セルフワークをしていても
クライアントさんのセッションをしていても、
自尊心の低さがテーマに上がってくることが
結構ありますね。
私自身について言えば、
昔よりは大分マシになったのですが、
何かで褒めていただいたりすると、
昔は全力で否定していたものが、
今では素直に「ありがとう」と受け取って、
その後心の中で、「まだまだだしとか
何とか打ち消そうとする思いを自制する
努力をしている感じです。(^^;
セッションでも、自分はダメなんだ、
という思いを抱えている方は
結構よく見かけるのですが、
そういう人に、
いやいや、あなたはダメじゃないよ、
といくら伝えたとしても、そういう人は
かつての私のように、全力で否定して
いえ、私はダメなんです!と頑として
そのポジションから動こうとはしません。
あるいは、
頭ではわかっているけれど、
どうしてもその思いを拭い去ることが
できないんです、と言います。
確かに、それも良くわかります。
ダメじゃない、ということを受け入れてしまえば
良いというのはその通りなのだけれど、
それにきつくブレーキをかけてしまう
何かがあるんですね。
その何かに、対処しなければなりません。
この「ダメな自分」のテーマを掘り下げていくと、
大体辿り着くのが、周囲の人に受け入れて
もらえるようにとか、嫌われないように、
という恐れを回避しようとする思いです。
そしてさらにそれを掘り下げていくと
現れてくるのが、一人ぼっちになってしまう
恐怖や孤独です。
つまり、ダメな自分で居ると、
周囲から嫌われて愛されず、
一人ぼっちになってしまう。
そういう孤独を味わうのは絶対に嫌だ、
ということで、周囲に気に入られる自分
になるために、自分を徹底的に
矯正しようとするわけですね。
自分が愛されないのは
自分がこんなにダメだからだ。
ダメじゃなくなったら、きっと自分は
愛される、と思っているわけです。
けれど、そのロジック自体が実は
非常に巧妙なすり替えであり、
トリックなのです。
たとえば、自分の容姿が醜いから、
料理が下手だから、話下手だから、
仕事ができないから愛されない
と信じていたとして、
世の中見回せば、
そういう「愛される条件」を満たしていなくても
十分に愛されて幸せな人はたくさんいます。
つまり、自分はダメだ、と思っている
その要因によって、孤独を味わっている
わけではないのです。
ここを指摘すると、大抵の人は
混乱します。
確かにその通りだけれど、
でも、やっぱり愛されないのは
自分がダメだからだ、という信念から
容易に抜け出せないんですね。
それのせいじゃないのだとしたら、
一体どうして自分は愛されないのか。
それはひとえに、
自分が自身を愛していないから、
です。
どれだけ自分を殺して矯正しようとも、
自分が自身を愛していなければ、
鏡の法則を通して、誰かが本当に
あなたを愛してくれることはありません。
周囲の人に愛されるように
自分を作るという他人軸で生きてきた人が
まず自分自身を誰よりも大切にするという
自分軸の在り方に方向転換するために
まず越えなければならないのは
孤独への恐怖です。
そういう人にとって、
自分を大切にすることは、
人から嫌われてしまう恐怖と
がっちり結びついているので、
ここを統合しないと、
自分軸には戻せないんですね。
けれど、耐え難いと思っていた
あの孤独を克服できたとき、
その人は、誰にはばかることなく
存分に自分を大切にし、
絡み合うことなく、他者と自立した
対等の関係性を築くことが
できるようになります。
自分を自分軸で精一杯生きている時、
自分はダメだ、なんて思うことは
ないでしょう。
人それぞれの年齢、立場の中で、
本当の意味で自立して
自分を大事に生きることは、
健全な自尊心を育みます。
自分はダメだっていう強迫観念の呪縛から
解き放たれたい人は、
どんなにダメに見える自分でも、
離れずにいること、
在るがままに受け入れること、
裁かず、責めず、見捨てないこと。
これらを守るように、努力してみましょう。
そして、孤独をはじめ、自分を見捨てるときに
浮上してくる諸々の感情を統合すること。
一度にはできなくても、
そうしていこうと思う気持ちが、
自分を癒し、信頼を育てます。
あなたの人生が、温かな慈しみで
豊に満ちますように。