セッションをしていて、いつも思うのは、
私自身が本当に覚悟を決めて
クライアントさんに向き合わないと
見えてこないものがあるし、
開かない扉がある、ということです。
もちろん、私だけが頑張っても
クライアントさんが受け取れないと
どうにもならない時は確かにあるのですが、
そうは言っても、
自分自身の責任領域のことは
逃げずに最善を尽くしてやり抜こう
と思っていつもセッションに臨んでいます。
けれど、セッションを進めているうちに、
ふと自分の感覚や読み取ったものが
本当に正しいのだろうか？
この方向に導いていくことが
もし間違っていたら？と
恐れから来る迷いが生じることがあります。
そういうときに、
安全策を取るという名目の下に
「逃げのスタンス」になって
腰が引けてしまうことが
たまにですが、あるのですね。
大抵の場面ではそれなりに捌いていけると
思っていますが、その方の非常に繊細で
根源的なところに斬り込んで行かなくては
いけないようなときに、ふと恐れが
湧いてくるときがあるのです。
そんな場面で迷いが生じては
ろくなことになりませんから、
一気にそこから引いて、
逃げの態勢になってしまいます。
そうなると、
見なくてはいけないところが
見えなくなってしまうのですね。
本当に、手掛かりが0になってしまいます。
最初は、それまでちゃんとポイントが
捉えられていたのに、急に見えなくなって
はて？これはどうしたことか？
と思っていたのですが、
あるときにふとその理由が
インスピレーションでやって来ました。
要は、「逃げたよね」と。
恐れと疑問が浮上してきたときに、
そこでしなければならなかったのは、
引くことではなく、さらに踏み込んで
見ること、だったのです。
悪魔などダークサイドに対峙するときは
絶対に引いてはならない、という
コミットメントはしていましたが、
自分の心の中に浮上する
こういう弱さに対しては認識が足りず、
コミットメントできていませんでした。
未熟者ですね。
通ってきてくださるクライアントさんも
どんどん深まっていて、出てくるものも
かなり繊細だったり巧妙だったり
ある意味、レベルが上がってきているな、
としみじみ感じます。
今までの私でそこそこ対応できていたことに
あぐらをかいて、自身の姿勢がおろそかに
なっていたかもしれません。
みなさんの成長とともに、
私も成長していかなければ。
逃げているからだ、と上から
メッセージが来たときに、
ふと思ったのは、
そうは言っても、
あまり力みすぎ、集中しすぎてしまうと
視野が欠けたり偏ってしまうのでは？
と言う恐れでした。
もっとリラックスして、力みを抜いて
対峙すべきだ。力むのはぎこちない、
未熟だというイメージがあったのです。
けれど、それに対して上からは、
今は死ぬ気で立ち向かっていくくらいで
丁度いいのだ、と言われました。
そうして壁を越えてから、
自然に力みが抜けていくのだから、
最初から達人ぶっても、
その程度では壁は越えられない、
ということでした。
なるほど、言われてみれば
それもそうか、と思い、
自身の思い込みを改めました。
恐れはいつでも、誰の心の内にも
生じるものだと思います。
けれど、
それに対してどう応答するのか、
意識的でなければいけません。
そうでなければ、無意識に背を向けて
逃げの姿勢になってしまうからです。
恐れても、その源になお深く対峙して
踏み込んでいくことが道を開くのですね。
相手の中に、可能性を見続けるには、
自分の中の真実なるもの、可能性に
深くコミットメントしていないと
できませんね。
自分が怯んだ分だけ、
そこが死角になるのです。
人間の心の視野も、肉体的な視野も、
まことに不確かなものであります。
人に対峙することは、
同時に自分自身に対峙すること。
常にこれらは車の両輪の如く、
切っても切り離せない関係で、
関係性がうまくいかない時と言うのは
とかく相手のせいにしてしまいがちだけれど
実は自分自身がきちんと
自分に向き合えていない、というところこそ
原因があるのでしょう。
本当に私にとってすべてのセッションは
学ぶところばかりで、有難いことです。
これからも、精進していこうと思います。