同情と共感、そして真の強さと優しさについて

同情と共感、似ているようで全く違う
この二つの在り方ですが、
あなたはこの違いがわかるでしょうか?

ちなみに、
私は共感はしますが、同情はしません。

以下に、私の考える両者の定義と違いを
解説してみます。

あの人、可哀そうと思うのは同情で、
可哀そうなのはあくまで自分ではなく
自分以外の誰かのことです。

自分はそうではないけれど、
あの人は可哀そう。

つまりは自分は安全圏にいる状態で
あの人は可哀そうと見ている
分離がそこにはあります。

そして、(無意識に)上から目線で
心動かされたように振舞って
心情的に巻き込まれたような状態で
その自分の心情に陶酔している
こともあります。

このような同情から何か気を遣われたり
サポートを受けたとしても、
受け取った側のニーズには本当のところ
かみ合っておらず、どこか不快感、
重さを感じることが多いです。

一方の共感は、
相手が感じているまさにその辛い感情に
触れていますが、それに巻き込まれずに
受け止めています。

そこに分離も陶酔もありません。

自分は絶対的安全圏にいて
相手を可哀そうと思うようなこともなく、
相手と同じフィールドにいて
寄り添うことが出来ます。

そういう状態で在るとき、
寄り添ってもらえた人は、
受け止めてもらえ、辛い時に
側にいてくれた安堵を感じるのです。

べたべたとかいがいしく世話をしたり、
話しかけてもらわなくても、
ただ黙ってそこにいてくれるだけで、
非常に慰めを感じます。

寄り添っている人は、
相手の辛さを自分の中で感じても、
きちんと受け止め、対処できるので
巻き込まれることがないんですね。

それができるから、相手の中に
その辛さを受け止めて
癒していく力があることを感じ、
それを信頼することが出来るのです。

自分が対処できていないと、
相手の中にあるその力も見て取ることが
できません。

なぜなら、自分の弱さ、無力を
相手に投影して見てしまうからです。

つまり、自分自身の中に
真の力と強さを感じている人は、
他者の中にもそれを投影し、

そのことによって、その人の力を
引き出す助けをしているとも言える
かもしれません。

ということは、
相手を可哀そうと見て同情することは、
相手に弱さの暗示をかけ、被害者にし、
力を奪うことなのかもしれませんね。

もっとうがった見方をすれば、
相手を無力な者として見ることで、
そうではない自分自身に力を感じようと
無意識にしているケースも
あるのではないでしょうか。

これは、優越感のバリエーション
と言えそうです。

常に人より優位な立場にいたい人、
優越感を感じていたい人は、
心の奥底で無力感を感じていると言えます。

試しに、その人に、相手と対等、
もしくは下位のポジションに立つことを
イメージして見てもらえば、
相当に落ち着かない感覚が浮上するはずです。

自分が害されるような恐怖や劣等感、
無力感、屈辱感、無価値感、惨めさなどなど。

対等以下で居ては、これらが瞬時に噴き出すので、
その人はどうしても自分が優位な立場に
立たないと安全に感じられないのです。

けれども、その人の心の内にそうした気持ちが
浮上するのは、相手のせいではありません。

元々、その人の心の中にあったものが、
状況によって引き金を引かれて
出てきただけです。

故に、自分が優位に立たなければ
気が済まない人の心の奥には、
こうした落ち着かない諸々の感情のチャージが
たくさんあるのだと言えます。

同情することを含め、他者を助けることは、
こうした自分で受け止められていない
未完了の感情のチャージを一時、
収められる行為でもあります。

けれどこれは、
一見他者のための行為であるようでいて、
実は自分のための行為に他なりません。

だから、そうした善意の形をした
自慰行為に付き合わされる側は、
どこか不快感を感じるのです。

ある意味、
利用されているわけですからね。

本当に相手のための何かをしたいのなら、
まずは自分の中の未完了の感情を
きちんと受け止め、統合して
対処できる力をつけることです。

そのうえで、相手を見るなら、
心で寄り添い、見守るべき時は見守り、
助けるべき時は手を差し伸べ、
余計なことはしないで的確に
サポートすることが出来ます。

そうでないと、
必ず相手の感情のエネルギーに巻き込まれ、
もろとも、ずるずるとドツボに
はまっていきます。

また逆に、巻き込まれないように、
相手と自分を切り離して居ては、
本当に必要なサポートはできません。

巻き込まれずにそこにいることができる
真の強さを身につけましょう。

そういう存在は、
ただ黙ってそこに在るだけで、
皆を安心させ、鼓舞し、力強く励ます
希望となるでしょう。

そのような強さを身につけた人こそ、
真の優しさを持つ人なのだと私は思います。

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