大丈夫。

今ここで、自分が自身の人生を
生きているという状態になるのが
統合された状態です。

様々な方をリーディングしていて
たまに、自分の感情や感覚を
ブロックするようなプログラムを
入れている方を見かけるのですが、

確かにそういうものがあると
辛い感情や感覚を感じないで
済むようになるので、一見、
生きやすくなっているように
思えます。

けれど、
元の感情や感覚のエネルギー自体が
解消されているわけではないので、
そのひずみはどこかに出てきます。

そうしたプログラムはどこで
入るのかというと、今の時代では
とあるトラウマ解消を目的とした
セラピーで入れられる（入れる）
こともあるし、

今生ではなく、別の人生で
それと似たような手法の操作をされて
入ることもあります。

或いは、
神様や魔物のようなダークサイドの存在
との契約によって入れてもらう
というパターンもありますね。

いずれにせよ、
元の感情や感覚のエネルギーに
蓋をしただけでは、単に分離しただけなので
統合したときのようにはならないのです。

人によっては、こういうプログラムを
無数に重ねて入れている方もあって、
そうなると、その人はもはや
自分が何を感じているのかもわからず、
ハートの声にもつながることはできません。

けれど、どんなに本来の自分からは
かけ離れた状態になろうと、
帰っていく道はあるのです。

自分がそれを望みさえすれば、
ですけれどね。