先日、ある方が「できなくなることが恐い」
と話されていて、色々思うところがあったので
これについて書いてみます。
私は結構いい加減なので、
できなくなったら、
またできるようになればいいだけだと
大して考えもせず思ってしまう方です。
ずっとできる状態でい続けなければならない
というプレッシャーがない分、お気楽です。
そういう考え方になっているのも、
普段の仕事の在り方のせいかもしれません。
セッションでは、常に同じものはなく、
毎回が一回限りの出たとこ勝負、
しかも、何が出てくるか、その時まで
全く未知の状態です。
だから毎瞬、その場その場で
対応していくしかありません。
自分でも、読み取ったものの意味が
わからなくて、これ何だろう?って思いながら
その場で試行錯誤しながら読み解いていく
ということもありますし、
こんなものが出て来たけど、
さて、これをどう収めたらいいのかな?
というのも、その場で考えます。
わからないことだらけですね。(笑)
問いかけを続けていく内に、
あ、これはこうなってるのか、とわかって、
これはこんな風にしたら良いらしい、
という道筋が直感的に見えてきたり、
ガイドさんにお聞きして、
その時やるべきことを判断するときも
あります。
状況的に、こうするのが良いらしいけれど、
それどうやってやるの?っていうところを
その時の私は知らなくて、
これ、できるのかな?と思いながら
やってみたらできちゃった、という具合に、
能力開発がその場で起こったりもします。
まさに、それをしなければいけない
必要性と必然性があるからこそ
なのでしょうね。
やってみて、後から
へえ~、私ってこんなことできたんだ!
と自分で感心してますから。
そういう場面に出くわさなければ、
自分にそんな力があるなんて、
知らずに一生を終えていたでしょう。
もちろん、基礎的な修練は欠かしませんが、
今は外からの余計なインプットは
していません。
以前は、様々なセミナーに参加していた
時期もありましたが、
ある程度の下地ができたら、
それ以上入れても、結局身につかないし、
本番から学んだ方がずっと意義深く、
蓄積されるものがあったんですね。
本当に血肉となるのは、
実際に自分が経験から学び取ったものだけだと
しみじみ感じています。
あくまでこれは、私のケースなので、
人それぞれの段階と学びの内容によって
違ってくるとは思います。
けれど、私が思うのは、
ある程度の基礎を学んだら、
あとは自分で学び取っていく力を
磨いていかなければいけない、
ということです。
これはどんな分野にも言えることですが、
知識や技術を学ぶというよりは、
「学び方を体得する」ということですね。
つまり、
自分が今、何を知る必要があって、
どうやったらそれを身に着けられるのか、
その道筋を自分で組み立てられる、
ということです。
こういう視点がないと、
いつまでたってもマニュアル人間を
越えていくことはできません。
本当に大事なのは、
マニュアルに書いていない部分なのですから。
そんなものは書いてないのだから
できなくて当然、知らなくて当然、
と言うところで止まっていたら、
AIで事足りてしまうのではないでしょうか。
自分の心や体の状態だって、
季節や周囲の環境だって、
道具の状態すら、何一つ
同じということはありません。
昨日まで普通に歩けていたとしても、
次の瞬間、事故に遭って足を失ってしまう
ことだってあるかもしれません。
そうしたら、またその状態の自分で
できることを追究していくのです。
人生が続いていく限り、
立ち止まってはいられません。
学び続け、チャレンジし続ける力がある限り、
私たちは歩み続けることができます。
恐れるべきは、できなくなることではなくて、
前を向いてチャレンジする力がなくなること
かもしれません。
失敗することが恐い、と言う人は多いけれど、
失敗というのは、その時の自分にできなかったことを
できないままにして終わらせておくこと
だと私は解釈しています。
それは、
お客様や人生から宿題を頂いて、
答えを返していない状態
と言い換えることもできます。
どうだ、やってみろ。
お前さんがどういう答えを出してくるのか、
楽しみに待ってるよ。
そんな風に言われているのに、
打ちひしがれて、諦めて、言い訳をして
蓋をして逃げ回っている。
そんな状態でしょうか。
結果を引き受けて、自分がそれによって
どんな宿題をいただいたのか。
謙虚に見ることです。
それは、人生の落後者のレッテルを
貼られたということではないのです。
あるレベルから見たら、
そうとしか見えないかもしれませんが、
もっと大きく深いレベルで見つめ、
問いかけていきましょう。
失敗したくなくて、
便利な解答集を求める人は多いけれど、
そんなもので片が付く経験に、
どれほどの価値があるのでしょうね?
誰かが決めた枠組みの中で、
小ぢんまり収まっているよりも、
人生はもっとクリエイティブで
いいはずだ!って私は思いますけれどね。