セッションで掘り下げをして
人の心の構造を読み解いていくと、
大抵の問題の根底にあるのは
無力感や無価値感である、と
以前お伝えしたことがありました。
自分自身で道を切り開いていく、
何かを成し遂げたり生み出したりしていく
力がないと感じているからこそ、
誰かに依存したり搾取したり
取引したりということをするわけです。
何でもかんでも一人でできるように
なるべきだということではありませんが、
健全に自立した精神の下に
互いに助け合うというのではなく、
どこかいびつな不健全さをもって
エネルギーをむしり取ったり
掠め盗っていくのが無力感を
ベースにした関係性の特徴です。
自身の内に埋めようもない不足感、
渇望を持て余して、外部の何かで
埋めようとするわけですね。
そういう関係性でよくあるのが、
いわゆるエネルギーバンパイア
と呼ばれる存在です。
スピリチュアル界隈では
よく言われるワードなので
ご存じの方も多いかもしれません。
エネルギーイーターとか
呼ばれることもありますね。
どういう存在かと言うと、
要は依存傾向が強くて
頼れそう、エネルギーを得られそう
と思える人からエーテルコードを伸ばして
エネルギーを吸い取っていく人
のことを言います。
本人は意識的な場合もあれば、
ほとんどは無意識のうちに
やっていますが、
依存されてエネルギーを奪われた人は、
その人が去った後にはなんだか
異常に疲れていることがよくあります。
あなたの周辺にも、
そんな人の心当たり、ありませんか?
そういう人は、
エネルギーを奪えそうな人を
直感的にかぎ分ける嗅覚が
非常に鋭いんですね。
そして、この人と思う人に
やたらとべったりとまとわりついて
構ってちゃんになります。
そういう人にまとわりつかれると、
エネルギーを奪われるので、
表面的には良い子なんだけどな、
と思っていても、
どういうわけか理屈でもわからない
不快感をどこかで感じて、イライラしたり
怒りを抱えたりするものです。
なんだかわからないけれど、
やたらと不快感を感じるとか、
ずしっとした重さを感じるという場合は、
エネルギーが不当に奪われている
証拠です。
そう考えると、
そのイライラや怒りの原因が
腑に落ちるでしょう。
こういう依存は、
本人も良くないことだとわかっていて
やらないようにしようと思っている
ケースでも、
止めようもなく
エネルギーバンパイアになって
しまっていることもあります。
頭でわかっているだけじゃ、
ダメなんですね。
本当に自分自身の中心から湧き出る
真の力につながっていないと、
相手が自分よりも頼れそう!と見えた瞬間、
ふらふらっと触手を伸ばして
相手に頼りたい衝動を
抑えることができないのです。
自分がエネルギーバンパイアに
なりたくないならば、
内なる力で自分が満ちていないと
いけません。
そしてまた、
そういう存在を引き寄せてしまう側にも
引き合うだけの要素があります。
引き寄せる側も、引き寄せられる側も、
共に鏡ですから、同じ無力感を
どこかに持っているということに
なるでしょう。
私自身も、まだまだそういう存在を
引き寄せてしまうところがあって、
精進が足りんな、と思っていますが、
この仕事を始めた初期の頃よりは
ずっと様々なケースに対処できるように
なってきているものの、
脇が甘いというか、自分でも気づいていない
心の隙を突いて、いつの間にか
依存させてしまっているところが
見つかったりします。
こういうのは、どれだけ頭で
気を付けようと思っても、
解決できる問題ではないのですよね。
自分自身に徹底的に向き合って、
まだ統合できていない不足感、
無力感、恐れ、不安感、混乱した気持ちを
ひたすらお迎えに行くしかないのです。
そういう未完了のものがある限り、
すがりつきたい存在を引き寄せて
不健全な共依存関係を作ってしまうんですね。
もう大概のことには対処できるぞ、
と思うと、こうしてまだ至らないところを
教えてくれる「先生」が現れるのです。
一般に、エネルギーバンパイアに
エネルギーを吸われたら、
コードを切って奪われたエネルギーを
取り戻せばその時は回復することが
できます。
けれど、それは一時的な対症療法で、
根本的な対処ではありません。
人は、迷い、心許なく、淋しさと孤独の中で
確かに見えるものにすがりつきたい
弱さを誰もが持っていると思います。
そうした抑えがたい衝動に、
深く対峙して受け止めていく。
どこまでそういう作業を
深めていけるのか。
ヒーラーやセラピストなどは、
不健全な依存関係を作らないために、
必須と言えるテーマかもしれません。