人よりも何かしら優れたものが
自分にあるのだとしたら、
それは己のためのみに使うものではない。
先日、そんな話をある方にしていました。
他の人にはどうやってもできない、
あるいは、はるかに自分に及ぶレベル
のものではないことが、自分には
いともたやすくできるのは、
それを身につけるまでにたとえ
血の滲むような努力があったとしても、
それは紛れもなく恩寵であり、
ギフトなのです。
どんなに努力しても、
必ずしも求めたものが常に思うように
得られるわけではないからです。
努力する才能は、
誰にでもあるわけではありません。
それもまた、恩寵です。
無数のギフトが奇跡のように重なって、
得難いその力が自分に備わったのです。
そのことに、何を見るか。
どう意味づけをするのも自由だし、
その力をどう使うかも、
自分次第です。
ただ、その力を得るまでの歩みの中で、
本当に深く自分自身に向き合ってきたのなら、
自ずから感じるものはあるのではないかな、
と思います。
私自身、取り柄があるとしたら、
目に見えないことを言語化する能力と、
人の心の構造を読み解く力かな、
と思うのですが、
これも、
そうなろうとしてなったわけではなく、
ただ目の前のことを不器用ながらも
私なりに取り組み続けてきた結果、
身についたものです。
また、今の仕事も、
どうしてもヒーラーに「なりたかった」
というよりはなぜか、
「なる」ことしか頭になかったんですね。
どんなに至らない自分であったとしても、
何としても「至るようにする」のみだったのです。
今思えば、そう一心に思い続けられたこと自体、
奇跡だったなと思います。
そうして、出会ったクライアントさんたちに
育てていただいて、今の私があります。
とても喜び、感謝してくださる方もあれば、
お怒りになり、ご不快な思いをさせてしまった
方もあったと思います。
そのすべての方たちが、
私の糧になっています。
ただただ感謝です。（-人-）
この仕事を始めて12年、色々なことがあったし、
本当に孤独で辛い時もあったけれど、
幸せなことに、私はその最も辛い時に、
最も深い恩寵と守護を感じながら
道を歩むことができました。
そのときから感じていたのは、
今私が歩んでいる道は、
私一人のものではない。
後に続く、
過去、現在、未来のあらゆる世界にいる、
これから出会うあらゆる存在たちのための
ギフトである、と感じていました。
今、その時の確信はそのまま実現していますが
まだまだ、私の寿命が尽きるまで、
続くんでしょうね。
目の前の方を通して、
その方の血統や魂の記憶にある
過去や未来の無数の存在たちに出会い、
何かしら彼らの運命が良い方向に
転換できたら。
自分の力は、そのために使うというのが、
私に与えられた恩寵への応えです。
力は、いかに資質があったとしても、
磨かなければ使い物になりません。
より高度なギフトほど、そうでしょう。
如何に磨いたらいいのかも、
自身に与えられたギフトと繰り返し
無数の対話をし、試行錯誤していくのです。
自分で問い、自分で答えを見つけていく。
そういう力が身についてなければ、
ただ可能性があるだけで、
ダイヤの原石は原石のまま。
素晴らしい才能があったとしても、
埋もれたまま終わるでしょう。
それに疑問も悔しさもないのだとしたら、
それまでなのです。
自分にどんな才能があるのか、
すべての人が早い内からわかっている
わけではありません。
人生の半ばになってようやく
わかる人もあるだろうし、
終盤になって積み重ねてきたものが
やっと報われ、ギフトとして花開く
人もあるでしょう。
少しでも早く資質を見つけたい
と思うのは人情ですが、
そうであるならば、
置かれた状況の中で常に最善を尽くすこと
が大切だと思います。
自分にやれることをやりきってダメなら、
そこから去って次に行っても、
ただ嫌になって逃げだすのとは
違ったスタートが切れるでしょう。
やることをやらずに場所だけ変えても、
同じステージがまた差し出されるだけです。
差し出される人生の学びを信頼して、
人としての良心を基に、真摯に、誠実で在れ。
その大元を誤った時に、
一時の欲望にどれだけの歪みと悲劇が生まれるか。
子々孫々の血統や魂に刻まれる
無数の人生に至るまで、
その影響が及ぶのです。
たくさんの方の無数の人生を見てきたので、
それだけは強く念を押しておきます。
自分の命を、自分一人ものではなく、
後に続く存在たちのために生きるとき、
その人は、永遠の命を生きているのでしょう。