この世の中には様々な人がいて、
目の覚めるような美しい容姿の人もいれば
否応なく人の嫌悪感を引き出すような
姿の人もいて、
また、ものすごくタフな体を持っている
人もいれば、ちょっとの環境の変化でも
ダメージを受けてしまうような
繊細な体の人もいます。
逆境をバネに飛躍していく人もいれば、
強いストレスに耐えきれずに
精神のバランスを容易く崩してしまう
人もいます。
様々な背景を背負って、この体、この心で
この人間人生を生きているわけですが、
その条件であるからこそ生み出される
体験があります。
努力で克服できる設定もありますが、
持てるその条件ではどうやっても
クリアできない設定もありますね。
そう言う設定の中で、
自分ではどうにもできない状況に
ぶち当たることでしか味わうことのできない
深い感情や様々に湧き上がる思いを
私たちは体験しようとしているのでしょう。
うまく行くことばかりが良いわけでもなく、
人間目線で見たら決して良いとは言えない
悶え苦しむような体験も、
魂がそれを必要としているときもあります。
たとえば、
自分がそれまで作り上げ、
強固に固めてしまった殻が次の段階に
進む妨げになっているようなとき、
自分でその殻を壊していければ良いのですが、
自分ではどうしてもそれができないでいると、
魂は完膚なきまでにそれを壊してくれる
ような出来事を私たちに通過させたりします。
安っぽいプライドや、ゴリゴリに固まった
恐怖感、なりふり構わぬ執着や依存、
傲慢さや責任転嫁、逃避癖などなど。
直視するには辛すぎる自身の姿を
逃げようもないほどに突き付けられる
わけですね。
起こってくる出来事は、
強すぎもせず弱すぎもせず、
そのときの自分が気づくために
最適の強度でやってきます。
相当に眠りが深く、凝り固まっている
ようなときは、本当にこれ以上だったら
死んでしまうくらいのギリギリの
ショックを与えるでしょうし、
これ以上弱かったら我慢したり
誤魔化したりして終わってしまうけれど、
ギリギリそういうことが出来ない程度の
動かざるを得ないレベルの出来事が
起こるのです。
そう言う事例をいくつも見ていると、
なるほど、宇宙の計らいというのは
寸分の狂いもなく、なんと精密なのだろう！
と感嘆するばかりです。
だから、起こった出来事に対して後から、
あの時あぁすればこんなことにならなかった、
こうしておけば良かったなどと後悔するのは
無駄ですね。
なぜなら、まさにその体験したくもないことを
体験するために自分で起こしているわけですから、
起こってしまったことは謹んで受け取り、
自身の気づきと成長の糧にする以外、
選択肢はありません。
それなのに、後悔にエネルギーを注いで
本当に自分を顧みない態度は、
全く自身の成長に背を向けた
逃避行為だと思います。
自分に深く向き合い、
今の自分の在り方を転換していく
糧にするには、まずは今自分が
どんな在り様をしているのかを
知らなければなりません。
空回りしている多くの人が
犯している過ちは、現状の自分を
受け止めることをしないまま、
否定して別の自分になろうと努力
していることです。
その時必要なのは、受け入れがたい自分を
理想の姿に変えて受け入れよう
とすることではなく、
そのままの自分を在るがままに受け止め、
祝福することなのです。
在るがままの自分を
受け入れることが出来ない人は、
条件付きの愛のレベルに
自分を縛り付けることになります。
すなわち、何かが出来たら、
容姿が美しかったら認められる、
愛される、受け入れられるという、
本来はそんな条件とは無縁のはずの愛に
自らそれを受け取るための条件を
設定して、それに縛られるのです。
その条件が無意識レベルで、
人生の様々な領域に繰り返し
現れるでしょう。
鏡の法則もそこに働くので、
自分が条件付きで自分を愛するのなら、
誰かも条件付きで自分を愛するでしょう。
そう言う体験をしながら、
その人は無条件で在るがままの自分を
愛してほしいと、無条件の愛を
渇望する人生を送っていたりします。
本当にそれを望むのなら、
まずは自分が自身を条件付きでしか
愛していないことを知ることです。
そのことがわからなければ、
本当に自身の在り方を転換することは
難しいでしょう。
自分ではどうしようもない状況を
体験するのは、そんな状況の中でも
自分を信頼し、愛することを
学ぶためなのかもしれません。