感情解放のセッションをしていると、
色々な理由から、本当の自分を隠して
何ともないふり、何もないふりをして
平静を保っている姿を必ず見かけます。
それを認めてしまったら、
自分を保てない、崩れてしまう、
自分が消えてしまうような気がするから、
どうしても認められないと言います。
悲しくて苦しくて、
本当は泣き崩れたいのに、
そうなってしまったら生活していけなくなるから
必死で大丈夫なふりをしているとか、
ダメな自分を認めてしまったら、
惨めさに耐えられない、
本当にダメになってしまう気がする、
自分にがっかりする、
完璧な（理想に近い）そうであるべき自分
ではなくなってしまうなどなど。
でも、これらの言い分を聞いていて思うのは、
だた認めていないだけで、認めたくない
その状態は、既に自分の中にあるよね？
っていつも思うのです。
見ないで無かったことにすれば
それは消えてなくなるかと言えば
視界から見えなくなるだけで
厳然としてそれは在るのです。
泣かないようにしても、既にその人は、
心の奥で泣き崩れているのであり、
ダメな自分から目をそらしても、
既にその人は惨めさにさいなまれ、
自分に失望し、理想の自分ではない
自分なのです。
目をそらすことで「無い」と言い張るのは
自分に嘘をついていることに
ならないでしょうか？
本当の自分を「無い」と言い張り、
まともに向き合えない自分は、
在るべき理想の自分なのでしょうか？
よく、強く在られねばならないと言う
固い信念を持っている人が、
自分の弱さを認められないケースに
しばしば遭遇しますが、
自分の弱さに真正面から向き合い、
認められる人は、
決して弱くはありません。
むしろ、それができない人の方が、
弱いのではないでしょうか。
在るがままの自分を認めるって、
簡単なことのはずなのに、
なかなかに難しいものですね。
ネガティブと思える側面を認めるときだけ
ではなく、一見ポジティブに思えるような側面を
認めることにも、非常に抵抗が起こる
ケースもあります。
たとえば、
愛されていることを認めるとか、
許されていることを受け入れるとか、
本当は素晴らしい力を持っていることを
認めるとか、
普段その人が欲しくてほしくて
仕方がないはずのものなのに、
どういうわけか、
頑としてそれを拒絶しているんですね。
力が欲しくてさまよい続けているのに、
どこかで、無力で無能な自分でいることに
不思議な安心感を覚え安住しているとか、
愛がほしくてものすごく努力しているのに、
実は愛されない孤独と恨みを握りしめて
離そうとしていないとか、
許される道が目の前に示されているのに、
許されない、責められるべき自分の檻から
絶対に出ようとしないとか、
そんなことは、枚挙に暇がありません。
言っていることと望んでいることが違う
という、人間心理の不思議ですね。
そして、そういう事例を明らかに見せても
自分の本心を認めず、わからないと言って
さらに混乱の中に逃げるというケースもあります。
どこまでも、逃げようとすれば
逃げられるのですよね。
そうまでして逃げなくても、
望んでいないのなら、素直にそうしたくないのだ
と言ってしまえばいいものを、
そうしないのは、努力しているのに
自分ではどうしようもないんです、
という体裁を整えるためです。
努力しているふりをして、
何かしらの希望をつないでいるのでしょうね。
一体、何のために？
こういう状態にはまっている人は、
自分がやっていることに気づかなければ、
先に進むことはできません。
自分の手の届かない問題
になってしまうからです。
でも、まさに自分がそうしているのだ！
と言うことに本当に気づいたら、
自分でどうにかすることができます。
ただ、自分がやっていると認めてしまうことは、
それまでの自分の在り方の不備を
認めることでもあるので、
抵抗してしまうということがあるんですね。
とは言え、その在り方を変えずに、
状況だけ良くしたい、というのは
無理な話です。
自分は全然悪くないんだけどね～、
でも何か～、変えないといけないみたいだから～
変えてみようかな～って！
みたいな感じでは、何がどう違うのか、
全然気づけてないですよね。
もちろんこれじゃ転換しようがありません。
本当に変わっていきたいと望むのなら、
自分がやっていることをしかと見て、
自分が今なすべきことにコミットすることです。
本音と建前がズレていては、
どこにもたどり着こうはずはないですからね。
自分に誠実に、というのは、
自分に向き合うときのイロハであり、
最も大事な奥義なのです。