私のお伝えしている感情解放ワークは、
在り方を身につけるもの、
というお話を良くさせていただきます。
どんな在り方を身につけるのかと言えば、
自分自身への向き合い方についてでしょうか。
どういう風に自分に意識を向けていくのか、
何に着目して気づき、どう対処していくのか、
起こっている出来事から何を読み取り、
応答していくのかなどです。
長くワークに取り組んでいらっしゃる方は、
このワークの世界観から現実に対峙し、
対処する術を身につけていかれている方が
たくさんおられます。
人間、生きていれば何事かが
常に起こってくるわけで、
それに対処できる力を身につけていく、
というのがワークで目指しているところです。
だから、未完了の感情のエネルギーを
解放できた云々は、枝葉のことで、
生涯を通して自分の生きる力を引き出せる
在り方を身につけていく、というのが
主眼になっています。
ワークには様々なメソッドやテクニックが
ありますが、あくまでそれは、
そういう目的を達成するためのツールです。
それを使って、どう自分を知り、
この世界で生かしていくのか、
何を求め、何を達成していくのか
というための道具の一つなのです。
ということは、ツール自体に
何か意味や力があるわけではなくて、
あくまでそれを使う主体の意志が、
ツールに命を吹き込み、
意味合いを決めるわけです。
これ故、本人の意志がなければ、
どれだけ有用なツールであろうと
自分にとって役に立つものにはなりえないし、
明確な意志や願いがあれば、
素晴らしい力を発揮することもあり、
ふらふらぼやぼや使っていれば、
なまくらな効力しか発揮しないのです。
もちろん、ツールには相性があるので
人によって、使いやすいとか馴染まないとか
あるでしょう。
そういう相性の見極めも、
自分に向き合うことの一部ですね。
自分は本当はどういう人間で、
何をしたくて、何をやりたくないのか、
頭でグルグルしていても、
なかなかわかるものではありません。
自分に向き合いながら、
気づきを日常にフィードバックして
行動して、レスポンスを得ることを
繰り返して、表れてくるものがあります。
内観ばかりしていて行動が伴わないのは
本当に自分に向き合っているとは
言えないと思います。
なぜなら、
気づきに応答するところまでを含めてが、
自分に向き合うことだからです。
分かったけれども、行動しないのでは、
結局応答していないわけで、
それでは自分の内も外も、
変わろうはずはありません。
もちろん、気づきによってエネルギー的に
変化するものは確かにあり、それによって
触れずとも変わっていくものはあります。
けれど、
やっぱりそうして変容した自分をもって、
世に問うていく、つまり行動していくことは
大切です。
私は、その人が自身のハートの導きにつながって
それを体現するような在り方、生き方が
出来ているかどうかというところを
セッションではよく見ているのですが、
まずハートの声がちゃんと受け取れるような
状態にあるか、そしてそれに応えられているか、
そういう一連の流れにどこか支障がないかを
チェックします。
頭でっかちで
ハートの声を全然聞けていない人もいるし、
自分を殺し過ぎて、
ハートがこちこちの人もいます。
また、ハートの声は聞けているけれど、
それを表現することは、何かしら
周囲の目を気にして抑圧している人もいるし、
そもそも、根本的に自分が混乱していて
訳が分からなくなっている人もいます。
人それぞれ、様々な要因でハートの導きが
うまく生きられていない状態を
修正していくのですが、
日頃のセルフワークでは、
自身のハートの声をちゃんと
受け取れているかどうかや、
その声に応答しながら生きている時の
感覚を軸にすれば、今自分が何をすれば
いいのか、やるべきことが見えてきます。
教科書や他者の教えなどがないと
何もできない人は、こうして自分で自分を
チェックしていく基準ができていないのかな
という気がします。
本来は誰もが持っているものだし、
自分でそれを放棄したり壊したりしなければ
ごく当たり前にそうしているはずのこと
なのですが、
人生のどこかの段階で、
それを諦めてしまうんでしょうね。
でも、本人が再びそれを取り戻すことを
望むのなら、いつでも復活させることは
可能です。
自分の感覚を信じられて、
それに従って生きるという、
実戦で使用に耐えるくらいのものに
磨き上げていく。
本当はそういうことが、
健全な人生を生きる上で必要不可欠
だと思うのですが、眠っている人が
多いですね。
その眠りをゆさぶり覚ましていく、
そのためにワークを使っていただければ
幸いです。