今日は信仰と自分の人生を生きること
について、思うところを書いてみます。
私自身、インドの神様を礼拝していたり
地元の神社やご縁のある神様の祝詞を
唱えたりすることを日課としているのですが、
自分では信仰というほどの意識もなく、
ただ霊性修養の一環として続けている
感じです。
けれど、それをしていなかった頃と
今を比べると、やはりこういう日課を
していなかった頃より、今の方がずっと
物心両面でとても満たされている
実感はあります。
俗物なので、ご利益もあったらいいな～
とは思いますが、別にあってもなくても
日課を続けることは変わりないでしょうし、
神社に参拝するのも、祭壇に向かうのも、
ただ自分が気持ちが良いので
やっているだけなんですよね。
何となく、守られ、導かれている感じはするし、
安心感があるのです。
それだけでも、十分ご利益は
いただいていると思います。
私はあまり真面目な帰依者ではないので
特定の神格や聖者にのめり込むような
入り方はできないのですが、
信仰というと、極端な依存や束縛になっている
ような印象の方も、たまに見かけます。
特定の教義を守ることと信仰は、
必ずしも一致するものではないと
私は考えているので、ここでは、
宗教と信仰を分けて考えたいのですが、
どんな在り方であれ、
信仰はその人自身の人生を豊かにし、
魂を磨くものであるべきだと
私は思っています。
人生の豊かさや魂を磨くことの定義は
様々あるでしょうけれど、根本的には、
一人一人の魂の内に、どう生きるべきなのか
ということの基準があるはずです。
それが曇ってわからなくなっている
こともあるでしょうし、
その曇りを修養によって除き、磨きながら
さらなるレベルに飛躍していこうとする
渇望もあるでしょう。
微妙なのは、
信仰が変にマインドの中で概念化して
実感を伴わない、現実から遊離した世界を
創造してしまうことで、
そうなると、
色々とおかしな方向に引っ張られて
その人自身や周囲を巻き込んで
魂を高めるどころか、ますます
その反対の方向に向かってしまいます。
そういう話は、枚挙に暇がないほどなので、
改めてここで取り上げるまでもないでしょう。
けれども、そうだからと言って、
信仰が怪しいものだとか、
ろくでもないものだとか
一括りにして遠ざけるのは、
ちょっと違うと思うのですね。
それは、何か自分とは別の存在に
依存することではなく、本質的には、
自分自身の奥深い神秘に触れていくもの
であると私は思っています。
何かの対象を礼拝するのは、
あくまで自分自身を深めるための
サポートやガイドに過ぎないというのが
私の考えです。
自分から逃れて何をしたところで
結局それは逃避でしかなく、
どんなにその信仰対象の力によって
パワフルになったり正しさを手に入れたり
出来たように思えても、そんなものは
借り物でしかないのです。
自分の血肉になるもの、
真に自分自身でないものなど、
腐るか剥がれ落ちていくしかありません。
どれだけ自分でないものをそぎ落とし、
自身の真の力を使えるようになるか。
そのような方向に導くための信仰
でなかったのだとしたら、
つまり、
自身の真の力から分離させ、
偽りの概念、恐れによって制限し、
自分で立てないようになっていく
のだとしたら、
それを何と呼ぼうと、
その人の魂にとっては、
あまり糧にはなっていないどころか、
逆に毒になっているとさえ言える
のではないでしょうか。
偽りの信仰にのめり込むほど
人は盲目になり、傲慢になります。
自分自身の真の力に触れるほどに、
人は自然に謙虚になり、
さらに深く見ようとするようになります。
信仰は、頭で教義を理解するようなもの
ではなく、心と体と魂で実感するものです。
日常から遊離した、別世界のことでもなく、
日常の中のあらゆる瞬間に、
ごく自然にあるものだと思います。
これまで、私は人生の大半を
信仰とは縁なく過ごしてきているのですが、
（今もあまり信仰とは自覚してませんが）、
信仰をスピリチュアル、霊性と
ほぼ同義で私は捉えているかもしれません。
人間にとってそれはあって当然のものであり、
それなくして真に人生を生きることはできないもの
でもあります。
言葉の概念にべたべたと貼り付けられた
様々なイメージ、レッテルはさておいて、
その本質は何なのか、というところに
意識を向けていくことが、特にこの時代、
実はとても大事なんじゃないかという
気がしています。