自分が自分にしているように、
他者からもされる、というのは
感情解放ワークにおける鏡の法則の
基本的概念の一つです。
すなわち、自分が自分を、
容姿や能力など故に嫌い、憎むのなら、
誰かもあなたを同じ理由で嫌い、憎みます。
また、自分が自分の意向を無視して
いないものとして扱うなら、
誰かもあなたのことをまったく
いないかのように振舞うでしょう。
そして、
自分が思い通りにならない自分をねじ伏せ、
思う通りにしようとコントロールするなら、
誰かから、同じような扱いを受けるのです。
これが、鏡の法則なんですね。
ネガティブな方を列挙してみましたが、
もちろんこれはポジティブな方にも
言えることで、
自分が自分を本当に大切に扱うのなら、
周囲の人があなたをそのように扱います。
自分が自分を信頼し、決して見捨てず、
裏切らないのであれば、
あなたは決して見捨てられず、
裏切られることはないでしょう。
もしあなたが、人は信用できない。
きっと私は裏切られるだろうと思うのなら、
あなたは今現在、どこかで自分を裏切っている
何かがある、と言うことを意味しています。
あなたが生きる世界が優しく親切で、
誠実な人が微笑みかける素敵な世界で
在ってほしければ、まずは自分が自分に対して
親切で誠実でなければいけません。
そのためには、
そうか!わかった!そうしよう!
と頭で思うだけではダメで、
そもそもなぜ誠実であることができずにいるのか、
優しくなれないのか、というところを
よ~く見て、解明しないといけないのですね。
そうでないと、その原因がそのまま残ってしまい、
それが状況によって作動してしまうので、
どうやったって、望むような動きには
ならないのです。
そういう風に、もう条件反射的な回路が
できてしまっているので、刺激に対して
自動的に同じ反応が出るからですね。
なぜ自分が愛せないのか、
このままの自分ではいけないのか、
そこには強迫観念のようになった
恐れがこびりついていて、
何かのきっかけでその恐れが掻き立てられると、
それを避けるためなら、たとえ自分を
傷つけ、裏切るようなことであったとしても、
平気でできてしまうのです。
これが、理性や理屈などすっ飛ばして
問答無用で駆り立てる感情のエネルギーの力です。
感情解放ワークでは、
このエネルギー自体に対処して、
恐れに駆り立てられずに、
違う選択ができるようにするわけです。
自動的に反応してしまうこうした
感情のエネルギーを一つ一つ統合していくにつれ、
大概のことには動揺せず、強いストレスの中でも
ぐっと踏みとどまって、的確に状況を捉え、
対処できる力がついてきます。
それを、外から見ると、
安定感や信頼感があるように見えるんですね。
何とも頼もしく、包容力がある人というのは、
そういうことなんでしょう。
自分の容姿や能力を在るがままに受け入れ、
批判していない人は、他社の容姿や能力を
在るがままに受け入れ、批判しません。
他者に向ける眼差しは、
自分自身に向ける眼差しでもあるのです。
どうにも受け入れがたく、
心乱される存在に出会った時は、
まさに自分の中にある、その存在に表される
側面がまだ分離していて、統合されていない
と言うことを表しています。
頭でそうわかっていても、
実際にその側面を見つめることは、
なかなかに難しいでしょう。
ついつい否定しなくなる、
私はあんな人と同じではない!という叫びを
まずは横に置いて、
では私は、あの人がいつもするように、
自分に対してしていないと言えるだろうか?
と問うてみてください。
冷酷だったり意地悪だったり、
無神経だったり、思いやりがなかったり、
内なる私から見た自分は、
自分で想像するほど、自身に対して
善き友人であったでしょうか。
そうであろうと努力しているようで、
肝心なところで、ひどく失礼なこと、
無神経なことをしていないでしょうか。
その努力は自己満足で、
内なる自分はちっともわかっていない!
と腹を立て、悲しく思っているのでは
ないでしょうか。
そうした微妙なすれ違いも、
鏡は実によく映し出してくれています。
上手に活用して、自身の在り方を軌道修正し、
自分の生きる世界を豊かに、美しいものに
していきましょう。