神聖なる怒り

日々の生活の中で、
何に意識を向けて、どう捉え、
行動しているかで、人生で経験するものは
随分と違ってきます。

スピリチュアル的にはきっと、
(って私が勝手に抱いているイメージなんですが)

ポジティブなもの、幸せを感じるものに
フォーカスをして、意識を向けていくと、
人生はきらきらハッピーになる!
とか言われているのかなぁなんて思うのですが、

私はそういうのが実に苦手で不器用なので、
え、でもこっちにこんな汚いのがあるよ、
あっちにもおかしいことがあるでしょ、
ってとことに目が行って仕方がないのです。

もちろん、そういうのばかりではなく、
いいな、と思ったもの、きれいなもの、
良かったことも味わいますが、

都合良く心地良くなるようなフレームで
切り取れば、世界はバラ色!みたいな考え方は、
どうも性に合わないのです。

もちろん、写真を撮るときとかは、
そういう風にすることは普通にありますし、
各言う私も、様々なバイアスをかけて
世界を見ているのは否定できないので
結局は個々人が持つ興味関心の指向性の問題
なのかもしれません。

ただ、その興味関心の指向性というのは、
後天的なものもあれは、宿命のごとく
魂の深いところに刻まれて生まれ持ってくる
ものもあるのだろうという気がします。

なぜ、そういうところに意識が向いてしまうのか、
向かざるを得ないような要因が、
一人一人の中に厳然としてあり、

そういうものが、人生をこのように紡いでいく
非常に大きな力になっているのですね。

たとえば、お魚が大好きで、
放っておけば朝から晩までず~~~っと
魚のことを考えていて、お魚を極めた
さかなクンは、やっぱり魚とともに
人生を生きていくことが宿命だったのだろう
と思いますし、

将棋が好きで好きで、そして負けるのが大嫌いな上に
人並外れた才能を持っていた藤井聡太君は、
やっぱり棋士として生きるのが定められていた人
だったのだろうと思います。

そこまで極端に何かに秀でたものが
なかったとしても、不思議といつも目が行くこと、
気になって仕方がないこと、というのが
誰にでもあるでしょう。

たとえそれが一般的にネガティブと言われるものが
気になって仕方がない。放置していられない
というのだとしても、それはそれで、
何か社会を変える大きな力になっていく
こともあるんじゃないかと思うのです。

私はこのヒーリングの世界に入ってきて、
きらきらハッピー路線はどうにも無理だな
というのがコンプレックスでもあったのですが、

元々がネガティブこの気質も、
それなりに使いようではあったな、
と今にしてみれば思うわけです。

話は大分それてしまったのですが、
何が言いたかったのかと言うと、

世の中、様々におかしいことが
もう呆れるほど色々あって、
この時代はそれが噴出していて
どこから変えていったらいいのかすら
わからないほどですが、

そういうことにふたをして、
あえて目をそらして自分の世界だけ
平穏無事に、過ごしていられるような
時代ではなくなっているよね、
と思うのです。

もちろん、自分が見ているものに関して、
ある方向性に導かれるように、恣意的に
見せようとする様々な動きがあり、
慎重であるべきだという思いはありますが、

ここまでめちゃくちゃをされて
大人しくしているのは、
そういう行為を是認したことにもなり、
ある意味、それはそれで罪でもある
と思うのです。

怒るべき時に怒らないのは、
愚か者であります。

社会的にも、スピリチュアルでも、
怒りは悪だと捉える向きもあるようですが、
それは違うと私は思います。

怒りは、神が与えたもうた
神聖な感情のスペクトラムの一つです。

単なる醜い八つ当たりの原因になる
下品な感情ではありません。

なぜ憤怒の形相の神仏がおられるのだと
思いますか。

人生には、時にその神聖な怒りを
発動しなければいけないときが
あるのだと思います。

怒りを下等なものだと捉えている人は、
必要な時に、この神聖な怒りを
発動させることができません。

そうして、歪んだエネルギーが
不適切にどこかに流れて行って、
不完全燃焼になって、くすぶっていくのです。

誰かを傷つける怒りは最大限、
避けるべきだという考えも、
よくわかります。

一方で、問答無用に怒りを敵視して、
神聖なる怒りを抑圧することが最善なのだ
というのも、違うと思います。

何をもってして神聖な怒りだというのか、
という部分は、それぞれの胸に深く深く問いかけ、
その状況に向き合い、自分自身で答えを
見出していくものでしょう。

そういうことの一つ一つに、
インスタントに他者に答えを求めようとする
在り様では、きっと、自分がいつ怒り、
いつ冷静になるべきなのかすら、
人に決めてもらうようになるのだろうな、
と思います。

怒りを健全に昇華させていく道を
私自身も、もっと探求していこうと
思うのでした。

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