色々ある人生、どんなに努力しても、
なるようにしかならないときがあります。
頭でっかちに生きていると、
世間体とかこうでなければならないという
自分の心身と魂の自然な流れとは違った
価値観や枠組みに自分をねじ込もうと
頑張ってしまったりするのですが、
そうなると、どんどん
深いところから来る導きや
精妙なリズムからはズレていきます。
そしてますますうまく歯車が
かみ合わない状態になって空回りし、
混乱の中で自分を見失っていくのです。
そういう状態では、正常なポジションに
自分を戻そうとしても、戻す基準自体を
見失っているので、もがけばもがくほどに
ドツボにはまっていきます。
自分の頭でどうにかできる状態では
無かったりするんですね。
だとするならば、
頭でもがくのをすべて停止して、
もっと別の大きな力に委ねるのが
良いように思います。
解き放たれた水が地形に合わせて
流れるように流れていくように、
この宇宙の隅々にまで働く力に
お任せしてみるんですね。
頭でガチガチにコントロールする
生き方を長年してきていると、
通常の状態ではなかなか
コントロールを止めることは
難しいですが、
もうどうにもならん！という状態であれば
そうせざるを得なくて強制的に
サレンダー（降参）させられます。
そのときに、人はやっと、
これまでの行動パターンの呪縛から
解き放たれて、別の人生の流れに
シフトしていくのです。
けれども、そこそこコントロールが
出来てしまう状況では、却って
これまでの延長線上の自分に
留まってしまうので、
そう考えると、
どうにもならない状況というのは、
ある意味、恩寵であるな、
と思います。
普段からタイミングの良い人や
運の良い人というのは、
頭ではなく、感覚的に自分の心身で
より大きな力に合わせて行動する
習慣があるのでしょう。
そういう人は、人生の導きや
宇宙の大きな調和の流れから
ズレにくいですね。
常に人生をそんな風に生きていたい
ものですが、私たちは人間ですから、
ときに失うことへの恐れや欲、下心
などによって、その調和の流れに
抗ってしまうことも多々あります。
それがどうにもならなくなると、
私たちは人生に、
自分の力をはるかに越えた
津波のような出来事を起こして
強制的にサレンダーさせるのでしょう。
その荒波に上手に手離していけると
その後もソフトランディングして、
流れもスムーズになります。
サレンダーするために起こっている
出来事なのに、それに抗うから
こじれてしまうわけなので、
荒波に揉まれながら、
その時失うことになるもの、
手離すことになるものこそが、
自分の人生を停滞させていた
原因であったと良く知ることです。
自分から去ろうとしていくものを、
留めないこと。
気持ち良く送り出して、
これまでの恩恵に感謝し、
ともに在った時間を祝福すること。
そして、それが去った後の
自分の人生を安心して受け止め、
新しい自分の人生もまた、
祝福して迎え入れること。
執着が強いほどに、
自分から「奪われた」ことを呪い、
それが去った後の人生を拒絶し、
既に終わった過去の幻影に
自分を縛り付けてしまいます。
すると当然のことながら、
その人の人生の生命力は
弱っていきます。
一見、不幸に思えることも、
最善のことが起こっていると
人生を信頼して受け取り、
自身の最善を尽くして
毎瞬応答していくことです。
こうして考えて見ると、
私たちは自分の人生に出入りするものと
一体化してしまうことで、
うまくその流れを代謝できなく
なってしまうのかな、
と思いました。
自分はそれではない、という
至極当たり前のこと、
頭では十分わかっていることが、
実際は別の意識ではそうでは
なくなっているということが
ものごとを困難にしている
原因なのかもしれません。
だから、たまに
そう言う癒着した意識を切り離す
何かが必要なのでしょうね。
手放すことで、
私たちは自身の人生を更新し、
新たな生命力を迎え入れています。
抱え込むこと、溜め込むことは、
ある意味、死を意味している
と言えるかもしれません。
やってくるもの、去っていくものは
自分ではないということを
よくよく心に留めておきましょう。